【全年齢】第九話ボッチのボスにニラでプルコギ……された話
今回は澤井哲夫先生によるボボボーボ・ボーボボのキャラクターである首領パッチのオマージュキャラが登場します。
なお、アニメ版ボボボーボ・ボーボボのボボボーボ・ボーボボ役は子安武人さんが声優を演じられましたがジョジョの奇妙な冒険のディオ・ブランド―と同じ声優であることからそこもうまくエッセンスとして活用しました。
※澤井哲夫先生、尊敬してます。必ずボーボボ展にはいきます。作品も愛しております。
※本作は各作品へのオマージュ・パロディを含みます。権利者の方でご不満がある場合はご連絡ください。
囂々たる言い合いが聞こえるリビングの中で、かつてヴァルフェルト王国で深紅の戦乙女と称えられたプリシラ・スカーレットは魅惑の不死者であるゼウス・インフェリウスと、青眼の決闘士エクウス・マリヌス、三人でカートゲームで遊んでいた。
「ああ! 青眼! 貴様! 私が抜くたびにレッドタートルをぶつけるなぁ!」プリシラは頬を深紅に染めていた。
「フゥン! 甘いぞ深紅! 何もアイテムを持たずに抜くのが悪いんだ」
「URYYY! タンクローリーだ!」ゼウスはステージのギミックにはねられていた。
聡介は夕飯用の人参の皮をむきながらその様子を眺めていた。
「みなさん……ほんと、この世界になじみましたよね……まさかテレビゲームで盛り上がるみなさんを見ることになるとは思いませんでしたよ」聡介は作業を進めながら目を細めた。
三人は集中していて誰一人返事をしなかった。
聡介はため息をついて立ち上がると「僕も一緒にやろうかな」とつぶやき自室にコントローラーを取りに向かった。
自室の中から何やら声が聞こえる。聞き覚えの無い声だ。
聡介は息をのんだ。
扉に手をかけ、ゆっくりと開き、その隙間から中をのぞいた。
トゲトゲした生き物がいた。橙色の、ギラギラと輝く太陽を思わせるトゲトゲしい球体の肉体。そこから伸びる細い手足と、青く尖った靴という奇妙な姿でありながら、その佇まいにはどこか他者を寄せ付けない圧倒的な「孤高」の気配が漂っていた。鋭く切れ上がった眼光は、世界のあらゆる常識を鼻で笑うかのように冷徹で不遜だ。その腕には、うつろな目をした、言葉を発さぬ丸顔の人形がただ静かに抱えられていた。その混沌とした佇まいは、見る者に一抹の畏怖すら抱かせた。
「ちくわを買ってください! ちくわを買ってください!」その生き物はなぜか、聡介の部屋でちくわを売っていた。
「おかしいなぁ……クリスマスなのにちくわが売れない……」その生き物はちくわが入った箱を抱えて下を向いていた。
聡介はスマートフォンを開いた。今日は5月31日、クリスマスなどでは断じてなかった。クリスマス……ちくわ……関係性が分からなかった。
聡介はゆっくりと扉を閉めた。
聡介は大きく息を吸って、吐いた。もう一度扉を開けた。
生き物がいた場所を見た。
生き物はそこにはいなかった。
ただ、天井から出た糸で縛り上げられ、吊るされていた。
「やあ……遅かったじゃないか」その生き物は聡介を見つめ声をかけてきた。
「えっと……アナタは誰ですか? ここで一体何をしてるんですか?」聡介は努めて冷静に答えた。
「俺が聞きたいよ! 早く降ろせこのバーカ!」トゲトゲの生き物はキレた。
「ええ……今までの中で一番意味が分からないかもしれない……」聡介はトゲトゲの生き物を床に降ろした。
「おせーんだよ!」トゲトゲの生き物は、手に持っていた不気味な人形を床に投げた。
次の瞬間……その生き物は声色を変えた。
「まぁくん!? 私なんてことを……アナタがやったのね! アナタのこと絶対許さないんだからあ! どうしてそんなことができるの!? 信じられないわ! ホント、やんなっちゃう」
