【全年齢】【番外編】正義の使徒たちのバーベキューパーティ
前書きだぁ!
俺は世紀末の世界において、拳法の人体実験をしたり、ある人物のマネをしている、どんな拳法でも誰よりも早く習得できるどこにでもいる天才だぁ!
今回の騎士団長は料理の魅力にあらがえないは、ダイの大冒険に出てくる何体かの木偶人形が登場するぅ……
この話はすばらしいぞぉ……
どうやらおれが求めるオマージュが完成の時を迎えたようだな!!
この作者にオマージュをおしえたのはおれだ……
俺は天才だぁ!
何ぃ……「作品に対する冒涜」だとぉ……?
世の中の作品にはまだまだオマージュのネタが隠されている……
それを使って新しい感動を、笑いを生み出すには犠牲が必要なのだぁ!!
第一この作者は作品に対する狂ったまでの愛であふれているぅ。冒涜どころか宣伝をする気満々でこの作品を書いているんだぞぉ?
ヤツは変態だぁ!
権利者よ……この作品を読んでおや~間違ってるなぁと思ったら作者に一報するといいぞぉ。
読者よ、このオマージュはいいぞ!!と思ったら☆や、感想、レビューを送ってくれぇ。作者がうわらばぁ!ッと歓喜すると思うぞぉ。
※本作は各作品へのオマージュ・パロディを含みます。権利者の方でご不満がある場合はご連絡ください。
清々しきせせらぎが流れる河川敷の近くを、かつてヴァルフェルト王国で深紅の戦乙女と称えられたプリシラ・スカーレットを養う、しがないサラリーマンである橋本聡介は歩いていた。
「ああ……住人が増えたから買い出しも大変だな……」聡介は独白しながら河川敷を眺めた。
河川敷には特徴的な格好の人たちがバーベキューパーティをしているようだった。その中に一人見覚えのある女性がいた。カジュアルなパーカーにチェックのスカート、薄手のレギンスを合わせた、端正な顔立ちの女性。ゆるく巻き込んだロングヘアが肩先で優美に揺れ、ラフな装いの中に洗練された大人の気品を漂わせている。飾らない日常着でありながらも目を引く、都会的でどこか色香のある美しい佇まいが印象的だ。
「あれは……巻駒礼子?」
――学生の時に同じ学部にいた。後輩だ。何度かデートしたことがあったけどいろいろあったな……
「巻駒も変な住人が家にやってきてたりするのかな……まさかな……」聡介は独白しながら家のことを思い出した。特徴的かつ苛烈な住人達のことを思い、ため息をつきながらその様子を眺めていた。
――――
「もう! 皆が外でお肉を食べたいって言ったからせっかく準備してるのに協力してよ! ロック!聞いてるの!?」礼子は、頬を膨らませた。
「準備っつったってよ~、肉並べて焼くだけなんだろ? そんなもの俺の火炎呪文があればちょちょいっとなもんだよ?」ロックと呼ばれた青年は魔法石のついた杖を振った。
その青年は緑色の魔法衣を着て、頭がつんつんに尖った一見薄情そうな様子だった。だが、その眼の奥には深い勇気が秘められていた。
「ロック。ダメだよ……礼子さん困っちゃってるじゃないか。ドーンさんたちにも声をかけてきてよ」少年が木炭の入った箱を運びながらロックに声をかけた。
少年はロックと同じようなつんつん頭で『GOD TEARS』と言う文字と、黄金色の水玉に天使の羽が生えた意匠がプリントされたTシャツを着ていた。背中には仰々しい剣を背負っていた。
「なんだよアタルぅ~……お前は真面目だな~。わっかりましたよ~」ロックは手を振りながら他の人が立っている方に向かっていった。
「ドーンさーん! バーベキューの準備手伝えだってよー!」ロックは大きな声で老齢の男性に声をかけた。
「なんだ……余にも準備をしろというのか……」ドーンと呼ばれた老人は顎髭を撫でた。威厳に満ちたローブをまとったその老人は、禍々しく捩れた二本の角を戴き、長い白髪と鋭い眼光、そして全てを見下す不敵な笑みが圧倒的なカリスマ性を放っていた。老人の姿でありながら、その佇まいは神々しくも恐ろしく、世界のすべてを焼き尽くす圧倒的な大魔王のような風格を全身から漂わせていた。
