帰郷への開拓路 8話 「マガ鍋とは?」
マガ鍋は各地によって特性があり、全く異なることがほとんどだ。
この地域「スモク」では最も簡素な圧迫式のマガ鍋が主流だ。硬い金属らしき甲殻で覆い尽くす外生命のエネルギーを置換する最中だ。例の蟹型の魔物を討伐した際にいた残物を圧迫式のピストンで中央に集めて、まとめてすりつぶして、“マナ”もしくは運が良ければ“コクーン”にする。
マモンはその場所の備え付けである火風呂にギーク入れに来たのである。
ギーク「マモンさん。今回はどんな前払いで私をこき使うってんだ?」
マモン「私の試作の武具のテストを行いたいです。そのためにアムル様よりギーク殿にしか成すことのできない諸行である。とのことなので、義務だギークよ。報酬も豪華だ。マナと先ほどは言ったが、“コクーン”も出る持ち帰らないのは不敬だ。ギークよ。」
ギーク「コクーンって!まじかよ!見せるだけでも武器百本は商人がチラつかせるぞ」
ギークは驚く。歓喜の喜びが温帯地域の様な気分になると、火の療養など、必要がないと感じさえしてしまった。
マナの単位のさらに上の通貨がコクーンだ。細長く、マナより丸くない“発芽しない種子である。
マモン「それ、罪人が流れ着くぞ!ははっ。まぁ、此度の戦を理由に人々を監禁し、人々に何やらよからなぬことを企んでいるという恐ろしい奴らですよ。イェル様の最後の仕事の二つ手前。」
マモンは悲しげな顔で私を見つめる。しかし、軽く笑うふりをするのは“ギークより下手くそだ”
ギーク「その罪人が堕ちていく様を見ながら俺は火風呂に入れってのがまた人の心がねーよな」
軽口を言いながらギークは語る。しかし、彼は真剣なのだ。妻との愛の巣が壊れた確証を歪めたい。その気持ちでいっぱいだった。
マモン「皮肉ではなく、哲学でもなく、限定的にあなたの体の部位を癒すのです。」
ギーク「分かった。」
マモン「しかし、このマガ鍋も古い型式として落ちぶれてしまいましたね。新しいマガ鍋はつい最近の祭りで公開されましたからね…このマガ鍋の発案が議決と実行が行われてから随分と時が経ちますが、その時のあなた様は素晴らしき剣技で、圧倒されていましたな。わざと負けたことでさえ、美しい散り方でした。」
マモンは罪人たちの方角をみて、憎らしさと隣のギークへの称賛を目に込める。
大きな大理石ののような床の2階を二人は歩く。火柱が上がる部屋の隣を横切る。そこに、チラチラ二人を見ながら人々は中に入る。
ギーク「余興に、人の感情のルールを無視した行動はなしだよ。わざと負けるのも、それだけだ。そして、マモン、案内する場所がここで間違いがなければ、“その行い”を改める気はなさそうだな。」
マモン「ご明察だが、君のルールと私のルールより勝るのは“公正な判決だ”私は君に頼み事をしよう。改めて、火風呂へごゆるりと…」
そういうと、マモンは大きな扉を閉じる。ギークの眼下は処理される魔物や、罪人の蠢きだ。
マモンが案内した先は錬金術師、もしくは魔術師でも一級の腕前を持つ存在しか入れない場所である。特別な席だ。ギークは背もたれが心地よい椅子に座り、炎に包まれる。
眼下ーーーーーーーーーーーーー
いいか?これで最後だぞ?洗いざらい話してもらったのは誠だと、アムルは許そう。
そう錬金術師は囁く。
円形状に囲まれた石造りの火吹きの建物は罪人たちを余興の為の玩具にするようだ。
バラバ「おい!話を聞けって!俺は何もしてない!やったのは奴らだ!」
ロイ「お願いします!」
オリオン「無駄だ。受け入れるしかない。この触手は俺たちが大好きらしい。抱きしめないとっね」
罪人の名を覚える必要がない。“外輪の眼よ”しかと見よ。
錬金術師はマモンの合図で恐ろしい触手がある分解装置のある下に人々を足で突き落として、人々は叫びながら、全身の目隠しと、腹、腕、手首、足、全てを縛られた状態で、堕ちていく。
オリオン「うげぇえええええ!!!!」
罪人は口から大量の蛆虫を吐き出す。やがて、背骨だけになってしまう。それが縮み始め、繭の様な形状を帯びるコクーンだ。
触手は彼等、罪人の他に、甲殻類の魔物も投入され、魔物はハサミで引きちぎる様に触手に抵抗するが、触れられた部位全て、球状態の芋虫へ変わり果ててしまう。真ん中の構造へ、蟻地獄の如く、全てが引き寄せられ、水が押しよせる。濁りのない、綺麗な水だ。
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ギーク「さて、俺はそろそろ見てられない光景だし、目隠しして寝るか」
ギークはいつもの様にくつろぎたい。叶わない夢はない。ここにマモンが置いていった目隠しがある。




