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静かなる宣戦布告

挿絵(By みてみん)

 決して穏やかとは言えないまま始まったお茶会ですが、皇女が席についてしまえば、他の貴婦人も従わないわけにはいきません。

 皆さま気になりつつも、気にしないふりをして、それぞれの席で楽しげに会話やお茶を楽しみ始めました。

 4つの椅子しかないので、当たり前のように、少し寄せられている二つの椅子にお婆様と座っていたのですが、皇女がお婆様を自分の座った席の隣に来るように呼んだため、私の隣には当たり前のようにフロリアナが着席します。


「お久しぶりですわね、ヴィア」

「お久しぶりですね、フィリー」


 軽く挨拶をしつつ、視線で「聞いていませんけど?」と問いかければ、フロリアナはクスっと笑って皇女に視線を向けました。


「そう言えば叔母様(・・・)。父からの贈り物はお気に召していただけましたか?」


 タンザナイト公爵夫人ではなく、あえての叔母様呼びですか……。

 これは、皇女もなにか外堀を埋めようとしていますね?


皇帝陛下(・・・・)から娘の懐妊に伴い、格別なご配慮をいただき、家族ともども感謝の念に堪えません」


 察したお婆様が、さりげなく軌道修正しようとしますが、皇女の笑みは変わりませんね。


「お気になさらないでくださいませ、叔母様」


 あくまでも叔母様呼びを続けるのですね。

 お婆様も笑みを浮かべていますが、視線がどこか遠くなっていますよ?


「わたくしの息子の時はともかく、フロリアナとヴィヴィアナにいままで目をかけてあげられなかった、父なりの贖罪でしてよ」


 第二王子に目をかけているという話は聞かないのですが、敢えて触れていないか、目をかけるつもりがないということでしょうか?


「わたくしの息子を大切にすることはもちろんでしょうが、今後はわたくしだけでなく、父も生まれてくる御子を含め、愛くるしい孫娘たち(・・・・)をかわいがりたくてしかたがありませんの」


 なるほど、第二王子は皇帝がかわいがる対象には含まれないのですね。

 もっとも……。


(私もフィリーも精神年齢は皇帝陛下より上だと思うのですが?)


 その状態で可愛がられるというのは、家族にも言えることですが、少し面映ゆく思えてしまうのですよね。

 何とも複雑な思いをしている中、貴婦人たちの視線は一瞬だけジャキルピット男爵令嬢に向けられたようです。

 表向きは穏やかに微笑んでいますが、溺愛している息子を無視されるような形になっている事実に、内心穏やかではないでしょうね。


「……王家の方の格別のご厚意には、改めて感謝をいたしますわ」


 お婆様、諦めましたね? まぁ、別にいいのですけど……、どんどん外堀が埋められているような気がしますよ、本当に……。


「ヴィヴィアナも、お父様が贈った髪飾りがよく似合っていますね。そのドレスもピンクの花の刺繍が、青地にとてもよく映えていますわ」

「ありがとうございます。私としては、フィリーと色違いのようなドレスになってしまい、とても驚いております」


 私の言葉に、皇女は満足そうに頷きました。


「王家からデザイナーを送りましたからね。内緒にしていて申し訳ないとは思いましたが、フロリアナがどうしてもお揃いにしたいと、珍しく……いえ、初めてわがままを言ってくれましたのよ」


 だからつい、力が入ってしまったと言う皇女の言葉に、フロリアナに視線を戻せば、満足そうに笑みを浮かべて頷いています。


「フィリー、教えてくれていてもよかったと思いますよ?」


 少しだけすねたように言えば、フロリアナは楽しげに目を細め、「だって」と話し始めました。


「わたくしたちのお爺様(・・・)が、お揃いの髪飾りをご用意してくださったのですもの。せっかくなのでお揃いのドレスが欲しいと、ついお養母様にお願いしてしまったのですわ」

「いえ、私が言っているのは、教えてくれてもよかったでしょう、という部分なのですが?」


 お揃いは構わないと言外に伝えれば、フロリアナは嬉しそうにしながらも「びっくりさせたくて」とかわいらしく言ってきました。


「…………フィリーもそのドレス、とても似合っていますよ」


 そんなにかわいらしく言われてしまっては、そういう以外にありませんね。

 実際、ピンク地の私のものより幾分ふんわりとしたシルエットのドレスに、青い花の刺繍が施されていて、お世辞ではなく、とてもよく似合っています。

 私の素直な感想に、フロリアナはそれこそ花が咲いたように微笑み、私たちの様子を見ていたお婆様と皇女は、一瞬だけ視線を交わしたように見えました。


「本当に仲がいいですわね」


 お婆様がついこぼしてしまった、というような言葉に皇女は深く頷き、「ええ。まるで二人こそが本当の双子(・・・・・)のようですわ」と、なんでもないことのように言いました。

 一瞬、貴婦人たちの口や手が止まったのが分かりましたが、すぐに何もなかったように動いたのは、流石というべきですね。


「お養母様もそう思いますか? ヴィアはわたくしのツインレイなのですわ。ね、ヴィア」

「そうですね」


 私としては、その部分については事実なので、頷く以外の選択肢はありませんね。


よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。


あ、この作品のPVあります。

見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)


↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!

https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB


↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)

https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r

https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL

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