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21.鑑定の儀


 俺はついに10才になった。

 今日は待ちに待った『鑑定の儀』が行われる。鑑定の儀で、誰もが神様から職業スキルを授かる。多才な者は幾つもの職業スキルを得られる。これにより、自分の将来を決める道標にもなる。


 俺は両親と共に、1年くらい前に野盗団を捕らえて突き出した町に来ていた。そこにある大きな教会。中には俺と同じ10才の子が両親と共に14人程いた。皆この町の子かもしれないし、俺とは違う近隣の村から来た子もいるかもしれない。


 俺含めた15人は横一列に並んで教会の神父様の長々と語られる御高説を賜った。後ろでは親達が各々固唾を飲んで見守っている。

 そして神父様の御高説が終わると、順番に1人ずつ前に出た。俺は1番左端で、右端からだったので1番最後だ。


 神父様と俺達との間には子供の俺達には抱えられない程の大きな水晶が置いてあった。右端の男の子は水晶に手を触れた。神父様が「ステータス」と唱えると水晶は小さく光った。



「ダレン、職業スキルは『平民Lv3』!」


 神父様のハッキリとした声に、ダレン君は項垂れた。きっと希望していた職業スキルではなかったのだろう。



「次の者、前へ!」



 こうして順番に皆、職業スキルを授かっていった。職業スキルを授かり喜ぶ子や、泣いている子、ダレン君と同じ様に項垂れる子、みんなそれぞれだった。



 特に『剣士』『魔法使い』『僧侶』の職業スキルを授かった子はみんな喜んでいた。何故なら、戦闘系や戦闘補助の職業スキル者は、王都にある『王都学園』や『教会本部』にて、戦闘や学問、魔法について学ぶ事が許されているからだ。ただの平民から一気に出世への道が切り開けるのだ。


 『料理人』『鍛治士』『漁師』『商人』といった非戦闘系の職業スキルの中でも比較的マシなものもある。レベルが8か9だと固有スキルを授かる可能性があるからだ。

 固有スキルは世界に自分1人しかいない…寧ろ、職業スキルよりレアな可能性がある。



 そして先程のダレン君の様に『平民』だと、最大レベル9でも絶対に固有スキルを授かる事はないそうだ。10才にして、『お前には才能がない、大人しく平凡に暮らせ』と神様から宣告されているようなものだ。


 過去に大勢の『平民』がそれでも諦められなくて無謀に冒険者になるもその殆どが命を落としたそうだ。というか今もらしい。




 俺は…どうだろう?


 剣士や魔法使いなら王都へ行って学園に通える。僧侶なら教会本部で学ぶ事ができる。卒業した後で冒険者にだってなれる。

 非戦闘系でも冒険者になれない事もない。パーティを組めばいい話だ。固有スキルがあれば重宝されるだろう。


 平民だと恐らく無理だ…冒険者になれないことも無いが恐らく両親を説得できない。心配性の母さんはきっと俺を村から出さないだろう。今まで頑張って鍛えてきたがその全てが無駄になる。



 俺は『平民スキル』を授かった子達に視線を向けた。この中の半数は『平民』と宣告された。俺は…



「最後の者、前へ!」

「は、はい!」


 きた!

 俺の心臓はバクバクだった。

 胸が苦しい…

 神様…お願いします…


 俺は恐る恐る水晶に触れた。



「ステータス」


 神父様はこっちの気持ち等お構いなしに淡々とした声でそう発した。


 はえーよ!

 こっちはまだ心の準備が…!

 ってもう水晶光ってるし!



「ユーマ、職業スキルは……おお、職業スキルが3つもある」

「⁉︎」


 え、嘘…

 マジか…

 俺…マジか…


 周りから感嘆の声が上がった。今日この場には職業スキル複数持ちはいなかった。今までの頑張りは無駄じゃなかった。



 だから教えてくれ、父さん…母さん…なんでそんな悲しそうな顔をしているんだ?




「ん、いや…すまない…どうやら内2つは『神のウッカリ』だったみたいだ」

「へ?」



 神のウッカリ…それは時折あるそうだ。

 職業スキルとしてあるにはあるのだが『文字化け』しており神父様でも読めなくて、効果もイマイチ無いみたいで、あるだけ無駄な職業スキル。


『神様は失敗しない、しかし、神様でも時折ウッカリはある』


 この世界の格言の1つだ。



「え、じゃあ俺の職業スキルは…?」

「うむ、大丈夫…最後の1つはちゃんと読めるぞ」


 神父様は咳払いを1つした。



「コホン…ユーマ、職業スキルは『冒険者Lv5』!」



「や、やった…」


 スキルレベルは1〜9までで、5は丁度真ん中。

 それでも…

 良かった…

 これで俺は、冒険者になれる。



「ユーマ!」

「ユーマ!」

「父さん、母さん!」


 父さんと母さんは俺を抱きしめた。



「良かった…」

「本当に良かった…」

「?」


 父さんと母さんはめちゃくちゃ嬉しそうだった。

 あれ?

 さっきの悲しそうな顔は…見間違い?


 まぁでも良かった。

 これで一安心だ。

 


 しかし、俺の鑑定の儀はまだ終わっていなかった。



「ユーマ、固有スキル『半魂』あり!」


 神父様は高らかに叫んだ。



 はんたま?

ステータス


【名前】

ユーマ

【職業スキル】

冒険者5 、蜍???視5、螟ァ鬲皮視5

【固有スキル】

半魂

【スキル】

剣術3、速読2、剥取り2、罠師2、研師2、採掘2、縮地1、天駆1、身体強化1、弓術1

※不明だが何らかの魔術スキル有り

【魔法】

ライジングテンペスト、アイテムボックス【小】

【装備】

十握剣、ナトゥリエルの弓

【収納魔法内】

剥取りナイフ、罠道具、砥石、子供用採掘道具

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