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25.魔石拾いは面倒です


 散々な冒険者デビューから一夜明け、俺は遂に迷宮の前に立った。

 昨日は都市のはずれにあるボロ宿に泊まった。いずれはもっと高い宿に泊まるか、拠点でも構えたい所だが、今はボロ宿で充分だ。その分のお金は装備などに回したい。

 因みにボロ宿の一泊の値段は2000G。数日泊まって飲食代も含めれば、俺の貯金は無くなる。なので1日に2000G以上稼げるようになるのが目標だ。



 迷宮入口の守衛さんに昨日ギルドにて作ってもらった冒険者カードを見せた。



 冒険者カードとは冒険者の身分証明で、『名前』『職業スキル』『ランク』が記されている。

 ランクとは、冒険者ギルド独自の評価でその冒険者の強さの指標でもある。俺は昨日登録したばかりの新人だから最低のGランク。


 本来なら沢山の依頼をこなしギルド指定の依頼もクリアするとランクを上げられるが、ここ迷宮都市は簡単にランクがあがる。兎に角迷宮の階層を進んでいけばいいだけだ。5階層のとある魔物を倒せば俺はFランクに上がれる。



「坊主、1人か?」

「はい」


 守衛さんは「こいつ、1人で大丈夫か?」みたいな顔をしている。でも仕方ない。昨日のとんだ冒険者デビューによって誰も一緒にパーティを組んでくれなかったのだ。まぁ10才の子供でおまけに特別な才能もないのだから仕方ない。



「気をつけろよ…」

「ありがとうございます」


 守衛さんは本当に心配そうにしてくれた。いい人だ。





 迷宮・1階層は洞窟になっている。出てくる魔物も弱い魔物ばかりだ。



「さてと、ようやくだ…」


 俺は武者震いした。

 冒険者として生きていくと決めてから遂にここまできた。まさかの1人での攻略になるとは思わなかったけど、色々と試したい事もあるので都合がいい。


 俺は収納魔法から十握剣を取り出すと、強く握りしめたままゆっくりと歩を進めた。


 




「おりゃ!」

「げぎゃっ」


 ゴブリンの群れを斬り刻んでいった。

 ゴブリンとは緑色の痩せ細った体躯をしており、手には棍棒やナイフといった武器を持っている。動きは遅く簡単に攻撃を躱し倒せた。迷宮の洞窟は剣を振っても問題ない程の広さだ。



「ふぅ、1人でもなんとかなりそうだな」



 ゴブリンの群れを掃討し一息ついた。以前はジャンヌやルナと3人で倒した魔物だが1人でも余裕だった。


 迷宮に出る魔物は、基本的に剥取りを必要としない。地上の魔物と違い、倒すと跡形もなく消えてしまうのだ。つまり【剥取り】のスキルレベルが上がらない。

 その代わりに迷宮の魔物は【魔石】と呼ばれる宝石みたいな物を落とす。魔石はギルドに提出するとお金と交換してくれる。

 それと低確率でアイテムも落とす。魔石よりも高価なものが多い。



 俺は収納魔法から、乾パンと水を飲み食いしながら、今までの道順を紙に書いていった。

 勿論、こんな低階層の地図なんか書かなくても売ってある。1階層なんか無料で配られてるくらいだ。

 でも俺は全部自分の力でやってみたかった。それにいつか地図のない階層に行った時に地図が書けないんじゃ話にならない。今のうちに練習しておかなければ。



『地図Lv1を取得しました』



 久々に普通にスキルを取得した。この成長してる感が堪らない。俺は紙を収納魔法にしまうと、再び進んだ。今度は目の前にスケルトンの群れが現れた。ゴブリンよりも更に動きが遅く、カチャ…カチャ…と音をたてながらノソノソと歩いて近づいてくる。



「今度は身体強化なしでやってみるか」


 俺は縮地でスケルトンの眼前まで近づくと、十握剣を乱暴に振るった。スケルトンは簡単に砕けた。弱すぎる。



「魔石を拾う方が大変だ…」


 スケルトンたちを砕きながら後で拾う事になる魔石の事を考えていた。なんか自動で魔石を回収出来るアイテムか魔法かスキルはないのだろうか?



「今度誰かに聞いてみよう、かな!」


 渾身の一撃を最後の一体へお見舞いした。



「ふぅ、もうちょっと狩ったら今日はやめとこうかな」


 そう言いながら結局俺は2階への階段手前まで進んでしまった。魔物が弱過ぎた。明日は2階に行ってみよう。


 この日の魔石の交換は2000Gを超えたので、今日もなんとかボロいけど宿屋に泊まれそうだ。





 冒険者3日目。

 俺は2階層に来ていた。出てくる魔物はあの有名なスライムだ。物語では可愛く描かれたり、もの凄く強く描かれてるものもあるが、この世界のスライムは弱い。余程油断でもしない限りやられる事はない。

 今日も宿屋に泊まれた。



 冒険者6日目。

 俺は3階層に来ていた。あ、因みに各階層には『転移水晶』というものがあり、手をかざして登録しておくと、毎回好きな階層からスタート出来る優れものだ。帰る時にも使えるので凄く便利だ。これを知っていれば初日に2階手前で引き返さなかったのに…

 今日は日用品を買い揃えて宿に泊まった。



 冒険者10日目。

 ちらほら俺と同じくらいのランクの冒険者パーティを目撃しだした。どうやら基本的にはみんな低階層は地図を買い、サクサク進めているみたいだ。

 いいもん、俺は1人だし地図スキルを上げるためにもマップは隅から隅まで探索しておきたい。

 ジャンヌとルナ元気かな…



 冒険者11日目。

 4階層も終わりが見えた。5階層へ上がると転移水晶に手を触れた。



「やっぱ師匠たちとの修行の日々は無駄じゃなかったな」


 低レベルとはいえ強いスキルを取得してるおかげかここまで苦戦することなくこれた。まだ魔物に対して1人でも対処できる。



「そろそろライジングテンペストも試したいんだけどなぁ…」


 正直敵は弱いし、洞窟は剣は振るえるけどそこまで広いわけでもないので、魔法の使用を躊躇っている。

 そんなことを考えながら進んでいると、遠くから微かに悲鳴が聞こえた。



「なんだ…なんか聞こえた様な…?」



 耳を澄ませると、僅かに女性らしき悲鳴が聞こえた。



「あっちか!」



 俺は駆け出した。

ステータス


【名前】

ユーマ

【職業スキル】

冒険者5 、勇者王5、大魔王5

【固有スキル】

半魂

【スキル】

剣術3、速読2、剥取り2、罠師2、研師2、採掘2、縮地1、天駆1、身体強化1、弓術1、鑑定5、大魔術5、地図1、

【魔法】

ライジングテンペスト、アイテムボックス【小】

【装備】

十握剣、ナトゥリエルの弓

【収納魔法内】

剥取りナイフ、罠道具、砥石、子供用採掘道具

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