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ココアのような恋物語  作者: 夏輝 陽
Sweet Cocoa Love~後編
19/29

ゲーム名人


 ツインテールの店員がいた食事処を後にし、再び自称ゲームコーナーの部屋へ来た十四時頃…今度はさっきやっていたゲームとは違う別のモノをプレイすることにした


 「———そんな慎重にならなくても、タイミング見て進めば大丈夫そうですけど」


 「こ、ここで敵兵みんな回収したいからさ…」


 慎重に麻酔銃を片手に匍匐〈ほふく〉移動しているおっさんを操作している俺を見て、唯希さんはアドバイスするも自分の意志は曲げない


 「…ここにいる人たちみんな弱そうですけど」


 「ここら辺を安全に調べたいからさ…アイテムとか欲しいし」


 言い訳がましいけど、安全にメインミッションをこなしながらアイテム探ししたいのは本望だ。故にひとりずつ敵兵を無力化し回収して慎重に動く…そして今、四十メートル先にいる敵兵のヘルメットの下を目掛けて撃った


 「———あ、そこで撃ったら…他の兵士来ちゃいましたよ」


 「やば…ヘルメットが邪魔で中々当てられないや」


 撃った兵士は眠っているが、他の敵兵に見つかりビックリする効果音の直後、叫ばれて辺りにいた兵士達が次々とこっちを目掛け一斉射撃を食らう。


 「…何のために時間かけてゆっくり進んだのですか」


 「痺れ切らしちゃってつい…」


 呆れた様子の唯希さん


 「もう、高ランククリア諦めて殺傷武器使いましょう」


 「…わかった」


 唯希さんに言われた通り物陰に隠れながら来た敵を返り討ちにする。逃げてくうちに敵兵の追ってこないとこまで逃げ切っていた


 「後は暫くここに居よう。警戒が解かれるまで」


 「ほんと、かなたさんっておバカですよね」


 ジト目で三白眼になった唯希さんにディスられた






 ———警戒が解かれて再び潜入したかなたさん


 「…どうすればいいと思う?」


 「わ、私に聞きますか…」


 急にそう言われても困ってしまいますよ


 「…唯希さん、やってみる?」


 「私がですか…」


 自身はないけど、ここの敵の行動パターンは大体わかったしイケそうではある


 「…やってみます」


 「操作は簡単だから…でも分からないことあったら言ってね」


 そう言われ、席を交換する


 ———さっきまでかなたさんが座っていたとこ…


 少し温かくなっていた席を意識してしまったけど、それもちょっとの間。顔を画面に向き直してキーボードとマウスを手にする


 「………」


 慎重かつ敵兵の見えないとこでは、スピーディーに移動する。———そして目標である捕虜を見つけ、背負って外に出た


 「あとは帰還ポイントに行くだけですが、どうやってヘリの要請するのでしょう?」


 「あぁ、それはここのキーで———」


 キーボードに置いていた手に触れられた


 「うわ、ごめんごめん!」


 「い、いえ…大丈夫ですよ」


 「えっと…」


 何を思ったのかかなたさんは私の手をじーっと見て…やがて手を握ってきた


 「えぁ!?…な、なんですか!?」


 「いきなりでごめん…けど、結構冷たくなってたからさ」


 「いや…あの、それは嬉しいんですけど!は、恥ずかしいですよ」


 「………」


 かなたさんは離すつもりはなさそうでした


 「…唯希さんの手が冷たいのは確かだけど、俺が握りたかっただけかも知れない」


 「………」


 「なんか衝動的になっちゃってさ…でも、願わくばこのままでいさせてくれないかな」


 なんで、とは言わない。かなたさんの気持ちには薄々気付いてるから…私もかなたさんの事は嫌いじゃない


 「あの、他に言う事はないのですか…?」


 「えぇ…他にかぁ…」


 かなたさんは困った様子で辺りを見渡した


 「…敵兵がこっちに向かってきたよ」


 「…あ、ほんとですね」


 抱えていた捕虜は下ろしてプレイヤーのおじさんはしゃがんだまま…にも関わらず、その敵兵は真っ直ぐこっちへ向かってきた


 「〇しますか」


 「…え、まだ見つかってないのに」


 目の前の敵兵を撃ちまくり、撃った銃声のおかげでエリア一帯の敵兵がわんさかやってくるが、怒りをぶつけるように敵兵を全て〇した


 「こ、怖ぇ…」


 「何か言った?」


 首を横に振るかなたさん。さぁ、さっきの続きを———


 「お、俺、飲み物買ってくるね」


 かなたさんはそう言って部屋から出ていってしまいました




 「………」


 「唯希さん…?」


 「………」


 ミッションを終えて基地に戻り、イライラを解消するためか無意識に味方兵士を殴り続けていた


 すると両肩に手が置かれて


 「わっ…!」


 「…唯希さん、死なないのをいい事に殴り続けない方がいいよ絵面的に」


 「す、すみません…ついぼーっとしちゃって」


 「ぼーっとしちゃって…?」


 かなたさんは散々嫌がっている殴られ続けていた白髪の男を悲しい目で見ていた


 「あの、ごめんね…手握ったりなんかして」


 「い、いえ…寧ろ嬉しかったと言うか何と言うか」


 恥ずかしくてモジモジしてしまう…


 ———突然部屋の出入口から声が上がった


 「あ、ファンペイじゃないですかー!」


 さっきの食事処で働いていたツインテールの店員が出入口からモニターを覗いていた


 「ど、独特な略し方ですね…知ってるんですか?」


 かなたさんはそう言って席を立ち、ツインテールの店員に近づく


 「あはは、実況動画で知った程度ですけどね」


 「そうですか…あ、今休憩中ですか?」


 「ううん、今日はもう上がりですよ」


 つくづく変わった旅館だなぁなんて思った。お客さんもまだ私たちふたりだけだし、店員さんもそんなに居ないし早上がりする人もいるし…謎が深まるばかりです


 「じ、じゃあ、見ていきますか?唯希さんのプレイ」


 「え、なになにそんなに上手いんですか?」


 「…ハードル上げないでください。かなたさんよりは上手いってだけですよ」


 「辛辣だなぁ…事実だけど」



 暫くふたりと喋り見守られながらゲームをプレイし、一時交代してはそれぞれプレイしてみるものの最終的に一番上手な自分に預けられた




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