謎の生き物は聡介をにらみつけた後、一人劇を繰り広げていた。
「ちょ……ちょっと落ち着いてください。ほら、人形は拾いますから……ひとまずみなさんの所に行きましょう」聡介は一人で耐え切れなくなっていた。
謎の生き物が真顔で聡介の顔をじっと見ていたが、無視してとりあえずプリシラたちの元に向かった。その生き物は真顔のままついてきた。
――――
聡介はリビングに駆け込んだ。息を切らせていた。
「み! みなさん! この生き物知っていますか?」聡介はトゲトゲの生き物を指さした。
「そ……聡介……どうしたのだ……そんなに慌てて……」プリシラが驚いて振り向いた。
「プルコギ……プルコギ……」その生き物は小刻みに震えながら膝を少し曲げ両手の人差し指を伸ばしていた。
「フゥン……そんな珍妙な生き物は知らん……」エクウスは不機嫌そうに、リビングを後にした。
「私も心当たりがないのだ……すまぬ……聡介」プリシラはその生き物を見て目を伏せた。
「ボス・ボッチではないか……」ゼウスがその生き物の名前を呼んだ。
「お前は!? ゼゼゼーゼ・ゼーゼゼ! ゼゼゼーゼ・ゼーゼゼじゃないか!? ゼゼゼーゼ・ゼーゼゼ……なのか?」ボス・ボッチがゼウスの首元を掴んだ。首をかしげた。
「離せ、ボス・ボッチ。俺の名はゼウス・インフェリウスだ。何度言えば覚える……」ゼウスは首元を掴んだボス・ボッチの手を払った。
「ゼウス……この生き物は何なのだ!?」
「こいつはボス・ボ……」ゼウスが説明をしようとしたところ。
「オッス! オラ、ボス・ボッチ! 孤高の解脱者と呼ばれる孤高の存在だ! いっちょやってみっかー!」ボス・ボッチが声をかぶせた。
「と……このように奇怪な言動を繰り返すために、周りに嫌われて一人ぼっちになった非常食だ」ゼウスはボス・ボッチの方を一瞥した。
「非常食!? これを食べるのか!?」プリシラは動揺していた。
次の瞬間、「ぐ~~~~~~~るっぽぽッ」というカオスな音が辺りに響いた。
ボス・ボッチはお腹を押さえて崩れ落ちた。
「うう……」
「あなた……大丈夫ですか?」聡介がボス・ボッチに確認した。
「オラに……」
「え?」
「オラに元気を分けてくれ……」ボス・ボッチはそういいながら両腕を真上に伸ばした。
「……? こうですか?」聡介が腕を上に伸ばした。
「こうか?」プリシラもつられて両腕を上にあげた。
「バッファローーーゥッ!」ボス・ボッチは伸ばした両腕をそのままプリシラへと向け直した。
人差し指を伸ばし、
両腕を上げて無防備となった
プリシラの胸目掛けて突き刺した。
「なっ……」プリシラが顔を真っ赤にした。
「何をするのだ貴様ぁあああああーー!」プリシラが全力でボス・ボッチを殴った。
ボス・ボッチは吹っ飛んだ。
部屋の真ん中の大黒柱にぶつかった。
「ボッチさん!? 大丈夫ですか! プリシラさん気持ちはわかりますが本気で殴るのは……」聡介はボス・ボッチとプリシラを交互に見た。
「だが! 聡介! 今のは! 流石に今のは許されんぞ!」プリシラは顔を真っ赤にして抗議した。
ボス・ボッチは立ち上がった。
ゆっくりプリシラの所に歩いてきた。
目の前に立った。
「貴様じゃなくてボス・ボッチだ」ボス・ボッチはプリシラを見つめていた。
「あ”!?」プリシラの目は据わっていた。
「俺のことはボス・ボッチと呼んでいいぜ!?」ボス・ボッチは、親指を自分の胸?に向けて、ちょっといい声をだした。
「ボス・ボッチ……貴様許さんぞ……」プリシラはボス・ボッチをにらんでいた。
「気安く呼ぶんじゃねー!」ボス・ボッチはプリシラの頬を張った。
プリシラはすかさず股間を蹴り上げた。
ボス・ボッチは崩れ落ちた。
「プルコギ……プルコギ……」ボス・ボッチは股間のボッチを押さえて震えていた。
