表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

2 生贄の少女

第2話です。

大人になった僕の話です。

よろしくお願いします。

 僕がその小さな村を訪れたとき、一人の少女が生贄に選ばれていた。


 殺気立った村人から何とか話を聞き出すと、少女は村で流行った病を治すため、薬草を取りに竜の住む聖域に入ったらしい。

 少女のおかげで村人たちは助かったのだけれど、聖域に入った少女を生け贄にしなければ、この村が竜に滅ぼられてしまうと言う。


 村を捨ててみんなで逃げればいいと僕は言ったが、子供や老人もいる上に、宛てもない村から逃げた先で暮らすことができるかもわからないから、話し合いで認められなかったと村人は苦々しげに言った。

 その村人は逡巡するようにしていたが、僕に近寄ると小さな声で少女を連れて逃げてくれないかと言う。

 そんなことをして大丈夫なのかと聞くと、命の恩人を死なせるわけにはいかないし、生贄がいなくなればみんなも村から逃げざるを得ない、と村人は覚悟を決めたように言った。


 

 僕は生贄の少女に近づいて、ここから連れ出してあげようかと聞いた。

 少女は笑って必要ありませんと言った。

 僕は村から立ち去ることにした。



 竜は獰猛で、僕を見るなり襲いかかってきた。

 説得しようとしてみたが、人間の言葉は通じないようだった。



 誰かに揺さぶられて目を覚ました。

 眠ってしまっていたらしい。

 生贄の少女だった。

 僕は起き上がると一本になってしまった腕で竜の屍骸から角を斬り落とし、村に持ち帰るように少女へ渡した。


 立ち去る僕に少女は泣きながら声を掛けてきたけれど、その泣き顔は前に見た笑顔よりもなんだか素敵に思えた。

なぜ生贄に捧げるのかを補足します。


竜は自分の縄張り(聖域)に入った人間を仕留めるまで暴れまわるため、

村人たちは苦渋の選択をしました。


誰も好んで村から去りたくはないが、少女を生贄に捧げたくない。

そんな村人に自分の身を差し出した少女でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