# 第三話 # 「恋のライバル現る!?」
# 第三話
# 「恋のライバル現る!?」
ある日の昼。
町は今日も賑やかだった。
石川新太郎は橋の上でノートを開いていた。
真剣な顔で筆を走らせる。
> 『君の笑顔
>
> 春の陽射しに
>
> よく似てる』
書いた瞬間。
新太郎は顔を真っ赤にした。
「うわああああ!!」
勢いよくページを閉じる。
「何を書いてるんだ俺は!」
すると後ろから声がした。
「新太郎ー!」
聞き覚えのある元気な声。
振り返ると――
明るい笑顔の少女が走ってくる。
栗色の髪を揺らしながら。
町一番の商家『花村屋』の看板娘。
**花村小春。**
「久しぶり!」
「小春!」
小春は新太郎の幼なじみだった。
昔から一緒に遊び、
一緒に怒られ、
一緒に育った仲。
そして――
小春は昔から新太郎が好きだった。
本人だけが気づいていない。
「元気だったか?」
「もちろん!」
小春は満面の笑み。
その時だった。
向こうから美鈴が歩いてくる。
「石川さん。」
「あ、美鈴。」
小春の笑顔が止まった。
「……誰?」
空気が変わる。
健次は遠くから察した。
「終わったな。」
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「桜井美鈴です。」
「花村小春です。」
二人は笑顔。
だが目は笑っていない。
新太郎だけが気づかない。
「二人ともいい人だぞ!」
健次。
「黙れ。」
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その後。
四人で町を歩くことになった。
だが小春は新太郎の隣。
美鈴も新太郎の隣。
結果――
両側から挟まれる。
「新太郎!」
「石川さん!」
「ん?」
鈍感主人公は平和だった。
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その時。
突然風が吹いた。
ビュオッ!
「あっ!」
新太郎のノートが飛ぶ。
「うわあああ!」
空へ舞う。
そして――
パサッ。
美鈴の足元へ落ちた。
「ん?」
拾う。
開く。
読む。
固まる。
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そこには。
大量のポエム。
> 『君を見ると
>
> 心が騒ぐ
>
> なぜだろう』
> 『桜より
>
> 君の笑顔が
>
> 眩しいな』
> 『団子食べる
>
> 君も可愛い
>
> 春の午後』
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美鈴。
顔真っ赤。
小春。
顔真っ赤。
新太郎。
顔真っ青。
「返せええええ!!」
全力で飛びついた。
しかし遅い。
小春も見た。
美鈴も見た。
健次も見た。
「……。」
沈黙。
新太郎は地面に倒れた。
「終わった……。」
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だが。
小春は少し微笑んだ。
「新太郎らしいね。」
美鈴も笑う。
「そうですね。」
「変な詩ばっかりだけど。」
「でも嫌いじゃありません。」
新太郎は顔を上げる。
「本当か?」
「少しだけ。」
「少しだけね。」
二人は笑った。
新太郎は安心した。
「よかった……。」
健次。
「俺は恥ずかしくて死にそうだったぞ。」
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夕暮れ。
みんなで帰る道。
笑い声が響く。
新太郎は仲間たちを見た。
そしてノートを開く。
新しいページに書く。
> 『友がいて
>
> 今日も笑える
>
> 良き日かな』
珍しくまともだった。
健次も驚く。
美鈴も微笑む。
小春も嬉しそうだ。
新太郎は空を見上げる。
「いやはや、世の中は面白ぇな!」
その声に、
三人の笑い声が重なった。
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## 次回予告
### 第四話
# 「ハイカラお嬢様、襲来!」
東京からやってきた大財閥のお嬢様、
**九条麗華**が町に現れる!
初めて見る庶民の暮らしに大興奮!
そしてなぜか新太郎に興味津々!?
さらに麗華は新太郎のポエムを読んでしまい――
> 「まあ! 素敵ですわ!」
> 「どこが!?」
新たな騒動の予感!
次回もお楽しみに!




