帰郷への開拓路 11話 「通じる為の対価」
トート=ヤシェル この「ヤシェル王国」の王である。
トート「アムル様が何故手を下さぬか?マモン…貴様には話そう。大地の大主である“シュブルス”に使えし魂の名である貴様の強さ。彼等天上の存在が見守り、功績を上げるのを待望の眼差しで見届けているのだろう。」
マモン「承知しました。」
トート「貴様もその位置にあると心得よ」
?「御意」
王国の辺境の地近くの水の聖域の間で、2人は跪き、続いて、領主の身分の錬金術師と魔術師が続いて跪く。トートは後ろにある後光で配下を照らす。
ーーーーーー宿にて“残飯”との試合後、数刻ーーーーーー
ギークの回復は思ったより早かった。それが錬金術師の感想だ。何故なら、地域の守護者に抱えられている最中に目が覚めたからである。
ギーク「俺が倒れるかのか…?まぁ…3日も倒すのにかかった相手を数秒で蹴りをつけるのは上出来…か?」
周囲の錬金術師は驚きを隠さなかった。
錬金術師「ダインアーツの運用見事でした。ギーク様…こちら約束の報酬になります。」
宿屋に着いたギークは報酬を受け取る。自ら歩いて宿に行くギークは周囲をさらに驚かせる。
錬金術師はコクーンとマナを渡す。そして、布に包まれたダインアーツも渡す。
錬金術師「今の戦闘の知見より、運用方法の最適なやり方をこちらでまとめておきますので、それまで、運用は慎重にお願いします。それではまた」
錬金術師は宿の部屋まで案内して、ギークと離れる。その後、ギークは部屋に入ると少し足を挫く。
ギーク「ちょっとまずいよこれ。軽く調子が悪い」
(何故だ?身体があまり自由ではない頭が痛い)
1人呟く。そして、椅子に座って、落ち着こうとするが、焦燥感がギークを襲う。“ユミに会いたい”その不安が大きくなりつつあるのだ。ユミが花畑で舞っている想像をしてしまう程に限界に近い意識状態だ。
ギーク(寝るのも健康には良い休もう。大地の主、シュブルスが、精神を安定させてくれるはず、それしか考えなくて良い)
シュブルスとは、一般的な魔法陣を展開した時に魔物を浄化する地の下にいる主の名前だ。魔法陣以外にも、“夢”を見るとは、シュブルスから意識の浄化を行うことである。というのが常識。つまり、ギーク、彼は単純に寝るのを優先する。
ギーク(夜は魔物が活発になる。しかし、俺らは太陽の下でしか活発ではない者が殆どだ。その理由は単純にシュブルスが我々を癒すのに労力を割く。それ以外に答えはない…ユミ…何をしているのだろうか?そもそも、ここまで不安になるということは生きているのかさえ分からないかもしれないが、確実に生きてはいそうだ…)
ーーー同時刻ーーー
「くそ!こいつ!私は帰らないといけないの!」
ユミは1人で野営をしていた。そこは湿地帯で、役に立つ薬草も少ない中で最悪の存在に遭遇する。この湿地帯にいる存在で最も旅人を屠る存在、“エニグマ”だ。討伐対象外として放棄される程の恐ろしい存在で、ユミは入念な準備を旅の通貨を消費して遭遇しない対策をしていたが、目の前にいるのはその恐れていた相手で驚く。
ユミは家のある水の聖域に帰る途中であった。
ユミ「ギーク!無事でいてね!私やばいかも…せい!」
ユミはその6本の足を持つ強靭な爬虫類のような姿のエニグマの頭に一突きし、華麗に後ろへ交代して、焚き火の炎から身を消す。
湿地帯の中でも草むらに囲まれた場所で焚き火をしていたが、ユミは簡単に見つかってしまったことに不可解な疑問がある。そして、自分の脚力がいつもより、遅い。そう、足の形に最適な踏み込み方法で湿地帯を駆け抜けて逃げようとするが、エニグマは早い。6本の足でこちらに追いかけてくる。顔は蛙に近い。
ユミ「あっ…!」
ユミはあっという間に、エニグマに追いつかれたと思ったが、足をエニグマの舌で持ち上げられて足を巻き付かれる。
ユミ「…!」
ユミは持っていた槍で、長い伸びたエニグマの舌を斬るが、エニグマは距離をさらに縮める。
ユミ「このぉ!」
ユミは槍でエニグマの顎から頭を貫き、走る。エニグマは体をバタつかせてユミを見失う。しかし、ユミの足に毒が入ったような感覚が襲う。
ユミ「まずい…えい!」
ユミは自分の足を切り、再び再生させ、足の違和感を取り除く。




