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星海のストライヴガールズ!Reboot  作者: エミール藤峰
出会い編!

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第4話「密航者!?」

「え!? ロゼッタ先輩って、フォルティミヤ出身なの!?」

 ロゼッタ先輩が操縦するスカイシップの中で、わたしは驚いてしまった。

 学園に向かうまでの間に、簡単に自己紹介をすることになったんだ。

 そしたら、なんとロゼッタ先輩の出身は、わたしと同じ惑星フォルティミヤなんだって言うから、びっくりだよ。

「とは言っても、勉強のために10歳の頃、他の惑星に留学したの。もう何年も、フォルティミヤには、帰っていないわ」

「あっ! そういえば、友だちから聞いたことある! フォルティミヤから他の惑星の有名なスクールに留学した優秀な先輩がいるって! ロゼッタ先輩のことだったんだ!」

「ふふっ。優秀かどうかは、これから次第だけどね」

 そう言って涼やかにほほ笑むロゼッタ先輩。

 爽やかで上品で、なんてステキな先輩なんだろう。

「あんたも、ロゼッタ先輩の顔に泥を塗らないように、フォルティミヤの出身として頑張りなさいよ」

 隣の座席に座るアンジェちゃんが言った。

「わ、わかってるよぉ! ロゼッタ先輩に負けないように、がんばるもん!」

「見聞を広めるために、この学園の教員補佐として参加したのだけど、同じ星の出身の子が招かれているなんて嬉しいわ。なにかあったら遠慮なく相談してね」

「はい! ありがとうございます!」

 なんて、優しい先輩なんだろう。

 こんなステキな先輩と一緒に、学園生活を過ごせるんだ。

 うんうん! やっぱり、楽しい学園生活になる予感がするよ!

「学園が見えてきたわよ」

 ロゼッタ先輩が、スカイシップの高度を下げる。

 キャノピーからは、青い蛍光ラインの入った真っ白なお城みたいな学園の校舎が見え始めていた。

「スカイシップの発着場は、校舎のすぐ近くにあるスペースポートと一緒になってるの。そっちに降りるわね」

 ロゼッタ先輩が操縦するスカイシップは、校舎のある高台に造られた広場のようなスペースポートに向かって行った。

「あれ? なんだか、人だかりができてるよ?」

 スペースポートに、大勢の人の輪ができてる。

 近くには、わたしやアンジェちゃんが乗ってきたスペースシップだけじゃなくて、他にも何隻かの船が停まってた。

 あそこに集まってるのは、あのスペースシップから降りてきた人たちかな?

「あんたがスペースシップから飛び降りたりするから騒ぎになってんじゃないの?」

「え!? そ、そうなのかな?」

 スペースシップから飛び降りたくらいで大袈裟だと思うけど……。

「ともかく、降りてみましょう」

 ロゼッタ先輩は、スカイシップを人だかりから少し離れた場所に着陸させた。

 わたしとアンジェちゃんは、ロゼッタ先輩にお礼を言ってから、スペースポートにできた人の輪に近づいた。

 こういうときは、誰かに話を聞いた方が早いよね。

「ねえ? いったい、どうしたの?」

 わたしは、人の輪の外側にいた子に声をかけた。

 背丈が高くてナイスバディな、オレンジ色の長い髪の女の子だ。

 その子は、くるっと振り向くと、にこっと人懐っこく笑った。

「なんかね! 密猟者がいたんだって!」

「み、密猟者!?」

 密猟者って、たしか……ルールで獲っちゃいけないって決められてるものを、内緒で勝手に奪っていく人たちのことだよね。

 なんで、学園に密猟者が……?

「おい、テキトーなことを言うなよ」

 オレンジ色の髪の子の横にいた黒髪で金色の瞳をした子が、そう言った。

「すまないな。こいつ、いいかげんなことばかり言うんだ。いたのは、密猟者じゃなくて密航者だ」

「え~~? 密猟者も密航者も、大して変わんないじゃ~~ん」

「馬鹿! 大違いだよ!」

 ずびし! と、黒髪の子のツッコミがオレンジ髪の子に決まる。

 なんだか、仲が良さそうな子たちだなぁ。

「えっと、それで密航者って、どういうこと?」

「この学園に通うことが決まった生徒を乗せてきたスペースシップの貨物室から、生徒のリストに載ってないやつが見つかったんだ。いま、教員の補佐をしてる人が、どこの誰で何の目的があるのか問い詰めてるらしい」

「ほえ~~、それは確かに密航者だね。なんでまた、学園の船なんかに密航してたんだろう……?」

「さあ、それも今から調べるんだろう。どうやら、オレたちと同じくらいの年の子らしい。選抜試験に落ちたけど、どうしても学園に通いたかったとか、そういう理由かもな」

「なるほどねぇ。教えてくれてありがと!」

「ああ、うちの馬鹿がテキトーなこと言って悪かったよ……ッ!?」

「ん?」

 黒髪の子が、急にわたしの顔をジッと見たまま固まった。

「どうしたの? ジュンちゃん?」

 オレンジ色の髪の子が、不思議そうに黒髪の子の顔をのぞきこむ。

「い、いや……なんでもない。いくぞ、レア」

「あっ!? ちょっと、待ってよ! ジュンちゃん!」

 ふたりは、足早に歩いて行ってしまった。

「どうしたんだろう?」

「さあ?」

 と、アンジェちゃん。

 あの子たちは、ジュンちゃんにレアちゃんって名前なんだ。

 ジュンちゃんの方は、急に様子がおかしくなったけど、どうしたのかなぁ?

