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日常回がすこし続きます
凛とした空気に響く目覚まし時計。
去年親に買ってもらったアンティークなものだ。
一檎はそれを聞いて優雅に目を覚ます…
ことはなく、時計を止めてまたベッドに潜り込んだ。
「一檎!もう七時!起きなさい」
母がフライパンとお玉を持ってやってきた。そして、それで音楽を奏で始めた。騒音という方が近いけれど。この地域は家と家の距離が少し離れているから近所迷惑にならなくて、母も思いっきりフライパンを叩いている。
「お母さん、起きたって…」
「そう。じゃあ、早く下においで」
そう言って母は階段を下りていく。
顔を洗って、制服に着替え、髪を整える。肩よりちょっと長い髪はヘアアイロンで伸ばせば一日はストレートにキープしてくれるからありがたい。イチゴのついた
ヘアピンを付ければ完成だ。
一階に下りると、おいしそうな肉が焼ける匂いがした。
「ベーコン?」
母はフライパンを若干こちらに傾けてから言った。
「そうだよ。昨日笹原さんからもらったの」
「そうなんだ」
母からご飯の乗った皿を受け取り、テーブルに座った。
「いただきます」
母にいちご牛乳を作ってもらったので、食後に飲むことにした。
ちなみに、近所の笹原さんからもらったベーコンは旨味はあるけど後味がこってりしてなくておいしかった。
「ごちそうさまでした」
皿を台所に持って行って、洗面所に行き歯を磨く。
ゆったり準備をしてたらいつものように時間がギリギリになってしまった。
「うわ!やばい!」
カバンをつかむと、ドアを開けて自転車へ急いだ。
昨日の夜準備をしておいてよかった。
「いってきます!お母さん!」
「ええ、いってらっしゃい」
そんな母の声を背に一檎は全力で自転車をこいだ。
そのおかげで、電車が来る一分前に駐輪場に着くことができた。
自転車を止めて、改札へ急いだ。
その時踏切のカランカランという音がして、慌ててホームへ急ぐ。
早足で電車に乗り込む。すぐにドアが閉まって冷や汗をかいた。
「あぶなかったぁ…」
一檎は端っこの人が少なそうなところに移動して吊革につかまった。