「ああ……礼子さんが困ってるみたいだから手伝えってさ……あ……ローグ先生も! カブトムシ探したりしてなくていいからこっち来てください」ロックは茂みの方にいる眼鏡をかけた男性に声をかけた。
「おや、ロック……もうそんな時間ですか。わかりました、今行きますよ」ローグ先生と呼ばれた男性は立ち上がるとゆっくり礼子たちの方に向かった。
その男性は特徴的な縦ロールの青髪に黒縁眼鏡、親しみやすい笑顔が印象的だった。金のエポレットが付いた真っ赤な詰襟の軍服風の衣装をまとい、胸元には白い紋章、腰には一振りの長剣を携えていた。一見ユーモラスで気さくな「先生」だが、その佇まいには、かつて世界を救った勇者のような確かな風格を潜ませていた。
「皆、遅いわよ! こんな感じでバーベキューセットをくみ上げてくれる?」礼子はお手本として河川敷から借りたバーベキューセットを組み立てていた。
礼子はトランク型のケースを開き、折り畳まれたスチール製の脚をカチリと音がするまで伸ばして固定した。本体の底に灰受けのロストルを敷き、木炭を空気が通りやすいように交差させるように並べた。その上に着火剤を数個等間隔に配置し、火をつけた。
「へ~……こっちの世界じゃこんな感じにするんだね!」アタルが眼を爛々とさせてその様子をみていた。
―――――
五分が経過してもうまく火がつかない。
「おかし~な~、これで大丈夫なはずなのに」礼子はスマートフォンを片手に動画サイトを眺めていた。
「ボクに任せてよ!」アタルは背中の剣を抜いた。
アタルは手に力を入れると火炎が現れた。
「ちょっと……外で魔法なんて使っちゃだめだよ!」礼子が慌てて止めようとした。
アタルは聞いていなかった。
「バーニングゥ……!」アタルの剣が火炎を纏った。
「アースブレイドォ!」アタルが剣を振った。
その剣先は大地を裂き、
火炎が地面を迸った。
火炎はバーベキューセットの横を走り抜け……
その先にあった木炭の箱に着火した。
大きな炎が上がった!
「アタルゥーーーッ! あんた! 木炭に直接火をつけてどうするのよぉーーッ!」礼子がバケツの方に走った。
「礼子さん! 俺に任せときな!」ロックは魔法の杖をかざした。
「ロック!?」礼子は振り返った。
「中級氷結呪文!」ロックが叫ぶと辺りの気温が下がった。
氷の刃が木炭を目掛けて放出された。
アタルが放った火炎が消えた。
木炭が凍り付いていた。
「良かった……ロックありがとう……火事になるかと思ったわ……」礼子はバケツを抱えたままへたり込んだ。
「ん~……ロックはまだまだ甘いですね~」ローグ先生が凍った木炭に近づくとコンコンと氷を叩いた。
氷は砕け散った。
水がぽたぽたと滴っていた。
礼子が木炭の箱に駆け寄った。
「あ~……湿気ちゃってる……どうしよう~」礼子がへたり込んだまま頭を抱えた。
顔を青くしていた。
「先生……俺は火炎呪文の方が得意なんだよ……」ロックがうつむき加減に答えた。
「じゃあ、名誉挽回といっちゃってください」ローグ先生は両手を前に向けた。
「わっかりやしたよ~。ったく先生は人使いが荒いんだから……」ロックは杖を構えた。
「火炎呪文!」ロックは礼子がくみ上げたバーベキューセットに向かい魔法を唱えた。
メラメラと音を立てて木炭が燃え始めた。
木炭は赤く染まりバチバチと音をたてた。
「やだ! ロック凄い!」礼子はロックに抱き着いた。
「いや~……それほどでも~」ロックは鼻の下を伸ばしていた。
「れ……礼子さん、距離感は気をつけましょうね」ローグ先生は眼鏡を上げながら、汗と鼻水を垂らしていた。
「あ……ごめんなさい……じゃあさっそく焼いていくわね!」礼子はテーブルの方に走っていくと、ピーマン、カボチャ、玉ねぎ、シイタケ、そして牛のロース肉、カルビなどが入った大皿を持ってきた。
