帰郷への開拓路 5話 「テーゼ 回帰 人々と繋がり、帰る場所」
彼等は天の使いだが、もし彼らが目先の欲望に駆られて主人の意向を無視し続けたら、人々はどうなるのだろうか?
奪われるか? 崩壊するのか? 名を忘れるほど知性をなくすか?
どれだ?「選べ」と言えば自由意志を持つ「運命の設計図」は見境なく滞る事なく、喰らい尽くす何かに飲み込まれるかもしれない。
ここで、イェルの命に関する雑学を置こう。
「それは彼が作り出した命の結晶である彼自身で編み出された杖は錬金術師の道具と、編み込まれた他の存在への干渉は良い材料になった。
彼は至って善良であるが故に命を賭す価値があった何故なら、悪は存在を寄せ付けず、善良な精神は繋がりを多く持つ。我が一部の享楽は素晴らしい」
とアムルは賛美しただろう。
加速器とは面白そうな装置だな。
外輪の眼より
ーーーーーーーーーーーー
ギークは驚きと歓喜が訪れるような感覚が同時に押し寄せる不思議な感覚を覚える。
「おじさん!行くよ!こんな虫!私でも倒せるから、おじさんならその経験値で何とかできるでしょ?」
ギーク「よくこんなに古株のロットの私を助けてくれたな。ありがとよ。人類様の為だ!で?何をすれば良い?」
彼女は全く知らない女の子だった。集落と言ったら人数も絞れる。最初の地点で放棄した私の集落からだいぶ離れてしまったおかげか、その後から、見知らぬ顔が散っていくのをよく見たが、妻が無事か心配で、ギークはその杖に付いていくことに勢いを任せる。少女は2人に杖を渡す。これで、少女が2人とおじさん1人が最強になった訳だ。と言っても、全員歳を得る事ができないが、創造された順番が違うおかげか、ギークは2人に年寄りと思われる。行動で人は歳を感じさせられる。
少女は2人で“似ているロット”らしいが、私の妻の方が美しい。何せ、“階級”が違う。
「さぁ、おじさん。そして、もう1人の子も怪物やっつけよ」
ギーク「はぁ…やっとこいつら痛ぶれるわ。よっと」
ギークは黒い石を杖に巻き付ける。
もう一人の少女「私の方がいっぱいやっつけたよ!あなたもおじさんの前で勝ち誇っても意味ないけど!キラキラした花は私の方が多く散らせたよ!」
気づけば、周りに杖を持った女性が多く訪れ、黒い異形を片っ端から殴り、花のように散らす。これら花吹雪を撒き散らす行為が楽しくなってきたのか、いつしか、皆で競争をするような感覚で前進していた。
もう一人の少女「ギークさん凄い!かなり沢山お花が舞ってるね!…」
彼女達は踊るように、杖を振り回して、誰か大事な人を亡くしたのか、思い詰めているような感覚で踊り、殴り散らす。いつしか、ギークまでも花を散らすのが楽しくなり、鎮座する液胞までたどり着こうとしていた。
この世界では、「永遠」とは程遠いが、「永遠」をどう生きるのが正しいのか?花になり、散り、舞い、遊ぶのが楽しいのか、それは瞳に映る影が答えてくれると皆一様に集落の故郷の人間は答える。それはいつだって楽しいことをしていた方が良いという共通の弔いなのかもしれない。この助けてくれた少女は名を「イミュ」と語り、仕切りにさまざまな敵の倒し方を試したり、多種多様の戯れで、蟹を花吹雪と化した。もう一人いた一緒に助けられた女の子の名は「サンディ」と言い、イミュの影に隠れて小さくなっている様な子で、ギークからすれば幼すぎる。そう彼女たちの行動を見て思う。
イミュ「それにしても、怪物たちの襲ってくる中で天の使いの守護者は降りてこないね?ギークさん見える?雲の様な煙から微かに私たちの太陽の近くにある蒼き瞳の近くを眩く小さな粒状の光が…あれ多分天の使いでしょ?」
ギーク「見えてる…しかし、俺が思うに、奴らが介入してこない理由は複数あるが、今回、あの数の守護者が光を見せてるってことはだなーあの、あれだよ…言わなくてもわかるだろ?状況は思ったより深刻だと言うことだよ。例えば、あっちも大変だとかな?」
イミュ「おじさん。やっぱり、かなり歳重ねてるよね?」
ギーク「嗚呼、この地に降りてからの昔の記憶はある。俺には妻がいるんだ。その妻と共に、この地に降りた」
二人はそこそこの杖での武闘を踊りながら、会話をする。
イミュ「おじさん!結婚してたんだ!やっぱり変だよ。未だにそんな考え方して、楽しくない詰まらない会話だよ。どうせ、未来の話をしないでしょ…!何!?」
