第14話:音楽の革命と、電子の歌姫たち
2002年、春。
『ネクストフェス 2001』の成功は、日本のエンタメ業界の勢力図を完全に塗り替えた。テレビ局や大手レコード会社は、もはや『NextStream』を「ネットの素人遊び」と見下すことはできず、こぞって業務提携の打診を秋葉原のネクストタワーへ持ち込んでいた。
だが、俺——瑞樹の視線は、すでにその先へ向かっていた。
「動画の次は、『音(音楽)』だ」
ネクストタワー最上階の社長室。俺は「技術100」の頭脳で組み上げた新機能の仕様書を眺めていた。
史実における「初音ミク(ボカロ文化)」の誕生は2007年。そして「歌ってみた」や「ニコニコ動画」での音楽コミュニティの爆発も2006年以降だ。
「2002年の今、高音質なオーディオストリーミングと、自作の伴奏トラック(カラオケ)を自由に共有できる音楽特化プラットフォーム『Next-Sound』をリリースする」
さらに俺は、「技術100」を駆使して、世界初となる「超軽量・リアルタイム音声合成エンジン(※初音ミクの先駆けとなるコンセプト)」のプロトタイプまで独力でコーディングしてしまった。
「歌い手文化と、Vの先駆けとなる『バーチャルな存在』……これを前倒しで爆発させる!」
2002年4月。
『Next-Sound』のサービス開始と同時に、俺自身が「第一号投稿者」として楽曲をアップロードした。
曲は、未来のヒットソングの要素を散りばめ、瑞樹の「容姿100」「カリスマ100」の澄み切ったボーカルで歌い上げた完全オリジナルのポップチューン。
同時に、自作した2Dイラスト(アニメ調の美少女キャラクター)が音楽に合わせてリアルタイムに口パクし、表情を変える「世界初のVTuber風MV」を動画として公開した。
タイトル:『電子の海から、はじめまして! feat. 瑞樹』
[NextStream / Next-Sound リアルタイムコメント欄]
・うっそだろ曲のクオリティ高すぎんだが!?
・瑞樹ちゃん歌までプロ級なのかよ……隙なさすぎだろ
・てかこの画面の絵、音楽に合わせて動いてね???
・イラストが歌ってるんだがwwwwwwww
・なんだこの新しい文化は……!?
・CD化してくれマジで!!
・神曲きたあああああああああ!!
投稿からわずか数時間で、再生数は【100万回】を突破。
「画期的な音楽共有システム」と「動く2Dキャラクター(Vtuberの萌芽)」の登場に、ネット上のクリエイターたちが一斉に反応した。
「自分も歌を投稿してみたい!」
「このイラストが動く仕組み、自作のキャラでやってみたい!」
全国の押し入れでマイクを握るアマチュア歌手たちや、美少女イラストを描く絵師たちが、一気に『Next-Sound』へと雪崩れ込んできたのだ。
後に「大人気歌い手」や「伝説のボカロP」と呼ばれることになる原石たちが、史実より5年も早く、この2002年のネット上で産声を上げ始めた。
その夜。
俺は自室のPCで、海外のITニュースサイトを巡回していた。
「国内の基盤は完全に固まった。会員数は1500万人を突破。そして……」
「知力100」の思考が、太平洋の向こう側——アメリカ・シリコンバレーの動向を捉える。
2002年のアメリカは、ITバブル崩壊の傷痕から立ち直りつつあり、ブロードバンド網の整備が急ピッチで進んでいる時期だ。史実のYouTube誕生(2005年)まで、あと3年ある。
「そろそろ……アメリカ本国に『NextStream USA』を立ち上げるか」
日本のTS美少女・瑞樹が、ついにシリコンバレーへ進出し、世界のIT巨頭たち(GoogleやApple、Amazon)と直接覇権を争う「世界進出編」が、いよいよ始まろうとしていた。
「待ってろよ、世界。黒船は……日本から行くぞ」
俺は不敵に微笑み、太平洋の彼方を見据えた。
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【瑞樹の現在のステータス・資産状況】
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名前:瑞樹
年齢:19歳
資産:180億円
割り振り可能ポイント:490 P
【パラメータ】
・容姿:100(MAX)
・知力:100(MAX)
・技術:100(MAX)
・カリスマ:100(MAX)
・運:100(MAX)
【指標】
・『NextStream』会員数:15,000,000人突破
・『Next-Sound』始動(歌ってみた・Vtuber文化の先駆け創出)
・オリジナル曲再生数:3,500,000回(爆発的大ヒット)
【現在の目標】
シリコンバレーでの法人設立、海外版『NextStream USA』の展開、世界のIT巨人たちとの覇権争い。
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