第34話 男3人、砂漠地帯へ
渡された昇格依頼の件を、ウベティとアルスに話すと、快くokしてくれた。
砂漠地帯への遠征と言うことで、食料や体力面の備えをしなければならない…、と思っていたが、アルスの魔法薬の中に、1週間飲まず食わずでも生きられるという、今にぴったりすぎて怖い魔法薬が開発されていた。
アルス、末恐ろしい…。
ウベティに聞いた話では、砂漠地帯は昼は灼熱、夜は極寒のようだ。
この世界では、気温の変動がある地帯は珍しい。
だからこの世界にきて、初めて半袖を使う。
もちろん、夜を耐えるために、愛用の毛皮のローブも持っておこう。
特級冒険者の経験は頼りになるな。
しかし、砂漠地帯の入り口までは、この街から大体歩いて1ヶ月かかるようだ。
加えて魔物討伐となると…、半年くらいは見ておいたほうがいいかもな…。
ウベティをまたフィーネと離れさせるのは申し訳なかったかもな……。
とりあえず出発は明日朝。
しっかり寝て明日に備えよう。
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翌日、酒場の前に集まった私達は、砂漠地帯のある南へと歩いていく。
ウベティはフィーネに旅のことを伝えたらしいが、「分かった、気をつけてね」で終わったらしい。
フィーネもだんだんこっち側の考えに洗脳されているのかもしれない…。
昼過ぎ頃。
私達は必要最低限の会話だけを交わすだけ。
慣れてきているせいだろうか…。
いや、疲れてきているのだ。
アルスもウベティも、ヒトの年齢で言えば、おじいちゃんといっても過言ではない。
重荷を背負って歩いているし、かなり足腰に響くだろう。
正直、自分も結構つらい。
今日は早めに野宿の準備をしよう。
「はあ…。やっぱり歳は取りたくないよね…、もう疲れちゃったよ…。」
「俺もだ。流石に長旅の荷物を背負っては、疲労の溜まりが早いな。」
「いっそのこと、浮遊で行きますか?」
「まあ確かに…、急ぎの用事といえば、間違いではないかもしれないが…。」
「やめとこう。魔力は取っておきたいよ。」
「分かりました。では、今日休んでまた歩いて行きましょう。」
火の上でグツグツと煮る野菜や魚を食べて、早めに眠りについた。
眠りについた時間帯は夕方だ。
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それから約3週間がたった。
道中の魔物を処理しながら、砂漠地帯までの果てしない道を進む。
途中で、突然変異した奴も出てきたが、アルスとウベティがいれば敵ではない。
どちらかといえば、食料面の方が大変だ。
動物や魚が捕れないときは、魔物の不味い肉や、野草を食べて過ごすこともある。
まあ、もう慣れっこだがな。
ふと足元を見てみると、今まで緑だった地面が黄色に変わっていた。
前を見てみると、木々一つない、広大な土地が広がっていた。
私達はすぐに理解した。
ここが、砂漠地帯「スッスランド」だ。
・砂漠地帯「スッスランド」
ソプラノ共和国南に位置するこの砂漠は、国土面積のおよそ50%を占める広大な砂漠。
ほとんど雨も降らず、強い日差しが差している。
昼間は焼けるように暑く、夜は凍えるように寒い。
この地帯にも、気候に特化した魔物が住んでいる。
環境のせいで、ほとんどヒトの手はつけられていない、いわば無法地帯。
そんな中、水場の近くには村があり、国と連携し、砂漠の魔物の調査や、魔物裂目の監視を行なっている。
そこには主に魔族が住んでいる。
次回第35話 希望の緑地




