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第八夜:世界の終わり、あなたと会う/我儘を言わせて
【世界の終わり、あなたと会う】
世界が終わると聞いて私は初めてあなたと会うことにした。一生で一度きりのデート。あなたは私を助手席に乗せて海へと向かう。窓から流れ込む潮風が優しい。
思春期の少年少女のように浜辺でふざけあい、政府から配布された睡眠薬を飲んだ。夕暮れの空、一際輝く隕石が綺麗だ。
微睡む意識の中私は願う。ああどうかこれが私達の最終地点でありますように。二度と生まれ変わらず目が覚めませんように。だってこれは幸福な結末なのだから。
波の音が遠くなっていく。繋いだ手を離さないまま、意識が温かい闇の中にふつりと途切れた。
ーーー
【我儘を言わせて】
美しい言葉を使って醜い本音を飾った。
あのひとのため、皆のため、何かのため……。
そうすることで誰も傷つかないことを誰も傷つけないことを願っていた。
けれどもそんな僕の驕りを、きっと君は見抜いていて、その上で優しく諭そうとしてくれたのだ。
あの澄んだまなざしを、僕はそう解釈している。
ああそうだ。僕は汚い。僕は醜い。
誰かのためと言いながら、結局自分のことしか考えていないのだ。
いつだって自分の幸せばかりを祈っている。
だから僕は僕の我儘で、君のことが好きなのだ。
僕は僕の我儘で、君と一緒にいたいのだ。




