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7

「ん…」


意識が浮上して、自分が土の上に寝ていることに気が付いた。

薄暗くて不気味だ。

一檎は視界に入った自分の格好に思わず声を上げた。


「え………」


一檎は真っ白なドレスを着ていたのだ。

ノースリーブの襟がついたドレスにレースのアームカバー、白いタイツに透明の靴。靴はプラスチックっぽい素材だ。


「痛い…?」


手が痛んでよく見ると人差し指から血が出ていた。

ぽたりと地面に垂れた。


「え、なんで?」


一檎はこれまで感じたことのないほどの恐怖を感じた。

ゴゴゴゴゴ…と地面が鳴る音がして視線を上げると巨大な林檎の木があった。

だけど、その林檎の木のうねる幹と根は淡く黄色に光っていた。

そして、幹がゆっくりと開き、大きな穴ができた。

穴の奥は暗闇が広がっていた。

一檎は一歩下がった。絶対に近づいちゃいけない気がした。


『一檎………一檎………』


どこからか声が響いた。いや、直接脳に語りかけている感じだ。


『来なさい………来なさい………』


どうやら林檎の木から響いてるみたいだ。

一檎の足が林檎の木の方へ踏み出した。


「ダメ!」


一檎が声を上げても、引っ張られるように体が林檎の木の方へ進んでいく。

手でつかめるものがないか周りを見るが林檎の木以外なにもない。


「嫌だ…嫌!」


目から涙が零れ落ちる。

どんなに抵抗しても一檎の体はいうことを聞かない。

そして、林檎の木の目の前へ来てしまった。

その途端、一檎の足から力が抜けた。パタンと地面に座り込む。

見上げると、林檎の木の大きな穴が近づいてきていた。

こんな時に思い浮かぶのはみくの顔、そして学校だった。


「ああ、初めての文化祭だったのにな…文化祭準備やりたかったなぁ…」


一檎はそっと目を閉じた。

そして、一檎の体は暗闇に包まれた。

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