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ココアのような恋物語  作者: 夏輝 陽
番外編~お正月編
16/29

正月らしい事とは


 同日、十五時


 外は雪で降り積もっている。最近はキャンプをするより、かなたさんと一緒に過ごしていたいから行っていない


 とはいえ街でお正月デートくらいはしてみたいもの


 この雪が降り止み、道路の雪が溶けて無くなったら誘ってみようかなと…そしておみくじ引いたり縁結びのお守り買ったりショッピングモールで福袋を買ったり


 …雪が無くなる頃には福袋はもう売ってないかな


 妄想に耽っていると———


 コンコン…ガチャ


 ドアがノックされてドアノブが回り、開かれる


 「唯希さん…?」


 「…な、なに?」


 お昼食べ終わるまで一緒に過ごしていた彼氏さんが訪問に来た


 「あの、一緒にお風呂入らない?」


 「いいですけど…今からですか?」


 いつぞやか敬語は出来るだけ使わないようにしようと思ってたのに出てしまう…かなたさんは気にしてないようだけど、恋人同士なのにいつまでも敬語というのはどうかと個人的に思う


 「後でもいいけど…その…」


 私の身体に目線が来てモゾモゾし始めた


 「…えっち」


 私だってしたくない訳では無い。寧ろしたいけど、今日は正月なのだからそれらしく過ごしてみたい気持ちの方が大きかった


 「…後で写真送るから…それで我慢して自家発電なさって下さい」


 「ぐっ…とりあえずいただきます」


 どうやらそれで妥協してくれたようです。ほんと、かなたさんはえっちなんだから


 「…今日は正月だもんね」


 「そうです、だからそれらしい事…しよ?」


 「それらしい事かぁ…例えば?」


 「お正月デートとかどうでしょう」


 「こんな雪の中街に行きたくないなぁ」


 「…冗談です」


 一番したかった事だったけど


 「…凧揚げ?」


 「それはこどもの日では?」


 彼氏からのツッコミ


 「羽子板で遊んだり?」


 「…やってみますか?」



 ———この旅館に置いてはいなかった…



 「他は特にありませんね」


 「花札とかカルタで遊ぶのは?」


 「お正月関係ないような…」


 「でも正月定番の遊びっぽいよ」


 スマホで検索してくれたかなたさん


 「…折角の正月だけど、雪だるま作らない?」


 「え、雪だるまは作った事ないですけど…大丈夫ですかね」


 「うん…ただお互いだるまを作って重ねればいいだけだし」


 「なんだか、クリスマスっぽいですね」


 「クリスマスは忙しかったからしょうがないよ…じゃ着替えようか、厚手の手袋忘れずに着けてね」


 雪だるまを作る事になった



 雪かきされてない広場へ行き、雪玉を作る


 手のひらサイズだったモノが、雪を継ぎ足ししていくうちに顔のサイズまで大きくなった


 「…これくらいになったら後は転がそうか」


 「わかった」


 下に置き、ごろごろーっと転がしていく…


 そのうちみるみる大きくなり、やがて太ももくらいまで大きなサイズの雪玉が出来上がった


 「こんなに大きくしてしまいましたが…大丈夫でしょうか?」


 「ああ、俺のより大きいから体はそっちのでいいね」


 そう言ってかなたさんは私の作った大きな雪玉を転がして旅館の入口付近に置いた


 その後かなたさんが作った雪玉を入口付近まで転がして行き、私の雪玉の上に乗せようとして気付く


 「大きくなっちゃったなー…」


 転がして行くうちに私のとほぼ同じサイズになった雪玉を上に乗せず、隣に置いた


 「ふたりで自分の作った雪だるまの頭を作ろっか」


 「ん、わかりました」


 私たちは、再び雪玉を作っていった…



 「よし、後は乗せるだけ!」


 入口付近までさっき作ったのより、一回り小さく作って持ってきた


 それぞれの作った雪玉の上に乗せようとして持ち上げようとするも


 「———っ!…お、重い」


 滅茶苦茶重かった…


 「これ、ふたりで一個ずつ乗せていこうか」


 「わ、わかりました」


 ふたりでも持ち上がるかな…なんて不安に思っていたけど、腕がぷるぷるしながらも何とか乗せられた


 「…さすが男の子ですね」


 「俺一人でも持ち上げられなかったし、唯希さんも相当頑張ってたよ」


 お互いを褒め称え合いながら、もうひとつのも乗せていく


 「…完成したな」


 「まだですよ、顔のパーツとかも作りましょ」


 「そうだね…食事処行って食材買って作ろう」



 ———人参とベリーを買った


 再び雪だるまの元へ行き、目と鼻を付けた


 「…これで家具貰えたりは———」


 「しませんよ」


 DIYレシピも勿論貰えない


 百二十センチくらいはあるだろうか大きな雪だるまたちは、お互い肩を寄せ合いながら入口付近の屋根の下に佇んでる


 「俺たちみたいだよね、まるで」


 「ふふっ、そうですね」


 「だけどひとつだけ俺たちと大きな違いがあるのは……」


 あるのは…なんでしょう?と少し考えた


 「———永遠に居なくならないことだね」



 かなたさんは雪だるまたちに習うよう私の肩を抱き寄せて、しばらく雪だるまたちを眺めていた




 不思議なことに、この雪だるまたちは四月に入るまで溶けずに佇んでいたという…




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