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同じレールの上で  作者: ゆっさん
第1章 『日常』
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第4話 『場内』

数日後…


浦川口駅。


下り特急「しらなみ」は、ゆっくりとホームへ入る。


減速。ブレーキ音。車体がわずかに揺れる。


停止位置。白線。標識。


それらを視界に収めながら、わずかに操作して――止まる。


所定位置だった。


「ドア、開けます」


星華の声。


ドアが開く。外の空気が流れ込む。


人が動く。


降りる者。乗る者。


スーツケースを引く音。靴音。短い会話。


流れは途切れない。


ホームの空気が、ゆっくりと入れ替わっていく。



運転台。


仁十は前を見たまま、時計に目をやる。


秒針。わずかな余裕。問題はない。


計器の光。安定した数値。


いつもと同じ状態だった。


ホームの端。


係員が立っている。


乗降はまだ続いていた。


「……多いな」


「ですね」


短い会話。それだけで終わる。


人の流れが、少しずつ落ち着く。


足早に乗り込む乗客。ドア付近で止まる人影。


最後の乗客が乗り込む。


静かになる。


「閉めます」


ドアが閉まる。音が消える。


外のざわめきが遮断される。


最終確認。


ホーム。ドア付近。異常なし。



発車時刻。


――だが、動かない。


仁十はマスコンに手をかけたまま、そのまま止める。


秒針が一つ進む。


「……交代か」


「はい」


運転台のドアが開く。


次の乗務員が入ってくる。


軽く会釈。


「異常なし」


「了解」


短い引き継ぎ。それで十分だった。


仁十は席を立つ。


運転台を降りる。


星華も続く。



ホーム。


さっきまで乗っていた列車。


ドアが閉まる。ブザー。


ゆっくりと動き出す。



別の乗務員が、そのまま南へ運んでいく。


仁十は、その後ろ姿を一瞬だけ見る。


何も言わない。



「……終わりですね」


「ああ」


列車は速度を上げる。やがて、見えなくなる。


二人は歩き出す。次の流れへ。それぞれの持ち場へ。


場内での仕事は、ここで終わる。

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