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第二の人生~音楽がすべてを変える~  作者: 塩素
第1章 音楽の世界
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第4話 アトラ・フラットの真相

 家に帰って、アトラ師匠に報告を……。

 その瞬間、背筋に寒気が走る。


「何だ、家からとても悪の気を感じる。まるで、家に入るなと言われているように。」


 数分後、それが止まった。


「師匠!何かありましたか!?」

「ああ、ちょっとな。体調が……。」

「違いますよね、詳しくお願い致します。」

 「音」で分かった。「音」で分かるようになった。

「……」


 師匠は、面食らったような顔をした。合っていたようだ。


「・・・分かった。心して聞くがよい。」


 ゴクリ……固唾を飲む。


「今から100年前、この世界を乗っ取ろうとする者がいた。私…私たちはその者たちの手から世界を守っていた。」


 100年前?師匠は何歳なんだろうな?


「その名は……アルディート・フィナーレ」


 なんかかっこいいな。ちょっと中二くさいが。


「師匠以外にも、仲間がいたのですか?」

「ああ。他に4人の英雄がいた。殺されてしまったのだがな……。」


 少し失言だったかな。

「失礼しました。」

「いやいい。昔のことだ。そして、彼らは死ぬ直前にアルディートに致命傷を与えた。その際に、私がとどめを刺せたのだが、奴から呪いを食らってしまった。」


 そういうと、更に顔が険しくなった気がした。

「私は……100年後に死ぬ呪いがかかっている。苦しみながらな。」

「そんな……。何か手は無いのですか?」

「無い。少なくともこの世界にはな。」


 本当だろうか、いや、100年以上生きているのだから、本当だろう。

 ん?ちょっとまて、100年ということは……。


「そう、私はあと1ヵ月以内に死ぬ。」


 死ぬ……。その言葉に戦慄が走る。私には特に敏感な言葉だ。


「この命運は避けられない。だから、明日から[特級魔法]を教える。」


 え、特級魔法?基本どころか応用すらまだ使えないのに……。

 浮遊すら教えてもらえてないのに……。

 そんなことを言っている暇はないんだろうな。よ    

 し。やってやる!


「精一杯期待に応えます!!」


 そう言うと、師匠の口から少し笑みがこぼれた。

 初めて見た。うれしい。

     ・

     ・

 翌日、練習場からさらに離れた…というか、最初 

 に転生してきた大草原に着いた。


「さて、最後に教える魔法は、特級魔法 [死嵐デスストーム]だ。」


 名前からして凄そうだ。でも、やはり中二くさいのが気になるなぁ。


「この魔法は、楽器の音色、魔力の調整、そして自分の気持ちを強く持つことが重要となる。私が1度手本を見せる。1度しか使えない。よく見ておけ。」

「はい!!!」


 そう言って、師匠はホルンの準備をする。


 ホルンからは、今まで聞いたことのないくらいの壮大なメロディーが流れる。

 現実世界にもここまで吹ける奏者はそういないだろう。

 とても美しい。

 その瞬間、風向きが一気に変化する!まるで師匠に集まるように!!

 師匠は演奏を続ける。体が飛ばされてしまいそうだ。

 そして、絶大な魔力が集まってゆき……一気に師匠の手が空に伸びる!!!


死嵐デスストーム!!」


 砂嵐とハリケーンを混ぜたようなものが出現する。一気に草原を飲み込む!!


「くっ!ぐはっ!!」


 師匠の叫び声が聞こえた。吐血している。


「師匠!ご無事ですか!?」

「ああ。今から解除する!ちょっとまて!!」


 空が見る見るうちに晴れていく……。これが特級魔法か……。


 圧巻だった。正直現実世界の台風の中にいる時の比にあらない圧力がかかった。全身が痛い。師匠はこんなにすごい人だったんだなぁ。


「よし…お前も……やって見せよ………。」


 師匠はとても衰退していた。魔力を空っぽにまでしたのだろう。


「師匠が扱えないほどの魔力を、私に扱えますか?」

「言ったはずだ、制限しろと。私の身はそう長くない。弟子に最後、精一杯の魔力を見せたかったのだ。」


 なるほど。どこまで行っても師匠は寛大な方だなぁ。

 よし、期待に応えなくては……!!


 師匠のように、普段の数十倍、いや、数百倍の力で楽器を吹いた。

 前世よりさらに。もっと!上手く!!

 そして、魔力を。空にならない最大限の魔力を込める!!

 ああ、体が痛い、内臓が破裂しそうだ。


「その調子だ、ユウ!放て!!」


 そう触発されて、一気に魔力を放つ!!


死嵐デスストーム!!」


 成功した。規模は師匠のまではいかないが、制限できているのだろう。

「師匠。やりました!!」

「ーーー!」


 その途端、奥のほうでパタリと倒れる人影が見えた。


「師匠ーーー!!!」


 嵐を解除して、一直線に走った。危険を「音」で感じた。


 非常にまずい。

世界線について

・主人公は、元の世界を「現実世界」、転生してきた世界を「異世界」と呼んでいるそうです。

楽器について

・この世界でも現実と同じ名前で筋が通るようです。

魔法について

・この前、魔法には、「基礎、基本、応用、独自」の順で強力な魔法になると書きました。

同じ順番で、「第三級、第二級、第一級、特級魔法」とも言い換えられるようです。

(魔法使いの序列を表す際に、こちらのほうが言いやすいという事情です、、、)


次回第5話、アトラの遺言

6/14(日)21:00 公開予定

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