水鏡「栄華の刻 4 アンチテーゼ 惑星」
「我が同胞を喰らいし悪よ。我が祈りはその物達の貴方による支配でも構わない。しかし、私の意志を継がぬ俗物に用はない。とどのつまり、我は貴方による支配を実行されようとしている事を理解している」
この言葉は場を荒らされている人ならざる神々しい光を纏った異界の存在が自分の領土を守る為に放った一言だ。彼女は自領の民と異形の大きな畝りに囚われる同胞を守ろうと自らの翼を広げて、場を掌握しようとしている。彼女の同胞は大きな畝りによって生み出された血脈の樹に同胞を取り込まれ、彼等のシュシを帯びている。
「我が子が大切に思わぬか?」
畝りは蒼き瞳が大地に鎮座し、尖兵は多く飲まれ、シュシにされる。
「我が子と思えぬ存在を我が子と思えぬ」
勢い増す降りたった尖兵は槍を見せる。彼女は自身の翼で編んだ槍を取り出した。
「それはなんだ?我が車輪に棘は必要ない」
彼等に槍という概念は無い。何故なら包丁を彼等の世界で使ったとて、渦になり、無意味だからだ。
「放つ」
降りたった尖兵はそれを大きな渦に放った。それは車輪の力浮上者に、彼等は放った。主人の同胞が自ら放たれたのだ。血脈の樹にそれは着地し、同胞は屈強なまでに、大きな渦を止める。まるで、止水だ。
翼によって生み出された「異形」が彼女の骸の解析にかかる。それが降りたった尖兵の戦略だ。彼女は偽装を、虚飾を蒼き瞳に映る形で、「車輪の力浮上者」に命中させた。
彼等によって、ネツリキが彼等の行動原理として利用されていると解析が終わり、場の血脈が凍るように、凝固するが、氷ではなく、岩になった。彼等は既に、降りたった尖兵の戦略に陥落した。
「毒こそは我が瞳に止水の天井からこの虚飾の永劫から我々は貴方を彩る準備ができている。」
と勝利の原初的な喜びを降りたった尖兵は噛み締めた。
ーーーーーーーー彼等の時代は動いた。




