↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その果実が堕ちる前に:乙女たちへの賛歌 ~享年92歳のおばあちゃまの幼女の姿で異世界転生、ツインレイの王女を救う~  作者: 茄珠みしろ
第一章 狂想曲への反撃

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/93

聞こえる内緒話

本日2話目の投稿です!

挿絵(By みてみん)

 お茶会では、子供とはいえ家の格がものをいう社交の世界です。

 誰から挨拶をするかの探り合いの結果、結局は高位貴族の子女やジュエリアと呼ばれる特殊な血筋の子女からの挨拶が優先されました。

 とはいえ、私はともかくフロリアナは私と話すとき以外は無表情になる事が多く、私に話を振られる時だけふんわりと微笑みを見せます。

 これが無意識だけではないのですから、どのようなタイミングでどのような仕草をすればより強い印象を残せるのか、今までのループで学んでいるのでしょう。


 私は療養していたこともあり今回が社交界デビューとなりましたが、話を聞く限りフロリアナも今回のお茶会が社交界デビューの場となっているようです。

 名目は私と同じ療養……。

 劣悪な環境で暮らしていたフロリアナを、王女として人前に出せるまでにするには、長い月日が必要だったという事ですね。


 けれどもここに招待されるだけあって、ちゃんと教育を受けた子女だからでしょう。

 フロリアナが皇女の正式な養女になったことにも、私のお母様がタンザナイト公爵家の女主人になったことにも触れる人はほとんどいません。

 いえ、正確には触れても「ご両親によろしくお伝えください」もしくは「ご自愛くださいね」と前向きな言葉をかけられるのみです。

 どの家だって、高位貴族の後ろ暗い内部事情に触れて、巻き込まれたくはないのでしょう。


(とはいえ……)


 ほとんどいないというだけで、やはり私たちを陥れようとしている人は存在しています。

 数人で固まっている令嬢。私の知識が正しければ将来異母妹であるアウリティアの取り巻きになり、本来のヴィヴィアナをいじめる立場になる方々。

 フロリアナも気づいているのか、一瞬だけそちらを見た後、半歩私に近づいて腕を絡ませてきました。


「ねぇヴィア、ご存じでして?」

「なにをでしょう、フィリー」


 内緒話をするように見せかけて、周囲にしっかり聞こえる音量で話すフロリアナに合わせ、私も同じように顔を寄せて内緒話に付き合うように見せます。


「昨年、同じように子女を集めたお茶会があったのですが、わたくしは体調不良(・・・・)で出席できませんでしたでしょう?」

「そうですね。私も体調不良(・・・・)で欠席しました」


 私たちの体調不良が、それぞれの家の内情に関係しているのは有名な話。

 だから内緒話が聞こえていても、話に入ってくる人はいません。


「けれど、第二王子の兄は参加しておりましたの」

「なるほど?」


 それも有名な話。同母妹が体調不良で欠席しているのに、主役は自分だという顔で参加していたと誰もが知っているのです。

 私たちの内緒話に、周囲の子女はこのまま聞いていいのかと一瞬視線を交わし合ったようですが、不自然に立ち去る事も出来ず、聞こえないふりを貫くことにしたようです。

 去年は参加していた第二王子が今この場には参加していません。

 それはフロリアナとの不仲をより強調させるだけなのに、愚かしい行為ですね。


「今回もちゃんと出席する予定ですけれど、どうしてかまだいらっしゃっておりませんわね」

「あら」


 あえて寂しそうに視線を伏せ、縋るように私の腕に体を寄せるフロリアナを慰めるように空いている手で肩を撫で、私も残念そうに目を伏せます。


「兄と親しくしたい方々にとって、わたくしという存在は、さぞかし……」


 すべてを言わずに辛そうに言葉を切ったフロリアナの代わりに、私はこちらを見ている子女に視線を向けます。

 目を逸らすもの、同情の視線を向けてくるもの、冷たい視線を向けてくるもの、反応は様々だけれど、冷笑に近い視線を向けてくる存在はしっかりと記憶にとどめておきます。

 だってそうでしょう?

 貴方達は私の大切なフロリアナを蔑ろにしているのですから。


「…………フィリー、そういえば今日のお茶会である程度(・・・・)挨拶が終わったらお兄様の第一王子殿下に呼ばれているのではありませんでしたか?」


 そんな事実はないですが、この場所から抜け出す口実に使わせていただきましょう。

 権力というのは、都合よく使ってこそですもの。


「……そうですわね。お兄様にぜひともヴィアを紹介したいですわ」

「ふふ、先ほど皇女殿下にはお会いできましたが、第一王子殿下にはまだお目通りが叶っておりませんものね」

「きっとお兄様もヴィアを気に入りますわ」


 ふんわりと嬉しそうに微笑むフロリアナに、私も嬉しそうに微笑みを返し、内緒話はここで終わりというようにどちらからともなく距離を戻し、それでも腕は絡ませたまま、周囲に退室することを伝えて二人で会場を出ていきました。

 私たちが会場を出る瞬間、ジュエリアの血筋の子女が丁寧に頭を下げているのを確認し、その忠誠心に安堵します。

 ええ、私たちジュエリアの血筋は、正しき王族を守るためにあるのですからね。


(フィリーに挨拶する機会すら与えられない貴方達は、その程度ということなんですよ?)


 甘えるように、それでいて早くと誘導するように腕を引くフロリアナに微笑みを向けながら、私は頭の中で作り上げたリストを、どのように第一王子殿下に伝えるか計画を練り始めました。


よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。


あ、この作品のPVあります。

見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)


↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!

https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB


↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)

https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r

https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。