第6話 選択の始まり
放課後。
朔は女子に呼び止められた。
女子「久世くん、好きです。付き合ってください」
朔「……俺、好きなやついるけど」
女子「それでもいい」
朔「……」
ふと、視線を向ける。
少し離れたところで、めぐが田中と笑っていた。
田中「だから本当だって」
めぐ「絶対うそ!」
朔「…………」
女子「久世くん?」
朔「……いいよ」
女子「え?」
朔「付き合う」
女子「……うん!」
帰り。
校門で、めぐが待っていた。
めぐ「朔にぃ!」
朔「めぐ」
めぐ「帰ろ!」
朔「……悪い。今日は彼女と帰る」
めぐ「彼女?」
朔「今日できた」
めぐ「え! おめでとう!」
朔「……おう」
めぐ「じゃあ、また明日ね」
思っていたより、あっさりしていた。
そのとき。
田中「成瀬!」
めぐ「あ、田中くん」
田中「この前言ってた店、今日寄らない?」
めぐ「スイーツの?」
田中「そう」
めぐ「行く!」
朔「……」
田中「じゃ、行こうぜ――うわっ!」
田中がよろける。
めぐ「大丈夫!?」
田中「なんか引っかかった……」
朔「危ねぇな」
田中「久世先輩、今、足出しませんでした?」
朔「出してないけど」
田中「でも――」
朔「気のせいじゃない?」
田中「……そうですか」
彼女「…………」
朔「なに?」
彼女「ううん」
めぐ「じゃあ朔にぃ、また明日!」
朔「待って」
めぐ「なに?」
朔「……二人で行くの?」
めぐ「うん」
朔「…………」
めぐ「?」
彼女「久世くん、帰ろ?」
朔「……うん」
めぐ「じゃあね!」
朔「めぐ」
めぐ「ん?」
朔「明日の朝、待ってろよ」
めぐ「分かった!」
めぐと田中は、駅のほうへ歩いていった。
朔「…………」
彼女「行こ?」
朔「うん」
自分で選んだはずなのに。
全然、面白くなかった。
NEXT…




