表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
CYOA  作者: さだきち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/50

10


巨大な扉の前に立つと、その圧倒的な存在感に思わず息を呑んだ。

扉は黒ずんだ金属でできており、表面には深い傷が無数に刻まれている。

誰が、何が、この扉をここまで傷つけたのか――想像したくもない。


それでも、扉の向こうに広がる“外”の気配だけは確かだった。


あなたは両手で取っ手を掴み、力を込めて押した。

重たい金属が軋み、部屋全体に鈍い音が響く。

少しずつ、少しずつ、扉が開いていく。


やがて、隙間から光が流れ込んだ。


「……外だ。」


その言葉が自然と口をついて出た。

冷たい風が頬を撫で、暗闇に閉じ込められていた時間が一気に遠ざかっていく。


一歩、外へ踏み出そうとしたその瞬間――

ふとポケットを探ると、指先が固い何かに触れた。


取り出してみると、それは古びた 一冊の手帳 だった。

表紙は擦り切れ、ところどころ焦げたように黒ずんでいる。


ページをめくると、

中には 複雑な設計図 が、乱暴に、しかし執拗に書き殴られていた。

建物の断面図のようにも見えるが、ところどころ線が歪み、

まるで“崩れる前提”で描かれているかのようだった。


その瞬間、背後の館がぐらりと揺れた。

地震のような低い唸りが響き、壁が崩れ落ちる音が続く。

まるで自然災害のように――いや、

何かを完全に隠滅するために仕組まれた崩壊 のようにも思えた。


あなたは手帳を握りしめた。


「……誰の手帳だ?」


ページの端に書かれた名前は、

かすれて読めない。

自分のものなのか、誰かのものなのか――判断できない。


どうしても、思い出せなかった。


記憶は依然として戻らないまま。

それでも、外の風は確かにあなたを包んでいた。


あなたはゆっくりと、光の中へ踏み出した。


――脱出成功。


- END -


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