バーベキューセットに網を置き、野菜と肉を並べていく。
熱を帯びた網に牛ロースを乗せた瞬間、ジューと小気味よい音が弾け、甘脂の芳香が爆発的に立ち上った。カルビからは透明な肉汁がじわじわと溢れ、炭火の熱で外側が香ばしく焼き固められていった。傍らでは、タマネギが透き通り、シイタケが汗をかき始め、カボチャとピーマンが鮮やかな焦げ目を刻んでいった。
「ほら、お肉焼けたわよ? 誰から食べる?」礼子が周囲を見渡した。
「年長者のドーンさんからどうぞ」ローグ先生がドーンに対して箸と皿を渡した。
「ほう……」ドーンは箸を受け取ると、カルビ、タマネギ、かぼちゃの順に口に運んだ。無言で咀嚼した。
箸を皿において無言で味わっていた。
ドーンは目を見開いた。
まくしたてるようにしゃべりだした。
「これぞ、食の究極極意……『天地魔闘』!
まず、この極上の「肉」! これは「天」だ!ジュワーッ!と弾ける脂の咆哮は激しい炎の熱をすべて受け止め、そこから脂の甘みと野性味あふれるこの味わい。まさに天にも昇る心地よ。
次にこの「カボチャ」! これは「地」だ!鉄板の底から這い上がる熱をじっくりと蓄え、甘みを増幅させている。この鮮やかな焦げ目、そして内に秘めた圧倒的な甘みは、大地の底知れぬ抱擁力そのものだ。
そして、最後は「タマネギ」!これは「魔」だ! 肉とともに味わうと旨味を引きたたせ、かぼちゃとともに食べると甘みを引き立たせる。この甘みと辛みを完璧に調和させるその姿は、天地の間を支配する魔法のごとき力を秘めている!まさに天地魔闘!さあ、お前たちも刮目して食せ!」
「凄い……そんなに美味しいのかしら……」礼子は肉を一切れ口に運んだ。
「あら……美味しいじゃない!」礼子は満面の笑みを浮かべた。
「なあ~俺たちにも早く焼いてくれよ~」ロックが腹をさすっていた。
「わかってるわよ……でもなかなか焼けないのよね……」礼子がトングを持ったまま腰に手を当てた。
「火力が弱まってるみたいですね……」ローグ先生が金網の奥をのぞき込んだ。
「え~……もう、木炭ないのよ?どうしよ~」礼子は周囲を見渡した。
「余に任せろ……」ドーンは人差し指をバーベキューセットに向けた。
人差し指の先が淡く光った。
指先から小さな火の粉がチロチロと放たれた。
火の粉はゆるやかな弧を描きながらバーベキューセットへと近づいていった 。
火の粉を見たロックが叫んだ。額に大粒の汗を浮かべていた。
「危ない! 極大火炎呪文だ!」ロックは走った。
礼子に飛びついてかばった。
バーベキューセットから火柱が立った。
「はーはっはっはっ! ウェルダンよりレアの方が好みだったかなーーー!」ドーンは高らかと笑っていた。
火が消えるとバーベキューセットの上にあったすべての食物が跡形もなく消えていた。
「ウェルダンどころか消し炭じゃないのよ……」礼子は震えていた。
ドーンは笑い終えるとロックの方を見た。
蔑むような眼で見下ろしていた。
「極大火炎呪文ではない……」
「え……?」ロックは間の抜けた声を出した。
「極大火炎呪文ではない……ただの火炎呪文だ」ドーンはひげを撫でた。
「な……あんな強力な魔法がただの火炎呪文のわけがないだろ!?」ロックが立ち上がり手を振った。
「魔法力が違えば威力も変わる……」ドーンが右手を掲げると炎が揺らめき始めた。
「余の極大火炎呪文はその造形から人はこう呼ぶ……」
炎が集まると何かを形作り始めた。
人の形をしていた。
その造形は巨大な肩当てと高い襟が圧倒的な威圧感を放ち、胸元を露出したタイトなアーマーを纏っていた。重厚なベルトと頑強なブーツで固めた、聖帝にふさわしい傲慢な軍装。炎は白く揺らめき、世紀末の荒野に君臨する、将軍のごとき星の煌きを放っていた。
「聖帝の鳳凰と!」
ドーンはその火炎を放った。
その炎の圧倒的な火力により空気が巻き上げた。
人の叫び声のような音となっていた!
