第1話 出会い
「ー丈夫ですか、聞こえますかー」
ピーポーピーポーとサイレンが鳴り響く。
「あぁ、これが走馬灯か。」
そこには、教師になった日の自分、担任を持った日の自分、10月15日の自分、
そして、緑の大地・・あれ?
気が付くと、大自然のなかに立っていた。
「ああ、ここが天国か。いや、地獄のほうがあっているか」
そう思いつつ、自分の姿をみた。
なぜか体が小さくなっていた。コ〇ンのように。体感10歳くらいだろうか。
「これも地獄の影響なのかな。」
そのとき、誰かが近づいてくるのを肌で感じた。
エンマ大王様でもこられたのか。そう思った。
明らかに違う。やせ細った体で、白髪でひげを生やしているお爺さん。
「そなたは何も知らないように見える。音で感じる。」
音?何のことだ?
しかし、この老人の言っていることは正しい。だから正直に答えた。
「はい、知らない間にここにいました。ここはどこですか。」
「ここは、ソプラノ共和国の中心部。オクターブ高原だ。」
なんだそりゃ。地球にそんなところがあったか?
「私の名前は、アトラ・フラット。よろしくな。」
なんかさっきから音楽用語ばっかりだ。とりあえず、
「私は、ユウ・シャープです。よろしくお願いいたします。」
それっぽい偽名を使った。通ったらしい。
「いい名だ。それで、ここにいる理由は……聞かないほうがよいな。」
「はい……。」
顔色を見て判断してくれた。案外優しい方だ。
「とりあえず、家に泊まっていくとよい。歓迎する。」
そう言われて、後を追った。
アトラの家には、様々な楽器があった。私の知らない楽器も。
「ここでは、楽器は何か重要な役割があるのですか。」
「ユウよ。それも知らないのか。なら教えてやる。」
アトラは、椅子を取り出してお茶のようなものを一杯飲んでから、
「この世界は、音楽がすべてだ。音楽があれば何でもできる。そう何でもだ。」
何でも?もしかして、あんなことや、こんなことまで……
いやいや、その前に質問だ。
「具体的にどうやるんですか?」
そういうと、外に連れ出された。
「楽器に魔力をこめて奏でるのだ。こんなようにな。」
そういうとアトラは、ホルンのような楽器からチューニングのように音を伸ばした。すると、楽器の上の方に熱が溜まる!
「火炎!!」
そう唱えると、火炎の玉のようなものが前方に飛んで行った。
落ちた所が池じゃなかったら、大火災だった。意外と抜けているのかもな。
でもすげぇ!男子なら誰でもあこがれることだ。
「こういう感じ……」
「凄いですアトラさん!いや先生!!教えてください!!!」
「お、おう、いいぞ。」
しかし、とっさに出た言葉が先生か、嫌な言葉だなぁ。前の記憶はあるみたいだし。師匠のほうがいいかな。
そう思いつつ、私はアトラ師匠の弟子となった。
しかし、これではっきりした。
「これは転生したのだ。」




