2月11日:好き?冗談? 2
所変わって屋上。
現在は昼休み。
「『バカ』かぁ・・・。
ホント面白いなぁ、篠原真由ちゃん♪」
嬉しそうに話す優斗。
「結局、お前は本気なワケ?」
優斗に尋ねる耀介。
「もちろん。大好きっv」
優斗は語尾にハートを付けて、まぶしい顔で笑う。
その言動は、偽りのない、純粋なものだった。
「じゃあなんで、さっき無視したんだよ?」
呆れて耀介はまた尋ねる。
「『恋の駆け引き』っていうのかな?
『押し』と『引き』が大切なんだってさ。
だから〜、さっきは『引き』。」
「成功するかな?」と楽しそうに笑う優斗。
「まぁ、確かにそうだけどよぉ、…初恋に、するもんじゃないだろ。
『駆け引き』なんて。」
耀介の口から出る『初恋』という言葉。
優斗にとって、女の人を好きになったのは、真由が初めてらしい。
「だからぁ、『初恋は実らない』なんて言われるんだよ。
初恋だけ、特別にしなければいいんだ。
僕はこの恋を失恋で終わらせる気はないからね。」
優斗は小さく手を握りしめて、空を仰いだ。
「何っっかさ〜、お前間違ってるよ。絶対。」
耀介は優斗の様子を見ていった。
「そうかぁ?」
「お前、天然だよな。」
「そうなのかな?」
「はぁ。」
耀介は深い溜息をついた。
「天下の『王子様』が何をやってるんだって…。」
「王子?誰?」
「お前。」
「そうなの!?
…知らなかったなぁ。
…え?王子?
僕、別に皇族じゃないけどな…。」
「…。」
自分が何と学校で何と呼ばれていたのか知らなかった優斗。
しかも本物の「皇子」と勘違いしている。
天然としか言いようがない。
「俺、お前がわかんねぇや。」
「えー。親友だろ?」
優斗は少しだけ拗ねて言った。
「そりゃそうだけど…。
何て言うかな…。
お前は、自分の武器を生かすべきなんだよ。」
「武器?」
その『格好いい面構え』と、『優しさ』と、ちょっと『抜けてるところ』?
話した女をイチコロにする『笑顔』。
優斗には十分すぎる武器が備わっていたが、
全くそれを活用できていないように思えた耀介。
「だから、お前は、正攻法でいくべき。」
「…十分、正攻法だと思うけどなぁ。」
優斗は自分の真上の青い空を見上げた。




