表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
15/16

2月14日:ハッピー・バレンタイン 3


「真由ちゃん!!」



優斗がそう言って飛び込んだのは、去年、優斗が真由を好きになった教室。



「…優斗くん…。」



優斗の予想は当たり。



真由はそこにいた。



「真由ちゃん。」



「どうしてっ!?なんで来たの!!?」



真由は泣きじゃくる。



「意味、わかんないよ!


 わたしのこと、好きじゃないなら!もうほっといてよ!!」



「真由ちゃん。」



優斗は真由の肩を掴む。



そして真由の目をしっかりとみる。



優斗はいつもの様に明るく笑う。



「はい。」



優斗は真由の目の前にチョコを出す。



「え…?これ…。」



「真由ちゃんに、渡そうと思ってたんだ。


 なんだか、勘違いさせちゃったみたいだけど。」



「いいの!?」



チョコを見た真由は、すぐに機嫌が戻った。



単純。



優斗から見ると、素直、らしい。



「それから、改めて、告白させてくれるかな?」



「う、うん…。」



優斗は小さく深呼吸をして、真由を見つめる。



「人間だから、他人にできるだけ良く見られたいっていうのも当たり前だと思う。


 だけど、真由ちゃんは気取ったり、飾ったりしないで、


 ありのままに僕としゃべってくれたんだ。


 真由ちゃんは素の自分を出せる強さを持ってて、


 偽りのない笑顔が、すごく魅力的で、僕はそんな真由ちゃんに惹かれたんだ。


 本当に、本気で、好きなんだ。


 大好きなんだ、真由ちゃんのこと。


 …僕と、付き合ってください!」



優斗は、廊下で、初めて告白した時のように、頭を下げた。




「はい。」



真由は言った。


しかし、その『はい』は、肯定の『はい』とは発音が違った。



「え?」



優斗が不意に頭を上げると、そこには袋に包まれた、バレンタインチョコ。



「あげる。チョコ。」



「ありが…とう?」



優斗は混乱した。



「あのね、わたしね、チョコ、大好きなの。」



「うん?」



「だから…、初めて、人にチョコレートあげるの。」



「?」



「だから、見ず知らずの人に、バレンタインチョコ分けてくれたり、


 ラスト一個のチョコぱんをくれたり、


 バレンタインデーなのに、わたしにチョコレートくれる人が…好きなの。」



真由はそこまで言って、目をそらした。



「真由ちゃん…!」



優斗は安堵したように微笑む。



「優斗くんのこと、好き…です。…わたしでよければ、お願いします。」



真由がそこまで言うと、優斗は真由を抱きしめた。



「…真由ちゃん、僕、死にそうなくらい、嬉しい。」



「…うん!」



優斗の温かさに包まれて、


チョコレートの香りに包まれて、


真由はとても幸せだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