「まっ、それよりも、密航者がどんな子なのか見てみよ~~と」

「あんまり、関わり合いにならない方がいいと思うけど」

 そう言うアンジェちゃんも、わたしと一緒になって人の輪をかき分けていく。

 淡い紫色の長い髪の女の子が、人の輪の中心で、座り込んでいる。

 花の刺繍のしてあるパフスリーブのワンピースを着た女の子だ。

 その子は、銀髪のお姉さんから、あれこれと質問されていた。

「どこから、来たんだ? 君は、何をしに来た? 答えなさい」

 だけど、なかなか質問には答えようとしていない。

 あれぇ?

 ちょこんと正座している後ろ姿に、なんだか見覚えがあるような気が……?

「あっ!? うそ!? マナ!? マナでしょ!?」

 思わず叫ぶと、紫色の髪の女の子がハッとして振り返った。

 やっぱり! わたしの親友のマナだ!

「……シャルロット!」

 いつものぽやっとした顔で、小さく笑みを浮かべるマナ。

 マナは、故郷のフォルティミヤで仲良しの親友なんだ。

 この学園には、一緒に来られなくて、故郷で待ってくれているはずなのに……!

 わたしは、マナに駆け寄って抱きしめた。

「なんで、マナがここにいるの!? フォルティミヤにいるはずでしょ!? っていうか、密航者ってマナのことなの!? ど~~ゆ~~こと!?」

「シャルロット、落ち着いてください。周りから向けられる好奇の視線が痛いです」

 相変わらずマナの喋り方は、冷静というよりも感情が薄い感じがする。

 わたしが、いまどれだけ混乱してるかわかってなさそう……。

「君は、誰だ? この密航者の知り合いなのか?」

 そう言ったのは、マナに質問をしていた銀髪のお姉さんだ。

 ベースカラーが白と青で彩られたミニスカートの騎士のような格好をしている。

 右手には、柄の長い斧にも槍にも見える武器を持ってて、なんだか強そう。

「わたしは、この学園に通うためにやって来たシャルロット! それで、この子は、わたしの親友のマナ!」

 そしたら、銀髪のお姉さんはケータイ端末を取り出して何かを調べ出した。

「シャルロット……か。ふむ、たしかに君は学園が招いた生徒のリストに載っている。だが、そっちのマナという子は、リストに載っていない。あのスペースシップは、学園が生徒のために用意したもの。招かれてもいないその子が乗る資格は無い。そのうえ、こそこそと隠れて密航するなど、許されないぞ」

 ぴしゃりと言い切る銀髪のお姉さん。

 わたしとマナをするどい視線で見下ろしてて、ちょっと威圧感があるよぉ。

 そう思ったけど、銀髪のお姉さんは、すぐに顔つきを柔らかくした。

「だが、まあ……理由は聞いておこう。なぜ、密航などしたんだ。相応の事情があるんじゃないのか?」

 よ、良かった。

 このお姉さん、頭ごなしに叱ったりするわけじゃないんだ。

「マナ、事情を話して。フォルティミヤで、成長したわたしの帰りを待ってくれるって言ってたのに、なんでここにいるの? どうして、密航なんてしたの?」

「自分は、シャルロットの学園生活についていきたかったんです」

 マナが、理由を話し出した。

「この学園に招かれる資格があるのは、ブレイヴを目指す有望な子どもたち。ブレイヴになるつもりのない自分に、ここにいる資格がないことくらいわかります。だけど、それでも、シャルロットを最推しとして応援してる自分だから、学園生活をそばで支えたかったんです」

「……マナ」

「一度は、故郷の星でシャルロットが帰ってくるのを待つと決めたはずでした。でも、やっぱり、待ってるだけなんてつまらなくて……。気づいたら、停泊していたスペースシップに運び込まれていた貨物の中に飛び込んでいた……というわけです」

「……いや、うん。絶対、大人しく待ってられないだろうなとは思ってたよ。まさか、密航者になってまで追いかけてくるとは思わなかったけど。無茶するなぁ」

「これでも、シャルロットの親友ですからね。ちょっとくらいの無茶はやってみせます。ブイブイ」

 両手でVサインを作って、ぽやっと笑うマナ。

「まいったな。話を聞いてると、強制的に送り返し辛くなってしまったじゃないか」

 ため息をついているのは、銀髪のお姉さんだ。

「セイラ、話は聞かせてもらったわ」

 ロゼッタ先輩が、金髪をキラキラとなびかせながら登場した。

 セイラっていうのが、銀髪のお姉さんの名前みたいだ。

 ふたりは、知り合いなのかな?

「ともかく、いちど学園長に話をしてみたらどうかしら?」

「ああ、こっちもそう思っていたところだ」

 ふたりは、ケータイ端末を通して、どこかの誰かと話を始めた。

「どうなるんだろう……?」

「さあ……なるようになるでしょう」

 まったく不安や心配を感じさせないマナのぽやぽやっぷり。

 わたしより、よっぽど肝が据わってる気がするよ。

 いったい、どうなっちゃうんだろう。

 せっかく、ここまで来たのにマナは送り返されちゃうのかな……?


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