第11話 背徳感
シャワー室。
朔「…………」
めぐのシャンプー。
ボディソープ。
タオル。
全部、めぐが毎日使っているもの。
朔「……これか」
シャンプーを手に取る。
ふたを開けると、いつもの香りがした。
朔「…………」
少しだけ笑う。
朔「やっば」
シャワーを出す。
さっきのめぐの顔が浮かんだ。
近づいても、逃げなかった。
キスされると思ったときの顔。
指についたクリームを舐めたときの顔。
口元をなぞった指。
指の感触がまだ残っていた。
その手を使ってこのシャワー室で
抑えきれなかったものを処理をした。
朔「…………」
シャワーの温度を下げる。
それから――
少し長めに、時間が過ぎた。
ここで、まためぐがシャワーをするんだと
上がった後の背徳感がたまらなかった。
めぐ「長かったね」
朔「そう?」
めぐ「スッキリした?」
朔「…………」
めぐ「なに?」
朔「その言い方やめて」
めぐ「なんで?」
朔「なんでもない」
めぐ「?」
朔「ケーキ残ってる?」
めぐ「あるよ」
朔「食お」
めぐ「うん」
二人で残りのケーキを食べる。
めぐ「生ものだから、今日中に食べないとね」
朔「…………」
めぐ「また黙った」
朔「なんでもない」
めぐ「変なの」
ケーキを食べ終えると、朔は立ち上がった。
朔「じゃ、帰る」
めぐ「うん。おやすみ」
朔「おやすみ」
隣の部屋へ帰っていく。
めぐは最後まで知らなかった。
シャワー室で、朔が何を冷ましていたのか。
NEXT…




