1 刑場の騎士
二作目です。
努力する人や頑張る人が報われてほしいと思い、報われる話を作りたくなりました。
その日のことは今でも覚えている。
普段は陽気な父が朝から椅子に座ったまましゃべらず、僕はなにか怒られることをしたのかもしれないと思い、黙っていた。
母も不機嫌そうで、居心地の悪さに泣き出しそうになったが、昼前になると父は勢いよく立ち上がり、僕の手を取って、これから出掛けると言った。
父に連れて行かれた先は広場に作られた処刑場だった。
広場には、今まで見たことがないくらいたくさんの人がいた。
処刑が行われる日は、絶対外出するなという父が僕をここに連れてきたので、なにか重大なことが起こるんじゃないかと子供心に感じていた。
そして、一人の男の人が兵士に連れられて処刑場にやってきた。
その人は逆らうそぶりも見せず、大人しく台の上で手や首を固定された。
処刑をされるようなことをした人は、誰からも汚い言葉を投げ掛けられるのに、その人に向かって、汚い言葉を吐く人はいなかった。
みんな静かに黙っていた。
泣いている人もいた。
領主様が難しい言葉でその人が犯した罪を言った。
言葉が難しくてよくわからなかったけど、領主様を見ているとなぜだかすごくつらそうにしゃべっているように見えた。
その人は何も言わなかったけど、優しい笑みを見せた。
その人の首が刎ねられた。
広場は静まり返っていた。
しばらくすると父が僕の頭を抱えて、あの人は私たちのために大切な命を落としたんだと言った。
父が泣いていた。
僕も泣いた。
みんな泣いていた。
お読みいただきありがとうございました。
5話程度で完結の予定です。
拙い文ですが、引き続きお読みいただけたらと思います。
1話を500文字~1000文字で書こうと思っていますが、
2話から大人になるため、言い回しが変わる予定。
「報われる物語」と言いながら、この騎士さんが報われていない気がします。
すみません。
この騎士さんの設定はありますが、作中に載せる予定はありません。
思うように書けないのが悲しい・・・。




