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# 第四話 # 「ハイカラお嬢様、襲来!」

# 第四話


# 「ハイカラお嬢様、襲来!」


ある晴れた日のこと。


町の入り口に、一台の立派な馬車が止まった。


町人たちはざわつく。


「なんだ?」


「偉い人か?」


「東京から来たらしいぞ。」


馬車の扉がゆっくり開く。


そして現れたのは――


美しい少女だった。


金色の飾りがついた洋風の帽子。


上品なドレス。


まるで絵本から飛び出してきたような姿。


少女は目を輝かせながら町を見回した。


「まあ!」


第一声がそれだった。


「まあ! 素敵ですわ!」


少女の名は――


**九条麗華。**


東京の大財閥・九条家の令嬢である。


---


その頃。


新太郎は橋の上にいた。


いつものようにノートを広げる。


> 『晴れの日に

>

> 昼寝したいな

>

> 三時間』


「名作だ。」


「寝言だろ。」


健次が即座に突っ込む。


その時。


ドンッ!


誰かが新太郎にぶつかった。


「おっと!」


「きゃっ!」


少女がよろける。


新太郎は反射的に手を伸ばした。


倒れそうになった少女を支える。


「大丈夫か?」


少女は顔を上げる。


麗華だった。


二人の目が合う。


数秒後。


麗華は頬を赤くした。


「まあ……。」


「ん?」


「まああああ!!」


大声だった。


新太郎も健次も驚く。


「どうした!?」


「王子様ですわ!」


「違う。」


即否定だった。


---


麗華は興奮していた。


「わたくし、東京から参りましたの!」


「そうか。」


「庶民の暮らしを見学しておりますの!」


「へえ。」


「牛鍋も食べたいですわ!」


「いい趣味だな。」


会話が妙に噛み合う。


健次は横で笑いを堪えていた。


---


そこへ。


美鈴と小春がやって来る。


「あれ?」


「石川さん?」


麗華は二人を見る。


そして笑顔になる。


「お友達ですのね!」


「え、ええ。」


「そうだけど。」


だが次の瞬間。


麗華の視線が新太郎のノートに向いた。


嫌な予感。


新太郎の背中に冷や汗が流れる。


「それは何ですの?」


「見るな!」


遅かった。


麗華は開いた。


---


読む。


一ページ目。


> 『君が笑う

>

> 団子もうまい

>

> なぜだろう』


二ページ目。


> 『夕焼けよ

>

> 君は今日も

>

> 赤いなあ』


三ページ目。


> 『牛鍋を

>

> 食べれば悩みも

>

> 消えるはず』


---


沈黙。


新太郎。


覚悟を決める。


どうせ笑われる。


そう思った。


だが――


麗華は目を輝かせていた。


「素敵ですわ!」


「え?」


「素晴らしいですわ!」


「ええ?」


「感動しましたわ!」


「えええ!?」


人生で初めてだった。


ポエムを褒められた。


健次も驚く。


美鈴も驚く。


小春も驚く。


---


「特にこれ!」


麗華はページを指差した。


> 『友がいて

>

> 今日も笑える

>

> 良き日かな』


「とても温かい詩ですわ。」


新太郎は固まった。


誰にも真面目に読まれたことがない。


いつも笑われてばかりだった。


だから少し照れくさい。


「そ、そうか?」


「ええ!」


麗華は満面の笑みだった。


---


その日の帰り道。


新太郎は一人で空を見上げる。


なんだか不思議な気持ちだった。


ポエムを認めてくれる人がいた。


笑うだけじゃなく、


ちゃんと読んでくれる人がいた。


少し嬉しい。


とても嬉しい。


「いやはや……。」


新太郎は笑った。


「世の中は面白ぇな!」


その姿を、


少し離れた場所から見つめる三人の少女。


美鈴。


小春。


麗華。


それぞれが、


まだ気づいていない自分の気持ちを胸に抱えながら――。


---


## 次回予告


### 第五話


# 「ポエム大会開催!?」


町の祭りで急遽開催されることになった、


第一回・詩の発表会!


なぜか新太郎も出場することに!?


さらに美鈴、小春、麗華も参加!


恋と友情と恥ずかしさが入り乱れる大騒動!


> 新太郎

>

> 「詩で勝負だ!」


> 健次

>

> 「お前だけはやめとけ!」


果たして優勝は誰の手に!?


次回もお楽しみに!


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