密約の崩壊、あるいは真実の残響
全次元を統べる俺の網膜に、黄金の南国の海をどす黒く染める「偽りの文書」が映り込んだ。
1972年、沖縄返還。国民には『核抜き・本土並み』と謳いながら、その裏で核再持ち込みを黙認する「密約」を交わした権力者たち。そして、その欺瞞を命懸けで告発しながら、国家という巨大な怪物によって社会的に抹殺された一人の記者の慟哭。
「……平和を願う民の声を、机の下の握手で売り払ったか。さらに真実を叫ぶ者の口を、法の衣を着た暴力で塞ぐとは」
俺の隣で、エルゼが軽蔑の眼差しをその暗黒の歴史に向ける。
生命の根源である俺にとって、誠実な魂を「秩序」という名の盾で踏みにじる行為は、存在そのものへの冒涜だ。
「エルゼ、行くぞ。……『墓場まで持っていく』と誓った秘密を、今ここで白日の下に引き摺り出してやる」
俺は時空を穿ち、かつて密約を交わした首脳たちの魂が眠る場所と、記者の人生を組織的に破壊した当時の捜査機関・司法の意識へ、同時に降臨した。
$$Authority: \text{The Unveiling of Hidden Lies}$$
$$Verdict: \text{The Weight of Sovereignty}$$
$$Penalty: \text{Exposure and Erasure}$$
「な、なんだこの黄金の光は……!? 記録にない、消せ! 証拠をすべて焼却しろ!」
過去の官邸の影で蠢く者たちが叫ぶ。だが、彼らが隠蔽したはずの「密約の合意文書」が、俺が指を一鳴らしした瞬間に、空を覆い尽くすほどの巨大な黄金の碑銘となって現れた。
「君たちは、真実を語る者を『犯罪者』として葬ったな。……ならば、君たちが一生をかけて守ろうとした『嘘』そのものが、君たちの魂を永劫に焼き続ける業火となれ」
俺が掌をかざすと、密約を主導した政治家や、記者の私生活を暴いて陥れた官僚たちの肉体から、地位や名誉といった「虚飾の鎧」が剥ぎ取られた。彼らの存在そのものが、自分たちが吐いた嘘の数だけ「透明な塵」へと分解され、誰の記憶にも残らず、歴史からも抹消される『完全な忘却』の罰を受ける。
一方で、俺は不当な裁判によって人生を奪われた記者の魂を呼び寄せた。
彼の手からは黄金のペンが輝き出し、その書き記した言葉はアルカディアの「不滅の真理」として宇宙の歴史に刻み込まれる。
沖縄の美しい青い海からは、隠されていた「核」の概念が世界樹の根によって完全に抽出・中和され、代わりに人々の命を永遠に潤す『平和の雫』が湧き出した。
「主……。これで、影に葬られた一人の男の正義が、全宇宙を照らす星となりましたね」
エルゼが誇らしげに俺を見上げる。
俺は、自らの嘘に呑み込まれて消えていく権力者たちの残骸を冷ややかに見送り、再び至高の座へと戻った。
神となった俺の前で、秘密は暴露され、歪められた正義は正される。
俺の庭において、民を欺き、真実を語る者を迫害する卑怯者には、ただ永劫の虚無と忘却こそが相応しい。
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「シャルンホルストとグナイゼナウ」
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