「マジで……情緒どうなってるんですか……」聡介は空を仰いだ。
「聡介がツッコミできていないのだ……」プリシラは頬をひきつらせた。
「と……とりあえずご飯を作るので、ゼウスさん! 仲がいいみたいなので任せますね……」聡介はプリシラの手を引きキッチンに逃げた。
「な……おい! 待て! こいつと二人にするな!」ゼウスが股間を押さえて震えるボス・ボッチを見つめていた。
―――――
聡介はキッチンに到着すると、ボールと調味料を並べた。
先ほどのことを思い出して苦笑いをしたのち、調理に取り掛かった。
ボウルに醤油、砂糖、みりん、ごま油、ニンニクすりおろし、白すりごま、コチュジャンを入れて合わせ調味料を作る。
「聡介? 今日は何を作っているのだ?」プリシラが聡介の後ろからのぞき込んできた。
「えーっと……プルコギです。ボス・ボッチさんが言ってたの聞いたら食べたくなっちゃって」
「プルコギというのは料理名なのか? あいつは当たり前に会話(?)の中で使っていたが……」プリシラが目を丸くした。
「ええ……そうです……意味が分からないですよね」聡介は苦笑いをした。
「ああ……意味が分からないのだ」プリシラは頭を押さえて、イスに座った。
聡介は冷蔵庫を開けて野菜を出した。ふと、蒟蒻があるのに気付いた。
――ゼウスさんにボス・ボッチさんを押し付けたから好きな物だし、入れるか……
合わせ調味料の中に牛肉、薄切りにした玉ねぎ、にんじん、キノコ、蒟蒻を入れ、手でよく揉み込んでいく。
「あ……プリシラさん、今日買った買い物袋の中にニラがあるので取ってきてもらっていいですか? リビングにあるんですけど……」聡介は申し訳なさそうにプリシラを見た。
「それくらいお安い御用だ! 取って来るぞ」プリシラは立ち上がった。
―――――
プリシラはリビングについた、ゼウスとボス・ボッチはカートゲームをやっていた。
「よし……前半の遅れは取り戻したぞ……」ゼウスは不敵に笑っていた。
「フ……来やがったな……デスゲートカーブ……このカーブを曲がり切れず死んだ奴は数知れねぇ」ボス・ボッチがつぶやいた。
プリシラは二人を一瞥した。
――なんだかんだで仲はいいのだな……しかし、ゼウスもよくあんな奴と会話ができるな……やつも化物だからある種仲間みたいなものなのか?
プリシラはリビングに置いてあった買い物袋からニラを取り出すと、二人の横を通った。
プリシラに気付いたボス・ボッチが叫んだ。
「ボス・ボッチソードをどこにもっていく気だ!?」ボス・ボッチが立ち上がってプリシラに詰め寄った。
「な……何のことなのだ?」プリシラは目を泳がせた。ボス・ボッチから顔をそらした。
「プリシラ……無視して行け……こいつはその野菜のことを言っている」ゼウスはボス・ボッチの腕をつかんでいた。
「はなせ! ゼーゼゼ! 俺のボス・ボッチソードがぁぁぁ!」ボス・ボッチは両手両足をばたつかせていた。
「ひっ……」プリシラはあまりに脈絡のないセリフに息ができなかった。ニラを胸に抱えたままキッチンへ駆け込んだ。
――――
「そ、聡介取ってきたぞ……」プリシラは息を整えていた。
「どうしたんですか? そんなに慌てて……」聡介は手を拭きながら、心配そうにプリシラを見た。
「いや……人は理解できないことが重なると恐怖するという体験をしてきたのだ……」プリシラは震えていた。
「ちょっと体調が悪いので少し横になってくる」プリシラはふらふらと自室に戻っていった。
聡介はプリシラの背中を見送ると料理を再開した。
ニラは軽く洗うと、2㎝幅に切った。
