第4話 奇跡
ザーーー………
雨が降ってきた……
キニンが天候を見て言う。
キニン「一旦あっちへダッシュするぞ。」
トラニンがいる方の逆方向を向いて言う。
「なんでだ、!いち早くあいつに攻撃を、!」
キニン「いいから来い!」
「……わかりました、」
一旦従おう、この世界に慣れてるのはどう考えてもキニンの方だ、
トラニン「俺の速度に追いつけるとでも思ってんのか?」
「おい、!追いつかれるって!」
キニン「信じろ。草食の団結力を。」
森を駆け抜ける。
トラニンは、俺らの後を猛スピードで駆け抜けて来る。
木と木の間をくぐり抜ける。
「いでっ、」
やばい、ずっこけた、!
キニン「何やってんだ、!立ち上がれ!!」
「ごめん、すぐ行く、!」
あ〜もう、早々に足手まといか…?俺、
若干、体力も……
こいつ…早い…、…
ガサガサガサ…
ガサガサガサ…
周りの草とか木が揺れてる、なんかやばい…、
地面も揺れてるみたいな感じだし…
地震か…?こんなときに、?!
キニン「もうすぐ草原だ。走れ!ひ、っ、走れ!!」
キニンに言われた通りに駆け抜ける。
トラニンとの距離は10メートルほど………
もうだめだ、追いつかれる、!!
ビカッッッ……
急に光が差し込んできた。
草原だ…!
パカッパカッ
トタットタッ
「えええぇえええええ!?!?!?」
周りを見渡すと、大量の草食動物が猛ダッシュしている。
首が長くて辺りが見えやすいキニンがダッシュしたことで、周りの草食動物は敵が来たと思ってキニンの方向に逃げ出すんだ…!
トラニン「ちっ、そういう魂胆かよ〜!」
キニン「サイ族!いけ!」
ドダダダダダダ
サイと何かのキメラたちが一斉にトラニンに向かって猛ダッシュする。
トラニン「っあぁっ、くそ、くそっ!死ね!
「いいぞ、!キニン!……でもちょっと…体力が……」
キニン「俺に乗れ!」
「ありがとう、!」
うっっ、乗り心地は良くねぇ…
けど、!力尽きて死ぬよかマシだ、!
キニン「サイで巻けた。あの洞穴に逃げるぞ、!」
「わかった、!」
キニン「サイ族たちの犠牲…無駄にはしない。」
「犠牲………」
やはり…誰かが逃げるのにも誰かの犠牲が必要なんだ…。
あぁ…慣れねぇ…この世界の摂理に慣れねぇ…
慣れないといけないのに……
急いで走る。
キニンが猛スピードで駆け抜ける…
猛スピード、猛スピード、速い、速い、速い、速い…!
あっ………
俺は自分を支えきれずに、そのままキニンから落ちてしまった。
キニン「なっ、おい!大丈夫か!」
「うっ………いててて、」
ドカドカドカドカ
っぁぁっっ!!!!死ぬ死ぬ死ぬ!!
後ろから来るいろんな動物に踏まれて…
ミンチになるっ!!!死ぬ、!
っ……誰も…助けに来ない…
後ろからトラニンも襲ってくる………
じきに俺も餌になるんだ…
じゃあな世界。俺、こんな雨の中…あっけなく死ぬんだな。
トラニン「やっとだ…ヒトよ!俺の餌になるがいい!!!」
『いい子だ…いい子だ………。』
ドガッシャーーーーン………。
トラニン「アガガガガガガ……」
バタッ…。
「………は…?」
トラニンがちょうど雷に打たれた、
そんで倒れた、!
「死んだ…、のか…?」
キニン「…うそだろ、?あぁ、ほんとだ死んでる…!」
「やった…!やったぞ!!!」
キニン「こんなとこで死ぬなんてな…!」
奇跡だ、奇跡に近い!
それと…一瞬何かの走馬灯を見たようだが……
全く見当もつかない…あんな記憶、俺にはないぞ……?
……まぁそんなこと考えてても仕方がない。一旦、どこで寝るかを…
「なぁ、泊めてくれないか?キニンの家に」
キニン「あっ、いやすまない、今家が片付いて無くてな、ほかを当たってくれ…」
「そうでしたか、わかりました。」
ッッッッ野宿確定!バンザイ!!
もう、こっから仲良くなる奴みんな死ぬってオチなんだよどうせ!
……キニンの方いったらキニンが死にそうだけど!
まぁ…別に慣れてないわけじゃない…
生物が死ぬってのは…当たり前なんだ。
いつでもどこでも死は死。
「仕方ない」で振り切ることしかできない…。
後戻りはできない…。
もしもあのトラに、愛する妻がいたら…
子供がいたら…。
親族からしたら、「彼は雷に打たれ死んだ」なんてこと…情けなくて口にも出せないだろうな…。
…だがこれは天罰でもあるだろう。アルマニンとペリニンを殺し、サイなどの草食動物を投げ飛ばし、俺のことも殺そうとした。
こいつは肉食の本能で狩りをしているのではない……
それとそうだ…!俺、トラニンに殺されかけたとき…記憶にない走馬灯もみた…
あたたかい腕のなかで、男の人が泣いていた…泣きながら、俺に向かって「いい子だ」
と連呼……
なんだ…なんなんだ…!考えれば考えるほど謎だ……
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横たわり泡を吹くトラニンに向かい一礼。
生物はいずれ死する…
この摂理を深く理解しているようだな。ヒトは。
「こいつら」は……やはり殺さなければならない。私もろともな。
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