表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/19

帰郷への開拓路 4話 「人々と戦、弓兵」


アムルは優秀な守護者の為の英雄だ。人々という骸の求める再臨時の進化のために必要な部品を失うわけにはいかなかった。守護者とは、この惑星において翼を持つ者たちの総称だ。


外輪の眼より

ーーーーーーーー



イェルは錬金術師と共にとある行動をとることに決める。


彼等は前線の矢を飛ばす弓兵が疲弊している状況や、戦況を鑑みた結果は悲惨だった。イェルの翼を広げて、アムルの加護を広げて更に、人々及び、複数の動植物の大切な骸のパーツだけを回収することくらいしかできずに、「共鳴の荒者」である「巨大な甲殻類」の液胞は次々と兵士を誘惑し、カオスな状況になっていた。


そこで、アムルに錬金術師とソラとイェル、そして、エラの力を借り、蒼き瞳であるこの惑星の原初のエネルギーの純度を高めて“何か”するとアムルは人々に伝える。


これを3人の翼を持つ勇者様方はこれ以上何も知らされずにいた。


それに加えて、下々の兵士も前線へ前進させられるが、あの液胞の前に倒れ続ける。そして、幻覚作用のあるその液胞の周りにはゾウリムシとカブトガニを足して2で割ったような奇妙な存在が鱗が落ちるように人々を飲み込んだ後、要らないものを排泄物を出すように吐き出す。その巨大な鎮座する蟹は脱皮を繰り返して、その皮が、小さな甲殻類共を生み出し、人々は絶叫し、バラバラになったと錯覚する者が続出し、辺りは野生動物で溢れかえり、蟹に近づくほど虫が多くなった。


アムルは人々に、勇者3人を通して、兵士にただ、足止めをしろと命じるのみだった。




ソラ「何故このようなタイミングで待機命令を出すのだ?」


彼が1番この命令に疑問を持った。しかし、彼に憤りなどなく、純粋な疑問故に出た言葉だ。彼は命令に従い、アムルを信じ、上空での待機をしており、イェルは翼での「」の回収を行なって、エラは人々を鼓舞した。


「まだ、幾らでも手立てがある筈だ。」


1人の兵士が忍ぶ。彼は勇ましくも、周りが怖気付く中で、動物と化す同胞も厭わず、弓を使い、必死に抵抗をしている。森の中は彼をまだ味方していた。木の上で彼は身を隠し、甲殻類を掻い潜る為の矢を持っていた。それは鉱物を先端に付けた単純な石弓だが、


彼の鉱物は特別だった。


大切な妻の為に必死に村に襲いかかる虫を食い止めようと密かに奇策を編み出したのは彼だ。妻は結局離れ離れとなったが、彼は抵抗する。


鉱物は様々な骸が混濁率が高すぎるが故に、生き物としての意思を持ち合わせないような状態に近い極めて混沌とした貴重な、この蒼き瞳が大地を形成した時に地中深くでしか発掘されない代物であり、彼は身を挺してこの「異形の来訪者を守護者が撃ち落とす為に使用する守護者用の高級武器」を手に入れた訳ではない。


「こいつがあれば集落を救える」


彼の持つ袋の中に、数匹の小さな甲殻類と、仲間を切り刻んで手に入れた数匹の爬虫類、少しばかりの仲間から得られた植物、そして、羽のない飛ぶ綿毛のような奇妙な生き物。これらを木下の地面へ埋めて、木に登り、危険な存在(異形の怪物)が現れたらそれを掘って、取り出せば、黒い硬すぎる石になり、それを石弓に乗せて矢を飛ばしていた。


彼はギークと名を持ち、木の上で前線がこちらへと来るのを恐れて、虚な眼を擦りながら夜を過ごした。夜は来訪者の気性が荒くなる。彼は木に頼る他ない。


「植物は我々への慈愛だろ?昔の神々は人々の為に契約した立派な奴だと聞いたが、嘘なのか?もう…いつこの石みてぇに溶けて無くなっちまうか、怖い、あんたも喋れたらいいのだろうよー。立派な樹木様頼みますぜ」


震え、いや、呆れ、彼は植物に語りかけるまで、神経を摩耗していた。小声で話しているつもりだったが、彼は誰かの気配を感じる。


「誰かいるの?一緒にいこうよ!あそこに楽しいキラキラした宝石があるよ?」


そこには少女がいた、キラキラした目をした悲しいみすぼらしさを醸し出す服装の残酷な光景が彼の足を動かして、気づけば少女を抱き上げて、木に登り木の窪みに2人で身を潜める。少女の額に慌てたせいで石弓の矢の先端にする黒い石を当ててしまった。その瞬間、少女は気を失ってしまう。


(まずい、咄嗟に出た行動が周りに物音を立ててしまった。気が狂うぜ。息を整えなければ)

彼は額に汗を掻きながら、少女の気を失った姿に安堵した。彼は彼女を静かに寝かしつけるように窪みにそっとすると、監視を続ける。


すると、多くの人々が遠くで歓喜余る声と、動物の咆哮、鈴虫のような声が遠くから聞こえてくる。黒い嵐が一山超えた先の方角から見えた。人々とも言えぬ、四つ足、いや、六つの足で走り回る異形が悍ましい人の顔を持ち、駆け抜けてこちらに前進してくる。


森の中から、襲いかかるそれをギークは酷く恐れて、震えが酷くなる。

「なんだあの醜い不細工は!俺はあんなのに憧れてなんかねぇからなぁ…」


そのすぐに、彼は木の窪みの周りに、石弓の矢の材料であった黒石を置き、気休め程度に祈りを捧げて、しまいにはいい年した男は泣いてしまう。


「天国で泣いてた方がマシだよ。こりゃあ」


そう呟くと、森の中で同じ石弓を使っている集団がいることに気づく。彼が石弓を敵に当てた時と同じ音がするのだ。それは「ゴロゴロ」という音を立てた後に、明らかな悲鳴をあげる嫌な絶叫だ。蝉が鳴くような気色の悪い音だ。そして、対象は徐々に石へと変わる。ゲロ色の石に、あれは錬金術師がよく持って行くから、帰ったら2度と錬金術師の顔を見たくないと意味のわからないことをギークは思っていると、少女が目を開く。


「ま…待て!」


ギークが声を上げると、全身が黒い、目の前には悍ましい顔が覗き込み、舌を出して我々を白い眼で睨みつける異形が2人を見つけていた。


「そこ、か、」


異形が喋ると、眩い光が、立ち込めて、その異形を大きな杖で殴り飛ばす女が2人の目の前に現れる。その杖で殴られた異形はバラバラに分裂して、花に変わり、完全に塵となって消え失せた。


「貴方達!正常なのね!力を貸しなさい!」


天真爛漫に杖を振るう少女は悍ましい杖を持ちながらも、楽しそうな豪傑ぶりのある元気な笑顔で、長い金髪を靡かせた。


「あり得ない…あそこまで細かく生物を粉砕するなんて…この世の成せる行為じゃない」


この蒼き瞳において、初めて、人々は存在を塵と化せることができる神器をアムルより授かり、ソラがイェルを供物として配ったのであった。




杖が振り下ろされた瞬間、異形の身体は花弁のように砕けた。

分解された存在は細粒化し、二度と元へ戻らない。

それはアムルが与えた、“完全消滅”の武器だった。


「存在の吸収と固定」、「存在の分裂」この要素は彼等へ革命を齎したのである。


戦士が不足した結果ではない。

この世界では、最後まで守られるべきは女と子供だった。

だからこそ彼女たちは、自ら武器を握った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