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元音楽教師、音楽ですべてを変える 〜第二の人生は音楽の世界?!〜  作者: 塩素
第4章 出世編

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第35話 希望の緑地(オアシス)



 スッスランドへと到着した私達。

 しかし、ここからが勝負である。

 アルスの開発した魔法薬(ポーション)の効果時間は1週間。

 その間に、依頼主の街を見つけなければならない。

 もし見つからなければ、終わりだ。



「よし。ユウ、ウベティ、これを…。」


「例の魔法薬(ポーション)ですね。」


「……。」


「…、意外とおいしいですね。」


「なら良かったよ。さあ、時間がない。いっきに探すよ!!」


「はい!」


「アルス、君は魔力探知で魔族の気配を探れ。ユウは音空間(サウンドメイン)を展開して、常に魔物(モンスター)の接近に注意しろ。」

「俺は浮遊(フライムーブ)で上空から探る。」


『了解!!』



 3人で手分けをして探す。

 これ、パーティバトルみたいでなんか楽しいな。

 ただ、本当に猶予はない。

 国土面積の半分を占める広大な土地から、たった一つの小さな村を探さなければならない。

 こんなことなら、カエスーラの時にいた国の外交官に場所を聞いておけば良かった…。

       ・

       ・

 捜索を始めてから半日。

 この魔法薬(ポーション)は本当に効果がある。

 全くお腹が減らない。

 それどころか、常に腹7分目ほどの、ほどよい状態に保ってくれる。

 これは、相当な発明品なのかもしれないな。

 ただこの魔法薬(ポーション)、体温調整は出来ない。

 夜が近づくにつれて、段々と気温が下がってきている。

 持ってきた愛用の毛皮ローブで耐えられなければ、魔法も併用して、体温を保とう。

       ・

       ・

       ・

 目の前に広がるのは、広いビーチ。

 大胸筋を堂々と見せびらかす、真っ黒に焼けたマッチョ達。

 水着だから分かる、身体のラインが素晴らしいお姉さん達。

 そんな風景を、トロピカルジュースを飲みながら、楽しんでいる私。

 あぁ、こんな休日も幸せだなぁ…。


 場面はガラリとかわり、クリスマスの夜。

 私は、長年思いを寄せていた彼女に告白する。

 待ち合わせ場所にしている駅前広場には、カップルの姿がたくさん。

 私もこれから、こんな幸せな生活が待っているんだ!

 冬の夜の風は、私の温かい頬をくすぐっていく。

 雪の降る中、私は彼女の到着を待つのであった…。

       ・

       ・

       ・

 さて次は……。

 あれ、何してたんだっけ。

 ふと我に返った私。

 こんな幸せな日が今の私には待っていない。

 努力の先に、待っているものだ。

 

 本当に何してたっけ……。

 


(う……ユウ!!しっかりして!!!君はまだ死んじゃいけないよ!!!)



 脳裏によぎる、子供っぽい声。

 自分の子供か?それとも教え子達か…。

 

 いや違う。これは、アルスの声だ!!!



「がはぁぁ……!!!」


「ユウ!!大丈夫!?」


「…私は、一体…?」


「覚えてないのか。お前はさっき、脱水症状で倒れた。」

 

「あぁ…、そういえば……。」



 つい1時間ほど前。

 砂漠の村を探し続けていた私達。

 あの魔法薬(ポーション)の効果は1週間継続すると言われていた。

 しかし、私の体質のせいか、何かしらのせいで、私だけ、効き目が1日ほどしか続かなかったのだ。

 効果が切れた瞬間、空腹と脱水に襲われ、私は砂漠のど真ん中で、泡を吹いて倒れた。

 さっきのは、走馬灯のようなものだったんだな。

 

 しかし、私はなぜ助かったのだろうか。

 そう思い、ふと周りを見渡す。

 私は今、ベッドに寝転がっている。

 砂じゃない。ふかふかのベッドだ。

 そして、窓の外には水場が見える。

 草木が生い茂り、水のなかには、魚が泳いでいる。

 その瞬間に、私は理解した。



 「ここが、依頼主のいる村だ!!」

 


 

 


 

次回第36話 任せてください

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