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帰郷への開拓路 7話 「酒と“準備?”」

ギーク「容易い。」

彼は酒を飲んで、宿屋の近くの酒場で酔い潰れている他人を前にして、酒豪対決をする。彼の飲みっぷりに周囲は驚き、騒めく。ギークは長い宿までの道に疲れ果て、宿屋で酒に溺れる。

「へっ!何がそんなにこんな勝負に、ヒッ…く…金かけてまで勝負する必要があんだよ!!ヒッ…俺だってあんたより、まだいけるからな?」

相手はかなり酒に酔っている。

ギーク「あ?あんたが喧嘩をふっかけてきたんだろが?俺の妻が戻ってこない変な臭いする野郎だって挑発したのはそっちからだろ!?馬鹿にしやがって!子供がいることがトロフィーじゃねぇんだよ?…分かったか?おやっさん!もう一杯!」


容赦のないギークは追加で酒を頼む。


マスター「あいよ。それより、あんた、この宿は昨日からいたんだろ?他所者だからって調子乗ってないで大人しくしてくれよ。来店したの10年は前でしょう?」

酒場のマスターの宥めの返事をギークは軽く手で会釈して、返す。相手は妻がいることを自慢して、ギークをこけにした、この世界では、家庭を持つことはステータスになりやすい。喧嘩の好きそうなその相手は酔い潰れて寝てしまった。


マモン「これこれ、ギーク殿、これ以上酒を飲ませると人様が口から虫や小動物を吐き出してしまいますぞ?あまり良いことではないです。その分、体は楽になりますが、飲み過ぎは怪我でもしたら花か動物ですぞ?」


ギーク「しかたないなぁ〜」


マモンもギークの酔っている勢いは毎回普通ではないと感じており、元気なギークを宥めて宿に送る。


マモン「今宵、マガ鍋にて、新たに捕縛された魔物の“マナ化”を行う。私の新たな試作の道具の実験へ協力していただくけるなら、その賞としてギーク殿にそこで生成したマナをお渡ししましょう。」


ギーク「おぉ…いい話だな…そのマナで道具も調達できる。」


この世界における “マナ” それは通貨の単位であり、マナ、次に価値が大きいいのが“コクーン”であり、錬金術師が錬成する“発芽しない植物の種子”である。これを交換して、人々は生業としている。この量で国の価値が決まる。


この惑星には三つの国があり、「ヤシェル王国」、「エゼル王国」、「ヨウハ王国」…この惑星で国境を争う小競り合いはない。彼等は知恵比べを代わりに行う。その際に、どれだけすごい国として活躍を行ったかどうか?それがこの「マナ、コクーン」を用いて税収された数値を神「アムル」へ評価されるのだ。そして、その一定期間で評価された「知恵、知識」を「密舞台」で三国はアムルの再審の元で享受される。そして、この国、「ヤシェル王国」の辺境の宿に、王である“トート=ヤシェル”が平然と夜道に灯を点けて、宿までの道を歩いている。


