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幕間 繰り返し巡る魂(アニマ) 終わらない狂想曲(カプリチオ)

挿絵(By みてみん)

 壊れた時計、こぼれていく歯車。どこかからカチカチと何かを刻んでいく音が響いていく空間の中、わたくしはもう終わりにしたいと涙を流す。

 でもその反面、次があるのならもう殺されたくない、生きたと願ってしまう。


 今回は、アウリティアがわたくしを噴水に突き落としたのでしたか……。

 最期に感じた、痛いほどの水の冷たさに、今更ながらゾクリと悪寒が走りました。

 少しでも長く生きるために、皇女殿下や第一王子殿下に取り入る術を覚えたのは、いつでしたか……。

 あまりにも遠い昔の出来事で、なにがきっかけだったのか忘れてしまいましたわ。


(でも、お養母様も、ヴェスペリオンお兄様も、わたくしをずっと気にかけて下さっていましたわ……)


 わたくしが自分で動かないと、口実がなくて何もできずにいただけだと知ったのは、いつだったでしょうか?

 表に出てこない引きこもりの病弱な第一王女。出たとしてもマナーも品格もない出来損ないの第一王女。

 初めの人生はそう呼ばれていることが当たり前だと思っておりました。

 だって、本当になにも知らず、何もできませんでしたもの。

 お実母様や双子のお兄様は、わたくしが何かを知ることや成すことを、ひどく嫌っておりましたものね。

 役立たずと言いながら、なにもさせないでいると気づいたのは、お実母様に何度目かに殺された時。

 何もできない姿がみじめで愉快だと、そう歪に笑われながら死にゆくわたくしを見ていた時でしたわ。

 あの人生以降、わたくしはお実母様の元から逃げなければいけないと、そう考えるようになりました。

 もちろん、何度も何度も失敗して殺されて、それでもだんだんと逃げ出す成功率は上がっていって、皇女殿下と第一王子殿下の庇護を受けることが出来るようになりました。

 ここ最近は、ループが始まってすぐ、お実母様から逃げ出していますわね。


(手遅れでなければ、ですけれども……)


 ループの開始時点が遅ければ遅いほど、わたくしはすぐに殺されてしまいます。

 最初の人生で殺された二十歳に近ければ近いほど……。


 いつも、この空間では過去を思い出しては、自分の何がいけなかったのか、どうしてわたくしだけがこんなめにと、ただ恨み言を言っていた気がします。

 でも、それすらも無意味に感じ、もう終わって欲しい、次こそ長生きしたい。その二つの考えだけに囚われるようになったのですわ。


(でも……)


 チラチラと、また青い炎の花びらが舞い始めました。

 今回は、いつもと違ってわたくし以外の存在がこの空間に現れるようになりました。

 わたくしのことをツインレイと呼ぶ声。


「ごきげんよう、フロリアナ。今日はお話しをしてくれますか?」


 問いかけの声に、わたくしは何も答えることはありません。

 だって、もしも答えてそれが幻だとわかってしまったら、わたくしはもうどうしたらいいかわかりませんもの。


「……私の自己紹介はしましたっけ? …………ふふ、まだだったですか? フロリアナと出会う私の新しい名前は、ヴィヴィアナです」

「っ!?」


 思わずヒュッと音を立てて息を吸い込んでしまいました。

 ヴィヴィアナ=オネルヴァ=オイドクシ。

 わたくしと違って天真爛漫を絵に描いたような、明るい少女。

 幼いころに誘拐されて、オイドクシ公爵家に戻って来てからは、まるで愛されることが当然のように見える、そんな少女。


(わたくしと同じ……どの人生でも死ぬ人……)


 ジュエリアの一人が彼女を見つけ保護をし、タンザナイト公爵家ではなく、生家のオイドクシ公爵家に籍を戻した少女。

 けれど、愛されるからこそ、様々な人から憎まれる少女……。


(ああ、そうなのですわね……)


 わたくしは、愛される彼女が羨ましかったのですわ。

 だって、わたくしは愛されなかったのですから。


 そう自覚した瞬間、ふわりと青い炎の花弁が舞い、どこか懐かしさを感じる香りが広がったように思えました。


「……ねぇ、フロリアナ。過ぎた時間は戻らないって知っていますか?」


 なら、過ぎた時間をなんども繰り返しているわたくしは、なんなのでしょう。


「ループを繰り返しているから、戻っていると思っているようでも。なにかが変わった瞬間、それは新しい世界に移動してしまうそうなのです」


 意味が分かりませんわ。

 わたくしは背後から聞こえる声に、静かに目を閉じました。


「だから、同じ時間を過ごしているようで、違う時間を生きているのです」


 結果が変わらなければ、わたくしにとってはどれも同じ時間ですわ……。


「だから、フロリアナ。私と貴女が一緒に過ごす時間は、今までとは全く違う、新しい時間ですよ」


 だから、「さいごまでいきましょう」。

 またその言葉を残して、背後にあったぬくもりは消えていきました。


 消えたぬくもりに寂しさを感じたのは、わたくしがまだなにかに未練があるからなのでしょうか?


よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。


あ、この作品のPVあります。

見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)


↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!

https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB


↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)

https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r

https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL

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