表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
31/58

まだ見えぬ毒とサプライズ

挿絵(By みてみん)

 皇女主催のお茶会は、初夏の始まり……前世で言えば立夏(5月5日)に行われる、伝統的な催し物のひとつになります。

 春の初めに開催される子供のお茶会は、年齢も考慮してある程度のマナー違反は目をつぶられますが、このお茶会は正式なマナーを求められます。

 実質、このお茶会に招待されることは、淑女としてのマナーを身に着けていると、各家が責任を負うことになります。


(だからこそ、6歳の私とフィリーが参加することは、場違いだと思うのですけどねぇ……)


 しかも、主に参加するのは社交界を牽引する淑女たち。

 悪印象を持たれないようにしたいものですね。


 王宮に馬車が到着し、案内役の侍女に先導されてお婆様と一緒に会場に向かいますが、私のドレスと髪飾りのおかげで、すれ違う貴族たちからの視線が集まりますね。

 中には馬鹿にしたように嘲笑する視線も混ざっていますが、隣を歩くお婆様の手前、あからさまに声に出すことはできないようです。

お茶会の会場に到着すると、私の姿を確認した皆さまが声には出しませんが、確実に空気をざわつかせましたね。

 もっとも、お婆様はそんな空気など気にせず、上座のテーブルに向かうので、私も大人しくついて行きます。


(視線で穴が開くなら、このドレスと私は穴だらけでしょうね……)


 そんなことを考えているうちに到着した席に静かに座ります。

円形のテーブルなのに、椅子は4つしか用意されておらず、ここにあと座るのは皇女とフロリアナなのでしょう。

 主催である皇女が到着するか、代理人がお茶会の開催を告げない限り、参加者は同じテーブルの人とおしゃべりをするか、静かに待つのみですが、皆さまよほど私に興味があるのか、おしゃべりよりも私を品定めするのに忙しいようです。


「あら? マナーも知らない子供が紛れ込んでいるようだけど、お孫様のわがままを許したのですか?」


 不意に響いた声の方向を向けば、モスグリーンを基調とした流行を意識したデイドレスを着た女性がいました。


(……この方が、フィリーの実母……マギシア=ジャキルピットですか)


 赤い髪は確かに鮮血……いえ、熟成した赤ワインを思わせる鮮やかさで、思わず視線が引きつけられてしまいますね。

 もっとも、向けた視線はすぐ元に戻しました。

 お婆様がなにも反応しない以上、私がお返事をすることはできません。


「……まさか、タンザナイト公爵夫人ともあろうお方が、あたくしを無視なんて……なさいませんよね?」

「…………あら、わたくしに話しかけていらっしゃいましたのね。思い当たらない言葉すぎて、てっきり他の方に話しかけているのだと思いました、ジャキルピット男爵令嬢(・・・・)


 お婆様はジャキルピット男爵令嬢に、あからさまな作り笑いを向け、意味が分からないというように首をかしげました。

 彼女は皇帝の実子で認知はされていて、王宮の敷地内の離宮に住んでいますが、王族の籍には入っていない、男爵令嬢です。

 他にも、皇女の夫君の愛人で、彼との間に子供もいますが、身分は今も男爵令嬢のままです。

 複雑にはなりますが、ジャキルピット男爵令嬢は王籍には入れませんでしたが、彼女が生んだ子供たち……フロリアナと同母兄は王籍を認められ、王子と王女と名乗る事ができています。


(……認知した私生児の子供でも、孫はかわいいということなのか、皇女殿下の夫君の子供だから、かろうじて認めているのか……難しいことは考えたくありませんね)


 ところで、お婆様から笑顔で男爵令嬢と言われ、顔を赤くしたジャキルピット男爵令嬢が何かを言う前に、チリンとベルが鳴らされ、主催である皇女の到着を告げました。

 流石に主催者の到着時に騒ぎを起こすわけにもいかず、ジャキルピット男爵令嬢は何事もなかったように用意された席に向かいました。


(……女狐、ねぇ?)


 確かに表面上の表情はうまく作れていますが、女狐と言われるほどでしょうか?

 どこかふんわりとした雰囲気の、親しみやすい女性という雰囲気はありますが、アレで皇女の夫君に取り入ったとは、とても思えませんね。

 もっとも、取り入る手段なんていくらでもあるでしょうし、たまたま好みだっただけかもしれませんし、なんとも言えません。


「皆さま、ようこそお越しくださいました。お楽になさって、どうぞ楽しんでいってくださいませ」


 到着した皇女を、参加者全員が立って淑女の礼で出迎えれば、個別の挨拶を省くことも含め、このような開催の挨拶……まぁ、一言に近いですが、とにかく開催の挨拶が行われました。

 けれども、皇女の挨拶に顔を上げた貴婦人たちは、皇女よりもその横にいるフロリアナを見て、驚きの表情を浮かべています。


(私も驚いていますよ? フィリー……)


 私が困ったような視線を向ければ、悪戯が成功したとでも言いたそうに、無表情だったフロリアナが少しだけ微笑みました。

 まさか、髪飾りだけでなく、私と少しデザインが違うだけの色違いドレスとは、想像もしていませんでしたよ。


よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。


あ、この作品のPVあります。

見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)


↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!

https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB


↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)

https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r

https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