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大物がいらっしゃるのでしょうか?

挿絵(By みてみん)

 残暑はまだ続いていますが、朝晩の気温が秋を感じさせてくるようになったころ、私はいつものように王宮に向かい、アストリアンの授業を受けています。

 ただ、原古神語の授業には実際にはまだ入っておらず、私はまだ基本的な神語の発音の練習をしています。

 私が進まないのなら、とフロリアナも付き合ってくれており、アストリアンも流れに乗り無理に授業を進めることはありません。


「デウす クィ フンク ムンどぅむ クれアーウィト すぃク ロクートゥス エスト。エツィ エゴ フンク ムンどぅム イプすム レゲレ ポッスム、と……とゥ エス クィ エウむ トゥエーリー デベーしゅ……す。クワプロぷてル、メー ノーン レウェらーボー、セド フンク ムンどぅム クすトーでぃアム。エト ノーリー オブリーうぇ……うぃスキー。オンネース ムンでィー イン キュクロー エクしゅす……ススタント、インテル セー コネクスィー エト キルクむふェレンテース、デぬオー ゲルミなんテース。クム ヒク ムンどゥス タンデム フルクトゥム トゥれリト エト ノウム ムンドゥム ゲネラうぇリト、トゥム デムム うぇーレー アルボえす……れすケト」


 神語の一文をなんとか読み切りましたが、発音はたどたどしいし、やはりつっかかってしまいますね。

 納得いかず、「うーん」と唇を尖らせていると、フロリアナが「前回よりずっと上達していますわ」と慰めてくれました。

 そもそも、6歳の子供ですから、多少の舌足らずは大目に見るべきでしょうか?

 けれど、フロリアナはほぼ完璧ですから、私のせいで授業の進みを待たせるのも申し訳ないですよね。


「アストリアン様、発音のコツはございませんか?」

「僕はそういうのはもう忘れたなぁ……。そもそも発音に苦労したことないかも?」


 侍女や護衛がいるとはいえ、壁際にいるため声が届かない空間では、敬語を使うことやめたアストリアンは、にっこりと笑いました。

 そして何度目かの音が遠ざかる感覚に、フロリアナと一緒に訝しげにアストリアンを見ます。


「そもそもさぁ、僕ってもう何歳か覚えてないぐらいに長く生きているわけ。先代から今の役目を継いで言語なんて全部頭の中に入ったし、発音もそう。新しくできる言語も、僕は普通に理解しちゃうわけ」


 フロリアナはアストリアンが星の守護者であることは知らないのですが、そのようなことを言って大丈夫なのでしょうか?

 そう考えてフロリアナを見れば、意味の分からないという目をしており、いつも以上にアストリアンを警戒しているようです。


「というかさ、ヴィヴィアナ」

「なんでしょう?」


 不意に名前を呼ばれ首をかしげると、警戒を解かないフロリアナが私の腕を抱きしめました。


「古い知り合いから急に連絡が入ったんだよね」

「はあ」


 それがなにか? と言外に尋ねると、アストリアンは「なんかさぁ」と大きくため息をつきました。


「古始祖が外宇宙から戻ってくるらしい」

「「はい?」」


 意味の分からない言葉に、私とフロリアナが揃って声を上げてしまいました。


「古始祖? 外宇宙? それはなんですの?」


 フロリアナが尋ねれば、アストリアンは「この星を内包してる銀河も含んだバカでかい空間が宇宙で、外宇宙はその果て……ブラックホールの中」といいましたが、フロリアナは当然のようにわからないようです。

 大丈夫ですよフロリアナ、私も半分ぐらいしかわかりません。


「古始祖ってのは……あー……なんっていうのかなぁ、いろんな星の生物の原点っていうか、あー……ご先祖様っていうか、神様に近いかな?」


 アストリアンもなんと説明していいのかわからないようで、難しい顔をしています。

 けれども、他になんとも言い難いよう、それで納得してくれといわれ、私とフロリアナはとりあえず頷きました。


「古始祖ってのはさ、僕たちと違って、宇宙の守護者なわけ。正直引退したご隠居。普段は僕たち星の守護者に全部面倒ごとを押し付けて来てるのに、わざわざ出てくるなんて、よっぽどだよ。しかもさぁ、どもうこの星に来るらしいってんだよね」


 私とフロリアナは思わず目を合わせました。


(どうしましょう、意味が分かりません)


 目でそう言えば、フロリアナがコクコクと頷きました。


「アストリアン様、つまりどういう事でしょう?」


 そう尋ねれば、アストリアンは胡乱目をして、「宇宙そのものが、やばいってこと」と疲れたように言いました。


「多分、古始祖に世界の管理神から連絡があったんじゃないかな。そうでもなければ、あの万年新婚ご隠居が伝言じゃなくてわざわざ動くとは思えない」


 だいたい、世界を管理している神とのコンタクトは、普通の器には負担が大きすぎると、アストリアンは意味ありげに私を見ました。

 その視線を無視して、私はフロリアナの耳に口を寄せ、「いままでのループでこんなこと、ありましたか?」と尋ねると、フロリアナは首を横に振りました。


(最後のチャンスですからね……世界を管理する神も、手段を選んでいないということでしょうか?)


 そう考えて私は目を細めました。


よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。


あ、この作品のPVあります。

見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)


↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!

https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB


↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)

https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r

https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL

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