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寝室の軍議と、割り切れない愛情の数値

食事会から戻ったおじさんは、自室のベッドに横たわり、天井を見つめて考え込んでいた。

(女神様の計画によれば、この星の「破滅爆散型救済作戦」の参加者は、私、ウェイター君、ピンキー、タマとミケ、イツモア、ディーアナ公爵、そしてスパイのタキオンとツキノワだ)


計画の全容はこうだ。まず公爵が不正の証拠を突きつけ、腐敗した政権に退陣を迫る。当然、相手が応じるはずもなく、ドルドア国との軍事衝突は避けられない。

 だが、問題は通常の戦争ではないことだ。権力者が私腹を肥やしたことによる物価高、食料不足、そして民衆の飢えと憎悪……。その負のエネルギーが「魔獣」を作り出し、襲いくるのだ。

(近代の防衛戦には明るいつもりだが、相手が実体のない憎悪から生まれる魔獣では、策の練りようがない……)

 おじさんが一人で唸っていると、足元から寝具の中をもぞもぞと進んでくる気配があった。


「ダーリン、ルビーお嬢様。寝付けないのでしたら、私が添い寝をして差し上げましょうか?」

「『ルビーお嬢様』だけでよろしい。ダーリンとは呼ばないように」

「えー。でも心は私のダーリンです。ほら、ディーアナ様から頂いたパジャマ、可愛いでしょう? ほらほら」

「……自分の部屋に帰りなさい。子猫たちが寂しがるだろう」

 おじさんは、ぐいぐい迫るピンキーをなんとかベッドから押し出した。


「大丈夫ですよ。みんなあの子たちの面倒を見たがっていますし、公爵様だってご自分の部屋に住ませたがっていましたから。……それに、本当はあの子たち、もうここにいますし」

 ピンキーが言い終わるか否か、ベッドの下から小さな影が飛び出してきた。

「わーい、見つかっちゃった!」

 タマとミケが無邪気に声を上げる。実のところ、おじさんは彼らが忍び込んでいたことに最初から気づいていた。ただ、知らぬふりをしていただけだ。


おじさんは子猫たちを愛らしく思い、そしてピンキーに対しては、元の世界に残してきた妻と同じくらい大切に思っている自分に気づいていた。

 人間の愛情を数値化することはできない。だが、愛する妻への想いと、目の前のピンキーへの想い。その二つは寸分違わずぴったりと同じ大きさだと、おじさんは断言できた。

 なぜ、別の世界、別の存在に対してこれほどまでに惹かれるのか。その理由は、おじさん自身にもまだ分からずにいた。

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