# 第二話 # 「女学校に潜入せよ!?」
# 第二話
# 「女学校に潜入せよ!?」
翌朝。
石川新太郎は町を歩いていた。
手にはいつものノート。
そして今日のポエムを書いている。
> 『朝の風
>
> 腹が減るなあ
>
> 牛鍋食べたい』
「完璧だ。」
「どこがだ。」
横から健次が即座に突っ込む。
「お前の詩は食べ物ばっかりじゃねえか。」
「人間は食べて生きるんだ。」
「開き直るな。」
二人が歩いていると――
「石川さん!」
聞き覚えのある声。
振り向くと、
桜井美鈴が走ってきた。
袴姿がよく似合う。
「おはようございます。」
「おう!」
「おはよう。」
健次も頭を下げる。
美鈴は少し息を整えて言った。
「実はお願いがあるんです。」
「なんだ?」
「今日、女学校で文化発表会があるんです。」
「へえ。」
「ぜひ見に来てください。」
新太郎は目を輝かせた。
「面白そうだな!」
「ええ。」
だが美鈴は続けた。
「ただし男子は校舎の一部しか入れません。」
「なるほど。」
「だから絶対に変なことはしないでくださいね。」
「俺を誰だと思ってる。」
「騒動製造機です。」
「ひどい!」
健次はうなずいた。
「正しい。」
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午後。
女学校は大賑わいだった。
出店。
演劇。
音楽会。
華やかな雰囲気に新太郎は興奮する。
「いやはや、世の中は面白ぇな!」
「まだ始まって五分ですよ。」
美鈴が呆れる。
その時だった。
泣き声が聞こえた。
「うぇぇぇん!」
小さな男の子が泣いている。
「どうした?」
新太郎がしゃがむ。
「お姉ちゃんがいなくなった……」
迷子だった。
周囲の大人たちも困っている。
すると男の子が言った。
「お姉ちゃん、中の校舎に入ったの……」
だがそこは男子立入禁止区域。
新太郎は腕を組んだ。
「困ったな。」
美鈴も心配そうだ。
「どうしましょう……。」
その時。
新太郎の目が光った。
「俺に考えがある。」
健次が嫌な予感を覚える。
「やめろ。」
「任せろ。」
「絶対やめろ。」
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十分後。
健次は頭を抱えていた。
「なんでこうなった。」
目の前には――
女学生の格好をした新太郎。
「どうだ?」
「気持ち悪い。」
「即答か!」
美鈴も顔を真っ赤にしている。
「な、な、な……!」
「似合うだろ?」
「似合いません!」
全員一致だった。
しかし迷子を放っておけない。
新太郎は校舎へ向かった。
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だが。
三歩で見つかった。
教師に。
「あなた。」
「はい?」
「男子ですよね?」
「……。」
「男子ですよね?」
「はい。」
終了だった。
五分後。
新太郎は正座していた。
教師たちに説教される。
健次は笑いを堪えている。
美鈴は顔を覆っていた。
「だから言ったじゃないですか!」
「すまん。」
「まったくもう!」
だがその時。
迷子の姉が見つかった。
無事に再会。
男の子は涙を流しながら喜ぶ。
「ありがとう!」
新太郎は笑った。
「気にするな。」
その姿を見て、
美鈴は少しだけ微笑んだ。
この人は本当に馬鹿だ。
でも――
優しい。
そこだけは誰にも負けない。
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帰り道。
夕日が町を染めていた。
新太郎はノートを開く。
「何を書いてるんですか?」
美鈴が覗き込む。
新太郎は少し照れながら読んだ。
> 『迷子の子
>
> 泣き顔消えて
>
> 夕日笑う』
美鈴は驚いた。
昨日の変な詩とは違う。
少しだけ。
ほんの少しだけ。
心に残る詩だった。
「……悪くないですね。」
「本当か!?」
「たまにはですけど。」
「たまにか。」
新太郎は笑う。
「いやはや、世の中は面白ぇな!」
美鈴も少し笑った。
「本当に変な人です。」
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## 次回予告
### 第三話
# 「恋のライバル現る!?」
町一番の大商家の娘、
**花村小春**が登場!
新太郎の幼なじみで、昔から彼を知る少女だった。
しかし小春は、
新太郎と美鈴が一緒にいる姿を見て大慌て!
さらに新太郎は、
自分の恥ずかしいポエム帳を落としてしまう!
> 「絶対に読まれるなあああ!!」
果たして新太郎の運命は!?
次回もお楽しみに!