ギーク「やけに兵隊が多いなあ…」


マモン「それはギーク様、あちらのお方の姿が見えないからでは?」


ギーク「知ってるけど、知らないふりも目に優しいのだぞ?マモン」


マモン「王の御前でその様な態度が許されるのも私の耳の前でくらいですな。」


ギーク「冗談でしか喋らないのはお互い様だ。旗印も、祭事の際に着る白装束も着てない王への計らいだ。宿に戻ろう。」


マモン「ギークさん。実は王命でお預かりしていることがありまして、次の街の“スモク”にて、やっていただきたいことがあります。」


ギーク「分かった。王命ってのは荷も重い。服従するよ」

二人は宿の中で別々の部屋へと休みに入った。


ギークは手持ち無沙汰を懸念し、宿場町で装備や道具を整えることを優先することを考え、就寝する準備をする。

「ユミは元気にしているのか…?胸騒ぎはしない…しかし、考えることは一緒か。あいつもそういう感覚を持ち合わせているはずだ。これは胸騒ぎではない。」

ギークは一人、宿屋の簡素な部屋で、香を炊く。そして眠りにつく。


ーーーーーー


マモン「トート様、誠によろしいのですか?」

眠りについたギークを他所にトートとマモンは二人密談を宿屋にて行っていた。


?「私は紛れもなく、オフェルの生き様を受け継いでいる。貴殿は私のことや行動を容認していれば良い。」


彼は布で隠された姿しか見えないが、大きな翼を持っていた。その布の先をマモンは軽く覗き、その御仁と握手を交わす。


トート「マモンよ…許せ。アムル様は我々を裏切らない。エラ様も宇宙に旅立たれた。アムル様へ謁見するためだ。」


?「頼みますぞ。マモン殿」


彼等の睡眠時間は少ないが、問題はない。より純粋な体は睡眠をあまり必要としない。


ーーーーーー次の朝


マモン「ギーク様、それではあの街道を1刻ほど歩きますと、私どもの管理する、古い型式のマガ鍋ですが、錬成された炎にて体を癒すことが可能ですぞ。」

マモンは宿から遅く起きて出たばかりのギークの眠そうな顔を気遣いもせずに、案内する。


ギーク「今は俺、傭兵で、非番でもないのに狩人様の朝は早いな?いや、マモン。あんたは錬金術師だからもっと遅いのでは?まだそこまで経ってないぞ?早起きは関心だな。俺は狩人の道具屋に行きたい。寄り道をしてもいいか?」


マモン「…あいかわらず、気ままですね。本日の時間を圧迫しない限り可能ですよ。」

渋々、マモンは怪訝な顔をするが、了承する。彼の体が屈強だからそれを信頼しての狂気の暗黙の了解だ。


ギーク「火風呂は割りかし俺に効果が無さげなんだ。っていうのは言い過ぎかもしれないが……ユミが心配なんだよ。妻を守る勤めは道具がなければ始まらない。」


マモン「時間に物理的な要素はないでしょう。っていう冗談を私は本気にしましょう。」

マモンは微笑み、答える。


ギーク「ありがとう。マモン。君は優秀な盟友だ。」

苦笑がマモンを称賛した。

ギークは宿から宿場町の商店街に行く。それに、マモンは付いていく。商店街の人々の半分は獣人であった。決して少なくない様で、ほとんどの商店が果物を売りにしているが、車輪のマークが入った暖簾の店にギークは入り、人々の目線を少し惹きつける。彼は“戦える”ということがわかるからだ。


店主「おやおや、英雄さんじゃないですか。“獣ならず者”の旦那の方。」


ギーク「最近の突拍子もなく聞ける噂やネタはあるか?」


店主「驚いた。マモン様ではありませんか。」


店主はマモンの顔の前にある車輪の黄金の装飾の入ったのと、腹の装飾を見て判断する。


マモン「今回のネタは話題に対してじゃない方が、私は嬉しいですよ」

マモンは微笑む。

店主は目を泳がせるが、二人を見て、答える。


店主「エゼル王国の“大守護者の聖域”が恐ろしき慕われていた英雄の裏切りと罪により、急襲で混乱しており、拍子抜けした兵士が武器と道具を換金しに来ました。おかげで、マナとコクーンさえ私の手持ちには少ないです。ぜひ、種買ってくださいな。」


ギーク「じゃあ、その話の種子に免じて、少し高くて、一番濃縮する期間が長い酒呑根の種子に、槍を一本くれ。あと、木の聖域の果物があれば欲しい。」


店主「太っ腹ですね。お客さん。ありがとうございます。」


この世界の武器は槍が主に必要である。自分の手に、“槍先に塗った毒”が自信に触れない様にするためであり、その“毒”は主に聖域で生産された種子である。


ギーク「おっと、忘れてた。例の手袋も頼む。あれも消耗品だからな。槍は自分で選ぶよ」


毒を塗るための手袋だ。毒は人類が死ぬわけではないが、手が“荒ぶる”のだ。獣人に触れればさらに危険だ。普通の人に戻ってしまう。荒ぶるとは手から虫が落ちたりすることである。皮膚がそうなってしまうものがたまにいる。そして、その手袋と同じ素材でできた包み紙に、店主は商品を入れ、ギークはマナを渡し満足そうな顔で買い物を済ませる。鉄で作られた棒の中にも毒を内包できるごく普通の古い形式の槍を買う。


マモン「しかし、あなたにはあの“杖”があるのに、また槍ですか?なぜ?」


ギーク「使いやすいからだな。」



マモン「それでは、癒しの炎に参りましょう」


この世界の人々は火を浴びる文化がある。炎は人々を燃やさず、逆に療養方法として、最適だからだ。温泉の様な感覚である。


ギーク「その後、何かさせる感じだろ?」


マモン「昨晩申し上げた通りです」


ギーク「その前に酒を一杯だけ…」


マモン「よろしくないので、よろしくお願いしますね〜」

マモンはフードをわざわざ商店街の通りで外して、微笑む。


ギークは怪訝な顔で返事をする。


ギーク「フードを被ったら承諾する」


マモンはフードを被る。そして、商店街から浴びせられる奇異の目を避けた。

魔術師は権威を見せびらかせるのを集団への威厳としているのだ。


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