第2話 弱肉強食
ウシニンの家…一旦ここを俺の家にしよう。
あのネコを見るに、俺のことを食おうとはしないっぽいな。
……そういや、キニンは…?あいつは生きてんのか??
家がわかんねぇ…くそ………
この世界で…俺、何の役にも立てねぇじゃねえか…
自分がなんのキメラなのかがまだわかんねぇんだ…何決定的な物があれば良いんだが……
??「あの〜、ごめんください。ウシニン様の家で間違いないでしょうか?」
誰だ、声がする……女性の声…
「ウシニンの家ですが…何かありましたか、?」
ペリニン「ペリニン宅急便のペリニンと申します。ウシニン様宛に、一通お手紙があったので、届けに参りました。」
「あ、ありがとう御座います、………ええと、今ウシニン本人が風邪引いてるので、そこに置いといてもらえると嬉しいです……」
ペリニン「かしこまりました。では!」
バサバサ…と羽音を立てた。
恐る恐る手紙を見てみる。
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一人の生活はどう?
とてもじゃなくとも寂しいでしょう、
この頃とても暑くなっているからね。
ろうそくにも気をつけて!
背中を焼いたあなたをもう見たくはないわ。
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………ウシニン宛て…
ろうそくで背中焼いた…
誰だ、誰から来たんだこの手紙は…
もうあのペリカンは飛んでった…。
誰から来たとか、誰に向けてとかが一切書いてない…。
あぁぁぁ…謎が深まるばかりだ…
世界のこともわかんなければ手紙の意味もわからん…
とりあえず考えなくていいか…。
外に出て気分転換しよう。この世界を理解するために。
意味わからん植物、鳥の鳴き声を出す虫、空飛ぶハイエナ………
ほんとにキメラしかいないんだな、この世界は。
俺が何のキメラなのかもまだ発覚していない。それを見つけるためにも、早く何かを探さないと…。
うぉ、気持ち悪…!
……こいつ、多分ミミズと何かのキメラだ………
なんのかはわからんが……ミミズが強すぎる…。とりあえず拾っておこう。釣りができるかもしれない。
あー……、にしてもあっちぃ……
でも植物がでっけぇから、空気はうまいな。
ゴツンッ
ってて……何かにぶつかった、なんだ…??
??「んぁぁ………いってぇな…誰だ??」
「あっ、いや、ごめんなさい、わざとじゃ、」
目の前にいるのは、アルマジロのように丸まっている人間…。
アルマニン「おめぇいい度胸してんな、このアルマニン様を蹴っ飛ばすとはよぉ!」
「いや、ちょちょちょまって!ちがう、!わざとじゃないんだって!許してください!!」
アルマニン「気持ちよく寝てたんだ…………邪魔しやがったな………」
ヤバイヤバイ………なんか渡さないと、…あっ、
「あっ……えと、はい…!これ、ミミズ……なんですけど…、…」
アルマニン「………ミミズ、?」
「食わないか…?」
アルマニン「しっかたねぇ野郎だな!今回のことはなかったことにしてやるよ!!うめぇぇ!!!久々に食ったぜ!!」
「………いい食いっぷりだな、」
アルマニン「へへっ、俺、食うのが好きだからな!この世界は弱肉強食。生命を喰らう快感は、人一倍好きだ!」
「そうなのか、」
アルマニン「お前、何のキメラだ?言葉をしゃべる以上人間と何かのキメラのようだが………」
「それが、俺にもわかってなくて…。」
アルマニン「そうか、わからないのか?そんな奴がいるんだな。確かに見た目じゃあわからんもんな。」
話してみると意外といいやつっぽい、こいつ。
「その、ウシ頭とキリン頭のやつに拾われて、、、どうやら俺、海がスタート地点だったみたいで、運よく生き残って…これって感じです。」
アルマニン「そうなのか………ウシ頭とキリン頭…。ウシニンとキニンのことか?」
「そんな名前だった気がします、」
アルマニン「………ウシニンは昨日の夜殺された。」
「ええ、そうですね…、」
アルマニン「………ウシニンが死んだことは知ってるのか……」
おい待てよ、なんでこいつがウシニンが死んだこと知ってんだ…?
殺したのはあのネコの野郎のはずだ、
「お前、何か知ってるのか…?」
アルマニン「お前こそ。なぜウシニンが死んだことが分かっている。」
「だって俺を保護して、うちに連れてきたのがウシニンだったから、キニンは知らねぇ…家が違う場所だったんだろう。」
アルマニン「そうなのか………。そうか、お前は「家」がないから、誰の訃報も聞くことができないのか。」
「やっぱ家が重要なんだな?自分で建てることに意味がある……」
アルマニン「謎のキメラさんよ、俺も同じ。家がねぇんだ。」
「家がない、?さっきと言ってることが逆じゃないか、家があるから訃報を聞ける…お前はなぜその情報が手に入ったんだ、?」
アルマニン「俺は家がないから、確かに誰の訃報も聞くことができない。だがな、俺は顔が広いんだ。だれが死んだなんて情報は、マッハで入ってくる。」
「そうなのか……」
アルマニン「俺が言えたことじゃないが、家を建てるのが一番賢い。ペリニン宅急便は、勝手に家っぽいとこがあったらそこに届けるからな。」
「ふむ………」
アルマニン「じゃあな。俺はここいらでお暇させてもらうぜ!」
そう言い、アルマニンは颯爽と去っていく。
その瞬間、目の前に猛スピードで駆けるなにかがアルマニンを追いかける。
駄目だ、アルマニン!走れ…!
「おい!危ない、!避けろ!!!」
アルマニン「あ、?」
ガリッ………グチャァッ……
すたたたっ…
聞くに耐えない音、バカみたいな速度で横切る何か………一瞬そいつと目が合った気がした…。
音しか聞こえなかった……しかし…あれでアルマニンが死なないとは考えにくい……
どちらにせよ、そこにあったのは血溜まりとアルマニンが落とした硬い殻…のみ。アルマニンは…殺された……
二日目にして、眼の前で生命が散ったのは2回目だ……弱肉強食…くそ…これに慣れた頃が…一番怖いな…




