第2話 練習
「この魔法を使うのには少しコツがいる。音を一点に集中させて奏でて、そこに魔力を込める。それを一瞬のすきに魔法にかえて放つのだ。」
なるほど、難しくてわからん。
まあ、要するに楽器の音に魔法の秘密があるわけね。
「実際にやってみるか?どの楽器がよいか?」
私は迷いなしに、クラリネットのような物を選んだ。ていうか、ほぼクラリネットそのものだ。
「ほう、それを最初に選ぶとは、いい音感をしておる。」
どうやら、センスはいいみたい。
さあ、いざやってみるとなると緊張するなぁ。
一旦チューニングB♭(ド)の音を出してみる。
前世の感覚はそのままだった。
アトラは少し驚いていた。そりゃそうだ。楽器を最初に持った日は、音を出すことすら難しい。
「初日で出せたやつは、人生で2人目だ。」
「他にもいたのですか?」
「ああ、私の一番弟子だ。名は…忘れてしまった。最近物忘れが酷くてな。」
それにしても、この楽器相当な優れものだ。音に一つも狂いがない。
「さあ、今度は魔力を込めてみよ。魔力をこめてそのまま放つことで、空気の玉のような物を出せる。やってみよ。」
言われたとおりに、再度音を出しながら、魔力とやらを込めてみた。魔力とは、自分の気持ちらしい。
そして、それが一点に溜まってゆくその瞬間!
「はぁぁぁ!!」
凄まじい音と共に、山に風穴が空いた。
「なんと、空気だけでこの威力とは。」
「はい…せんせ…どうで…か」
目が覚めると、辺りは既に暗かった。
「魔力を使いすぎると、気持ちのロックが解除されてしまう。お前は昨日ろくに寝れていなかったのだろう。」
確かに昨日は考え事が多くて眠れなかった。気持ちのロックが解除されるとは、自分の野性的な部分が出てしまうのだろう。ということは、エッチなことを考えているときには、消費しすぎないように気をつけなければな。
なんて考えてるうちに、
「次からは魔力の制限を教えよう。制限できると非常に便利だ。例えば空を飛べたりする。」
「それは実に興味深いですね。ぜひお願いします。」
そんなこんなで、1ヶ月が経過した。まだ魔力制限は完璧ではないが、徐々に上手くなってきている。 最近では、基礎魔法の火、水、木、風、岩を覚えることができた。この調子でやっていこう。
しかしアトラには、少し決心したような顔が見えた。
魔法について
・この世界では、音に魔力と呼ばれるものをこめて魔法を放ちます。
・基礎、基本、応用、独自魔法に分かれていて、左から順に覚えて行くのが普通です。(学生は嫌だろうねこの言葉)
主人公が現段階で使えるのは、基本5属性(上記)の基礎魔法です。空気については、何でしょうね。