「フハハハハっ! 退きませんッ! 媚びへつらいませんっ! 反省しませんッ!」
聖帝の鳳凰は、バーベキューセットを焼き払った。
「ああ……まずいわ……このままじゃ出禁になっちゃう」礼子が空を見上げて呆然としていた……
「全く……皆さん仕方ないですね」ローグが礼子の肩に手を添えた。
「ローグ先生……貴方だけが頼りです」礼子の目が潤んだ……
ローグは眼鏡をはずすと礼子に渡した。
「ノンノン! 火力の使い方が間違ってるんですよ、私がお手本を見せますね」
ローグは人差し指を立てて横に振った。
ローグは腕まくりをすると……
両こぶしを握りこみ、腰をかがめた。
周囲の空気がざわめき始めた。
小さく地面が揺れ始めた。
「え……何?何なの?」礼子は周囲をキョロキョロ見渡した。イヤな予感しかせず汗をかいていた。
「龍変化……」ローグの背中が隆起した。
「呪文ーーーーッ!」ローグが咆哮を上げた。
ローグの体は人の姿を失っていった。
咆哮と共に全身から爆炎が噴き出し、肉体が巨躯へと膨張した。
皮膚は赤熱する鱗へ変わり、背中から引き裂かれた炎の翼が天を仰いだ。
咆哮は轟鳴へと変わり、天を衝く巨大な火炎龍が顕現した。
火炎龍は豪炎の吐息を吐くと、聖帝の鳳凰を包み込み炎が消えた。
「この人が一番とんでもないじゃないのーーーッ!」礼子は立ち上がった。
「もうヤダ! 私帰るーッ!」礼子は道路の方に駆けだした。
礼子は何かにぶつかった。
驚いて目の前を見るが何もなかった。
手をかざすと確かに壁があった。
見えない壁だった。
「え……なにこれ……どうなってるの?」礼子は見えない壁を叩いた。
「知らなかったのか……?」ドーンは礼子にゆっくりと近づいた。
ドーンが掲げた右手の上には聖帝の鳳凰が立っていた。
「な……何が?」礼子は目を見開いてドーンを見上げた。
ドーンと聖帝の鳳凰が礼子の顔にゆっくりと近づいた。
「大魔王からは逃げられない……」「フッハハハハァ―ッ!」
――――――
聡介はその様子を眺めながら一際大きなため息をついて空を見上げた。
「うちの皆さんはあそこまでエキセントリックじゃなくてよかったな」
夕焼け空の中で異世界の住人たちに巻き込まれる、うら若き女性の泣き声と、
聖帝の高らかな笑い声が響いていた。
※なお、焼けこげた食料品はすべて大魔王ドーン様の復活呪文で元に戻り、みんなで美味しくいただきました。
失礼しました。今回、設定ファイル公開ではなく、番外編として思いついたので更新してしまいました。
次回は、騎士団長は料理の魅力にあらがえない第八話三回目二回目のオマージュネタファイル、および、本話のオマージュネタファイルを順次公開予定です。
※筆やすめなので不定期更新です。ご了承ください。
※三条陸先生、稲田浩司先生、武論尊先生、原哲夫先生、尊敬してます。
作品も愛しております。
※本作は各作品へのオマージュ・パロディを含みます。権利者の方でご不満がある場合はご連絡ください。




