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幕間 共に道を切り開き それでも堕ちるというのなら

挿絵(By みてみん)

 手を取った瞬間、今までにない温かいものがわたくしの中に流れ込み、欠けていた何かを埋めていくようにさえ思える。

 そこから、わたくしたちは次のループを待つまでの間、様々なことを話し合い、長い時間を過ごした。

 ヴィヴィアナの以前いた世界は、私たちの世界の元になった世界だそうで、どのような違いがあるのか聞けば、わたくしにとってはまさに夢のような話し。

 とある小説が世界樹の枝葉になり、この世界が出来上がった。

 けれども、パロディという存在が力を強めてしまったせいで、本来の流れは歪められ、それがわたくしが何度も死んでしまった原因だそうです。


「わたくしが死んでしまうことが、世界の崩壊につながる……とは、大げさではございませんの?」

「私もそう思うのですが、この世界を管理している神がいうので、そうなのでしょう」


 ヴィヴィアナもよくわからないそうですが、この世界を管理している神が言うからそうなのだと、ただ信じているそうです。

 その神も、わたくしが知っている神々ではなく、この世界そのものを管理しているという神で、全く存じ上げない方……。


「けれども、私の目的はフロリアナ、貴女に寄り添い生きることです。それが為されないのなら、共に堕ちてしまいましょう」


 微笑むヴィヴィアナに、わたくしはどこか言い知れぬ喜びを感じてしまう。

 いつもこの空間はわたくしにとって、寂しくつらく、孤独で悲しい場所だったのに、ヴィヴィアナがいるだけで温かくなる。


(ああ、このまま永遠にこのまま二人で……)


 そう思えてしまうほど、ヴィヴィアナといる時間は多幸感に満ちていて、甘い毒のように体を満たしていく。

 もっと触れ合いたいと、つないだ手に力を込めれば、ヴィヴィアナは微笑んで愛しむように、握り返してくれて額を合わせてくれました。

 何かが戻ってくるような、混ざり合うような感覚は、きっと言葉では言い表すことのできない、充実感。


「ヴィヴィアナ、先ほど最後のチャンスと言いましたわね? それはどうしてですの?」


 わたくしの問いにヴィヴィアナは額を離し、困ったような表情を浮かべました。


「貴女の魂が、もう限界なのですよ」

「わたくしの……魂?」


 言われて、思わず手を離して胸に手を当ててしまう。


「何度も繰り返し傷ついた貴女の魂は、歪にひび割れてしまっています。もう一度ループして失敗してしまえば、もう砕けてしまう……だから、最後のチャンスです」


 確かに、何をしても殺される運命に疲れ、無気力に何もしないこともあった。

 それでも殺されるのだから、もうどうしようもないと思っていた。


(なるほど、壊れかけているからこそ、何もする気力が起きなかったのかもしれませんわね)


 どこか納得して、情けなく笑うわたくしに、ヴィヴィアナは優しく頭を撫でてくれる。


(温かい……)


 当たり前のように幸せだと感じ、ずっとこうしていたいと思える。

 溶け合うような時間を過ごし、長く話し込んだ時間は、これまでのループで苦しんだ何かを、ゆっくり溶かしていくようにさえ感じる。

 相変わらず壊れた時計や歯車に囲まれた空間に、ヴィヴィアナの青い炎の花が浮かんでは消えていく。

 それだけで空気が溶けあい、息苦しさが減っていく。


(ああ、息をすることがこんなに楽に感じるなんて、どれほどぶりでしょう)


 今まで濁った水の中で息をしていたような感覚から、清流の中で息をするような感覚に次第に変わっていく。

 まだ、水の中にいる息苦しさはまとわりついているけれど、それでも息をするのはずっと楽になった。


(ヴィヴィアナ……わたくしの、運命……)


 なぜこれまで会えなかったのか、神を恨んでしまいそうなほどですが、最後のチャンスに間に合ったのだというのなら、それでいい。


(いいえ、むしろ……)


 次の人生が失敗したとしても、貴女はわたくしと一緒に堕ちてくれるのだというから、それで構わない。

 一人じゃないのなら、ヴィヴィアナと一緒であるのなら、幽冥(エレボス)に堕ちることだって怖くない。


「私たちは運命共同体です。最期まで一緒に生きましょう」

「これが最後の繰り返しだというのなら、わたくしは貴女を……ヴィヴィアナを信じ共に最期まで逝きましょう」


 ヴィヴィアナが生きることを諦めないと言っているのは気づいている。

 けれどもわたくしは、ヴィヴィアナと共に最期まで逝けるのであれば、それだけでもうかまわない。

 そしてわたくしが気づいているように、ヴィヴィアナもまたわたくしの言葉の意味が、彼女が言っている意味と違うことに気づいている。

 けれども何も言わない。

 それなら、すべてを二人で乗り越えればいい。すべてを二人で歩んでいけばいい。

 全てを壊してでも、わたくしはヴィヴィアナと離れない。離さない。


(だって、わたくしとヴィヴィアナはツインレイのファタールなんですもの。最期まで一緒ですわ)


 こう考えてしまうこと自体、わたくしはもう壊れているのだとわかっている。

 きっともうとっくに歪になったわたくしの魂は狂っている。


(でもわたくしが狂っていても、ヴィヴィアナはわたくしから離れませんわ)


 そこだけは確信できる。

 だからわたくしは、次のループにそれこそ最期の希望を託した。

 生き残る希望ではなく、ヴィヴィアナと共にあるという希望を……。


よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。


あ、この作品のPVあります。

見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)


↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!

https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB


↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)

https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r

https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL

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