フライパンにごま油を広げて熱し、泡立ち始めたところで、ボウルに入った具材を合わせダレごとすべて投入した。中火でほぐしながら、肉の色が変わるまでジュワジュワっとしっかり炒めていく。ごま油の香ばしい香りと、コチュジャンの甘く、刺激的な香りが周囲に広がった。肉に焼き色がついたら、最後にニラを加える。よく鍋を振るい、さっと炒め合わせた。ニラの触感を残すために手早く調理を済ませ、器に盛り付けた。白いりごまをパラパラと振り、プルコギが完成した。
リビングにプルコギを持っていった。
ボス・ボッチがそれをひったくると食べ始めた。
「ウオオオ! このプルコギ、肉の旨味が溢れてオレ様みたく超ハジケてやがるぜ! 甘辛タレが脳天を直撃ィィ! ご飯が進みすぎて、もう箸が…箸がネギになっちまったァァ!」
ボス・ボッチが蒟蒻に目を止めた。
「で……蒟蒻マ―――ンッ! な‥…なんでこんな姿に……うぉおおおお! ゆるせねぇ……よくも俺の蒟蒻マンを……」ボス・ボッチは震えていた。
ボス・ボッチは聡介の方をにらんだ。
「おいっ、誰がトッポギじゃーい!」
聡介は頭を押さえていた。「くっ……理解ができない……もういっそ殺してください……」
しがないサラリーマンの慟哭が、家の中で響いていた
まず皆さんに謝らなければいけません。
私は正直自分が好きな作品であればどのようなものでも名台詞、名シーンの意味を適切に理解し、それを解釈を変えて感動に変えたり、笑いに変えることができると思っていました。
正直、毎回新しい話を投稿するたびに
「俺は天才だぁ……」
とアミバっていましたが、間違いでした。
本作ボボボーボ・ボーボボのオマージュにおいては皆さまお気づきだと思いますが、あまりにも難解なセリフが多すぎて適切な用法要領を守ろうとも、オマージュで改変をしようともボボボーボ・ボーボボの世界観においてはそれは当たり前に存在していたことになりかねない状況です。
キャラクターの行動原則(芯)がプラス方向にもマイナス方向にも存在しないから、論理的再構築が不可能である。というのが私の結論です。
また、ボボボーボ・ボーボボの面白さについては圧倒的情報量と脈略の無さによるカオスです。
これは、アニメや漫画といった絵であれば視覚的に同時に伏線が貼りやすいのですが、
文字となると一視点一方向という非常に限られた範囲での演出となってしまい、
その面白さが半減、いえ、まったく表現できません。
つまりは何をやらせても原作でやっているように思えてしまう、
オマージュ作者が適当なことをやっていると思われてしまう、
カオスを適切に表現できない、
という構造になってしまいました。
本作は公開しましたが私の中では及第点にすら至っていません。
澤井先生は真正の天才です。神聖の変態です。
私が今回投稿したのはオマージュではありません。
ただのボボボーボ・ボーボボの劣化品の二次創作です。
読者の皆様、澤井先生、権利者の皆様に、謹んでお詫び申し上げます。
誠に申し訳ありませんので後書きで宣伝だけした上で腹を切らせていただきます。
脱意味を掲げる、頭を空っぽにして人生を最大限に楽しむイベント
「ボボボーボ・ボーボボ展 DIVE INTO THE BO-BOBO WORLD」
6月7日12時から東京会場の前売り券が発売されます。
大阪会場は別途続報をお待ちください!
気になった方はぜひ「ボーボボ展」で検索してみてください!
告知は以上です。
さあ……ボス・ボッチ、ボス・ボッチソードを貸してくれ。
……ありがとう。
それでは皆さん、
今まで騎士団長は料理の魅力にあらがえないを
ご愛読いただきましてありがとうございました。
……
あれれ~ニラじゃお腹は切れないよ~~~~?
プルコギ……プルコギ……
※澤井先生、尊敬してます。
※本作は各作品へのオマージュ・パロディを含みます。権利者の方でご不満がある場合はご連絡ください。