ギークは突然イミュとサンディを突き飛ばして、庇う。それは爆風からだ。突如として、雲の中から降り注ぐ、彼らだ。光の粒に見えた彼等は王国直属のソラ、エラ、イェルに従う翼を持つこの惑星の守り手だ。彼等は、弓を携えて、後方に大量の矢を運び苦しそうに羽を重そうにして浮遊する守護者が後方に並ぶ。
イミュ「やっぱり、来てくれるといえば、来てくれるのね?」
ギーク「とりあえず、伏せろ。これ以上の体の損傷は体が鈍くなる」
ギークはしゃがみながら杖を手首だけで動かして、近寄る敵を花化させる。
爆風を凌ぎながら、3人は爆風が作り出したくぼみに身を隠す。
翼を持つ守護者は矢を躊躇いなく、これでもかという程に“共鳴の荒者”に放つ。
そう、ギーク達は気づかずに、奴の本体の近くまで来てしまったのだ。
ギーク「何てこった!イミュ!とりあえず、ここは引くぞ!背中にもやばい矢の雨が降り注ぐなら、俺らも逃げるが勝ちだ」
そうイミュに警告するが、甲殻類が泡を吹きながら3人に襲いかかるが、その寸前、目の前を壁が覆った。それが人の様な影だとわかると、イミュとサンディはその男の背後を襲う甲殻類を蹴散らす。そして、その人の影は壁と屋根の様な障壁を展開し、3人を覆い、守るが、ギークは安心し、その人影の固い肩を軽く叩き
ギーク「任せた」
そう、一言放つと、ギークは杖を自身の腕で回転させ、手首の関節の骨を労わらない動きで車輪の様に高速で甲殻類をなぶり、花と散らせ、爆風の元である矢が飛んできたら、積極的に打ち返した。彼等「共鳴の荒者」の強さは何か?それをギークは恐ろしい光景を見て実感する。鱗で顔を覆い尽くした青く黒光する蟹の腕の様な部位で構成されている人型の怪物が奴の近くを跋扈していたのだ。それも大量に…ギークが気になったのは
ギーク「人型か…しかもこの量…少し形が違うが、我々の大地を踏み抜くには俺という小さな要を無視しないでからにしてほしいな。」
ギークは土まみれで、血を滴らせ、蔦を溢しながら奴らの急襲に杖を身構える。ギークは顔を自身の着ていた服の上半身を破り捨て、その布で覆う。
ギーク「こいつらを一発で倒せる自信がないが…泡への気休めはこれくらいだな。上裸ですら、妻の前でしか見せたくはないが、致し方なし…」
人型の甲殻類はギークに黄色い泡を吹きかけながら、触手を背中から伸ばして、次々と襲いかかるが、木々に囲まれながら爆風で倒れた倒木の残骸に、ギークは矢先を抜いた木の棒で自身の手を突き刺して、木を掴んだまま、その場で回転して、腕を雑巾を絞る様に扱い、もう一つの腕で杖を振り回し、怪物たちをその最初の回転で複数回殴って、ギークはちぎれそうな腕を再生させて、再び同じ速度で回転し、もう一度多段に殴る。一瞬の出来事だ。
人型の?「オカあさ…しわよせ…」
甲殻類の人型は鱗が剥がれ落ちて、多くが花として散るが、一体だけ、かなり痩せ細った女性がもう、人とは思えないほどの容姿をしている存在として、甲殻類の皮から現れ、ギークは泣きそうになる。
ギーク「やめてくれ!」
そう叫ぶと、爆風がいつの間にか止み、目の前を閃光が貫く。戦士ソラだ。目の前を虹色の花畑の景色が包む様な幻想的な世界を彼は光の剣で作り出す。
そして、ギークは妻の気配を何故か感じたが、違う機械の様な感覚…
ギーク「ユミか?」
エラ「あなたの奥さんは誘惑の光より輝く。そんな存在ではなかろうか?我が同胞の新たな姿を携え、有益に利用しているな。決着は着く。そう目の前をみて信じた方が良いかもしれないぞ?ケントウシャ…ふふ」
これまた、人を率いるのに長けている戦士のエラが背後に立ち目の前の痩せ細った人の臓物の様な人を輝く光と変え、エラは翼で、ギークに会釈し、微笑む。
綺麗な花畑が周りを包み込み、“共鳴の荒者”の残骸である大木を添える。
ギーク「妻が存命かわかるか?英雄殿?顔は広いからな…言伝はあるか?」
エラ「ギーク殿、貴殿は我々からも特別な存在に近い。ほとんどの命が“この荒者”の木へ還ることを望んだ。しかし、貴殿は生き残った。故に、顔の広さに免じて、暗示を授ける。“貴殿の鼓動が不穏として働いていなければ存命だろう”」
ギーク「分かった…甘ったるい言葉の癖は抜けていないらしいな。あんたの言葉…」
ギークは涙を拭う。そして、何故が、口から吐瀉物が噴き出る。




