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新たなる関係?

挿絵(By みてみん)

「神の忠実なる御方である教皇猊下にお会い出来、光栄でございます」


 私は改めてそう口にしてから、フロリアナに教皇の向かいに移動するよう言って、星の守護者の向かいの席に座りました。

 普通であればあり得ない無礼です。

 不思議そうな表情を浮かべたフロリアナと、何とも思っていないような微笑みを浮かべた教皇。

 そして、正面に座った私を楽しそうな目で見る星の守護者。


初めまして(・・・・・)タンザナイト公爵令嬢」

「初めまして」


 星の守護者の挨拶に合わせ、私は頭を下げます。

 一見、教皇のお付きのように見えますが、それであればこうして私に挨拶をしてくるのはおかしいでしょう。


(ならば、お付きの子供に見える衣装を身に着けた枢機卿……、とフィリーは思っているかもしれませんね)


 ループしてきた人生の中でも、こんなできごとはありませんでしたから、フロリアナも状況を把握して、どのように動くかを必死に考えているでしょう。


「教皇猊下、このあと慣例に従い貴族も列席している懇親会の会場に向かいますが、ご準備はよろしいでしょうか?」

「もちろんだよ」


 穏やかな微笑みを浮かべ続ける教皇は、先に席を立ち星の守護者の行動を一瞬ですが確認していました。

 その動きだけで、教皇が星の守護者を特別視しているのがわかります。

 護衛がいるとはいえ、四人で会場に入る姿は注目され、席に着けば私とフロリアナの衣装の意味が分かります。

 王族として接待する役割をフロリアナが担い、私はその補佐のように見えるでしょう。


(そう見える衣装にしたのですけどね)


「そういえば、そちらの方のお名前をお伺いしていませんでしたわね」


 フロリアナが何気なく星の守護者に尋ねた瞬間、彼の視線がほんの一瞬私に向けられましたが、すぐにフロリアナに戻ります。


「アストリアンとお呼びください」


 微笑んで名乗った星の守護者に、私はそれが偽名なのだろうと思いつつも、「アストリアン様ですね」と微笑めば「ええ」と頷かれました。

 その瞬間、スッと周囲の音が消え、すべての色が膜を通したように曖昧になりました。

 私にとっては三度目の感覚ですが、隣から「ッ———」と息を飲む音が聞こえ、フロリアナも同じ状況になったのだと分かりました。


「……へえ」


 アストリアンが興味深そうに、けれども僅かな驚きを込めた声を発しました。


「まさか王女まで引っ張られる(・・・・・・)とは思わなかった」

「え?」


 アストリアンの言葉にフロリアナが驚いたように声を漏らしましたが、私は僅かにフロリアナの方に身を寄せました。


「こんな場所でいきなりこのような無礼を働いて、後で教皇猊下に怒られてしまうのではありませんか?」

「コレは僕に何も言えないよ」


 私の言葉にすぐさま答えたアストリアンに、私は「なるほど」と言って、フロリアナを庇うようにその体の前に腕をかざしました。


「ヴィア?」


 戸惑いの声を上げるフロリアナをあえて視線を向けず、アストリアンをじっと見つめます。

 私の視線に意味ありげに目を細めます。


「この空間にはヴィヴィアナだけを招待したはずなのに、王女までとは……。ツインレイ、ね」


 教皇に二人を呼ばせるように言ったかいがある、とアストリアンは言って頷きました。

 そしてじっと私とフロリアナを見つめ、探るように口の端を持ち上げると、「ここだけの繋がりじゃなさそうだ」と笑いました。

 その意味は分かりませんが、この世界に来る前に神が私に対し、私以外ではフロリアナを救えないと言ったことと、なにか関係があるのかもしれません。

 アストリアンは「なら、神が呼び寄せたのも納得がいく」と笑みを浮かべながらも、目の奥はどこか呆れた光を浮かべています。


(彼は神のことをあまりよく思っていないのでしょうか?)


「お聞きします。この空間はフィリーに害はありますか?」


 重要なのはそこです。彼が神に不信を持っているなんて、私には関係ありません。


「神の領域じゃあるまいし、害はないよ。まあ、戻した時に少し時間のずれを感じるぐらいだね」


 そう言ったアストリアンの目は、私の様子を確認しているようです。


「どういう———」


 問いかけようとしたとき、フロリアナが私の腕を抱き込むように両手を巻きつけました。

 その状態でじっとアストリアンを見定めるように睨みつけ、「お知合いですの?」とだけ言いました。

 フロリアナにしては珍しく、初対面の相手に対して感情をあらわにしていますね。


「……さて、どうだろうな? なあ、ヴィヴィアナ?」


 からかうようににやりと笑うアストリアンに、私は呆れたように深く息を吐き出し、フロリアナを宥めるように、抱き込まれていない方の手で優しく頭を撫でます。


「名前を知ったことすら、今日が初めての相手ですよ」

「本当でして?」

「ええ」


 名前を知ったのが今日なのは事実ですからね。

 確認するように私の目を見つめたフロリアナは、「わかりましたわ」と頷きました。


「けれど! 彼のヴィアに対するなれなれしい態度はどういうことでして? まるで……まるで、わたくしの知らないヴィアを知っているような態度ですわ」


 ぎゅっと抱き着いてくる腕に力を入れてくるフロリアナは、まるで仇を見るような目をしています。


(あらあら……)


 これは思いがけない展開になって来てしまったようですね。


よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。


あ、この作品のPVあります。

見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)


↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!

https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB


↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)

https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r

https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL

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