重陽の節句イベント②
『重陽の節句のお祭りで、デートしませんか?』
そんな秘密の手紙をルベウニスに送った翌日、すぐに行きたいと返事が返ってきて笑ったわ。
小説の中にはお祭りでお忍びデートイベントがあったんだもの、この間ちゃんと自己紹介し合ったし、このイベントを前倒ししてもいいわよね。
でも、あたしが転生したのが知ってる小説の世界でよかったわぁ。
しかも悪役令嬢がざまぁする側になっちゃう、同人のIF小説の方でさらにラッキー。
あたしだったら原作の方でも、演技力でいくらでもヒロインを蹴落とせただろうけど、せっかくなら自分が主役の方がいいものね。
不思議なのは、ヴィヴィアナが誘拐されてなくてタンザナイト公爵家にいること。
なんか離婚して実家に帰ったらしいけど、そんな展開の同人作品あったっけ?
まあ、あたしが子供のころから優雅な公爵令嬢生活が出来るのはいいけど、誘拐されてくれてなかったら、お気に入りのルベウニスと出会っちゃう可能性もあるじゃない。
ヒロインなだけあって、ルベウニスはヴィヴィアナと出会っちゃったら一目ぼれするかも。
そんなの絶対にダメ。
だから、無理やり七夕の節句について行ってルベウニスと会おうとしたのに、あのヴィヴィアナとフロリアナが教皇とかいう偉い人の横で楽しそうにしてるのを見て、イラっとして突撃したけど、あれは失敗だったわね。
あ、でもその後にルベウニスと会った時にあの時の悪口で盛り上がったし、逆によかったのかしら?
「それにしても、プライドが高くて兄に対してのコンプレックスがあるってだけあって、ちょっと持ち上げればすぐあたしに興味を持つのは、ほんと助かったわ」
ルベウニスからの手紙を封筒に入れ直してヒラヒラと振りながら笑って、大切にしてますっていうアピールのために、キレイな箱を持ってこさせてしまう。
あーあ、お祭りが楽しみだわぁ。
■ ■ ■
当日、平民風お忍びワンピースをメイドに用意させて、その上からローブを羽織って完璧に変装すると、待ち合わせ場所の広場の噴水前にあるベンチに座った。
(それにしても、お母様には王子様とデートしてくるって言っておいたけど、あの人もチョロイわよね)
流石は私の娘! なんて言って、大はしゃぎして見送った姿を思い出いして、思わず笑っちゃう。
あたしの欲しいものは何でも買ってくれるし、甘やかしてくれるから文句は何もないけど、ちょっと頭の緩さ大丈夫? って心配になっちゃう。
お父様も、どう考えてもあたしの実父にしか見えないのに、外ではお母様の連れ子って言い張ってるみたい。
ルベウニスには実父なんだけどねって教えてあげたけど。
だって、そもそも原作で実父なんだし、こんなにそっくりなんだから無理あるって。
「楽しそうだな?」
顔がにやけてたのを見られたのか、不意にそう声を掛けられて、イラっとしながら声の方を見れば、あからさまなお忍び貴族風の恰好で、護衛もいかつい人を5人も連れてる。
恰好はともかく、デートに護衛つきとか萎えるんですけど~。
「えっと、ルベウニス様と一緒に遊べるって思ったら、なんか楽しくなっちゃって……えへ」
自分の地位が目当てで言い寄ってくる媚びた令嬢は嫌いなのに、自分を下に無下にする令嬢も嫌い。
だから、あたしは純真無垢に友人と遊べることが嬉しい令嬢のふりをする。
こういう演技得意なのよね。いわゆる姫プってやつ?
前世でもよくやってたけど、パパの会社がつぶれてからうまくいかなくなったのよね。
そういう時こそ、あたしの手助けをしなさいっての。
今はこうして贅沢な生活ができる世界に転生できたから、前世のことは割とどうでもいいけどね。
「でもルベウニス様のかっこよさが目立ってますよ? ほら、みんながちらちら見てるじゃないですか!」
あくまでもカッコイイからって言えば、ルベウニスはまんざらでもないように護衛からローブを受け取った。
まぁ、いいんじゃない? ローブも高そうで貴族感が隠せてないけど、さっきよりは目立たなさそう。
「ほら、一緒にお祭りを楽しみましょうよ!」
そう言って立ち上がったあたしはルベウニスの手を握る。
あたの行動に護衛が止めるような動きをしたけど、「どうかしました?」ってにっこり笑いかけると、「いえ……」とため息をついた。
何か失礼じゃない?
っていうか、こんな人たちがいたらせっかくのデートがマジで楽しくなさそう。
「えーっと、ほら、あのお店とかどうですか? なんか飲み物売ってるみたいですよ!」
「平民が扱うものを俺が?」
心底いやそうな顔をしてるけど、ここはあたしのテクニックを使わないとね。
「だからこそですよ。ほら、平民の気持ちをわかる王子様ってカッコイイじゃないですか!」
人気者になりますよって言ってあげれば、「それもそうか」と単純に信じるのは子供だからかしら?
今のうちにあたしに依存させたら、ヴィヴィアナと会っても一目ぼれとかないかも。
だったら、あれよね。吊り橋効果。
「ねえ、ルベウニス様」
そっと耳打ちをする用に顔を近づければ、ルベウニスは驚いたように体を離そうとしたけど、逃がさないわ。
「護衛さんがいたら、監視されてるみたいで楽しくなくないですか? こういうのって、子供だけで遊ぶのが楽しいんですよ。それに、護衛がいなくても平気って、きっとお兄様の第一王子様もしたことありませんよ」
プライドとコンプレックスを刺激するように言えば、ルベニウスはすぐに「なるほど」ってにんまりした。
ほんと、チョロイ。
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こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。
あ、この作品のPVあります。
見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)
↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!
https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB
↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)
https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r
https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL




