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探偵と浮世

 作家に画家など、浮世離れしている職業と言うものの代表格とも言うべき職業ではあるけれど、探偵は、お嬢様の望む、探偵と言う職業も、負けず劣らず浮世離れしていると言えなくもない。


 浮世離れしていると言う事は、職業としてのプラスはあるかもしれない。

 泊付、キャラ付け、アピールポイント、人とは違うということで、何かしら得るものがあるだろう。


 しかし、浮世離れしていると言う事は、世の中から浮いていて、人から離れていると言う事だ。


 例えば作家や画家ならば売れていなければ、広く名を知られていなければ、価値が無いみたいに思われるだろう。

 探偵ならば、事件を解決していなければ、価値が無いだろう。


 最も、自分が納得していれば、自信があれば、周りの目など気にも止める事も無いだろうけれど、人とは、少なくとも僕自身は、僕に探偵の価値がおそろしいほど無く、自信というものを持つことすら出来ていない。


 つまりは、唯でさえ苦手な対人関係において、浮世離れもっと言ってしまえば、胡散臭いことこの上ない探偵と名乗らないといけないと言う事である。


 今更ながら、胡散臭い状況のもとで、この和歌子お嬢様の屋敷にいたんだと思うと、何やら恥ずかしい気持ちが、ふつふつと湧きでてくる。


 ほんとうに今更ながらに、こんな気分になったのは、パーティーも、明後日へと迫る頃には、普段より多く、人が出這入りしているし、川中さん以外のメイドの人数も増えていたりしたのが、原因の一つだろう。


「胡散臭いあなたが、いるというメイドさん達の方が、心労があるんですよ」


 その様な事を緑川さんや川中さんに言われるのは、まだしも胡散臭いという点では、ロボ和歌子初号機の方だと言うのに、ロボ和歌子初号機にも言われてしまった。


 ロボ和歌子初号機は、パーティーのお披露目の名目で、一目のつかない様に、部屋で大人しくしているので、その反動なのかもしれないと、およそ納得できない部分では歩けれども、飲み込もうと思う。


 そして、胡散臭い僕が、足取り重く、気分も重くしながらも、向かわないといけない場所へと足を運んでいる。


 ロボ和歌子初号機が同伴していないのが、幸か不幸かはわからないが、僕は、和歌子お嬢様のご両親が待つ部屋の扉をノックした。


 こんなにも気分が思いのに、世の中から浮いているというのもおかしな話ではあるのだが。

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