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WAY HOME ――行き場をなくした僕らの、小さな食卓――  作者: 和泉發仙


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90/105

断られた日のこと

第90話 断られた日のこと


前書き


「嫌なら断っていい」


そう言うのは簡単だ。


けれど、本当に断られた時。


がっかりしないか。

不機嫌にならないか。

相手を見る目を変えないか。


「断っていい」という言葉が本物だったかどうかは、そのあとの態度で分かる。


⸻


 石田誠が初めて正義の頼みを断ったのは、雨の日だった。


 正義は十七歳になっていた。


 倉庫の仕事を始めて二年近くが経ち、もう誰も彼を子ども扱いしなくなっていた。


 朝から降り続いていた雨は、夕方になっても弱くならなかった。


 倉庫のトタン屋根を雨粒が叩き続け、搬入口から吹き込んだ湿った風が、積み上げられた段ボールの端をわずかに揺らしている。


「木島、こっち終わったぞ」


「じゃあ三番閉めて。鍵、事務所に置いといて」


「おう」


 正義は伝票を確認しながら答えた。


 少し離れたところでは、誠が空になった台車を壁際へ戻している。


 十四歳だった誠も、もう十五になっていた。


 相変わらず細かったが、倉庫へ初めて来た頃より背が伸びていた。髪も以前ほど無造作ではなくなり、給料日に自分で買った紺色のジャンパーを着ている。


「誠」


「はい」


「終わったらちょっと来い」


「分かりました」


 正義は机の引き出しを開けた。


 中には封筒が一つ入っていた。


 茶色い、何の変哲もない封筒だった。


 正義はそれを手に取った。


 昼過ぎ、坂口から頼まれていた。


『俺、今日はそっち戻れねぇ。悪いけど一件頼めるか』


「何」


『封筒届けてほしい』


「どこ」


 店の名前を聞いた。


 正義は知っていた。


 駅から少し離れた雑居ビルの二階。


 以前にも何度か行ったことがある。


 表向きは小さな金融関係の事務所だったが、そこで交わされている話が、倉庫の荷運びとはまったく違う種類のものだということくらいは、もう正義にも分かっていた。


「俺が行けばいい?」


『できればな。ただ、今日は遅くなるんだろ』


「まだ分かんねぇ」


『無理なら誰かに頼んでくれ』


「誰でもいいの?」


『中身開けなきゃな』


 坂口はそう言った。


 正義は、その言葉を特におかしいとは思わなかった。


 だから誠を呼んだ。


「何ですか」


 仕事を終えた誠がやってくる。


「これ、届けてくれねぇ?」


 正義は封筒を差し出した。


 誠は受け取らなかった。


「どこです?」


「駅裏の三崎ビル。二階」


 誠の目が、一瞬だけ動いた。


「……あそこですか」


「知ってんの?」


「前、一回行きました」


「なら話早ぇな」


「木島さんと一緒に」


「そうだったか?」


「はい」


 正義は覚えていなかった。


 誠は封筒を見た。


「誰に渡すんですか」


「榊って奴」


「中、何ですか」


「知らねぇ」


 誠は黙った。


「開けんなよ」


「いや……」


「何だよ」


 誠は視線を落とした。


「俺、それ、行きたくないです」


 正義は、最初は意味が分からなかった。


「何?」


「あそこ、嫌です」


「渡して帰ってくるだけだぞ」


「でも、嫌です」


「何かされたのか」


「されてないです」


「じゃあ何だよ」


 誠は答えなかった。


 雨音だけが聞こえた。


 正義は封筒を持ったまま、誠を見た。


「別に危ねぇ仕事じゃねぇよ」


「……」


「俺も何回も行ってる」


「はい」


「じゃあいいだろ」


 誠は小さく首を振った。


「できません」


 その言葉に、正義の胸の奥で何かが引っかかった。


「できねぇって何だよ」


「そのままです」


「お前、今までこういうの何回もやってんだろ」


「でも、今日は嫌です」


「理由は?」


「……分かんないです」


「分かんねぇのに断るのか?」


 誠の肩が少し縮んだ。


 それを見て、正義はさらに苛立った。


「嫌なら断っていいって言っただろ」


「だから断ってます」


 正義は言葉を失った。


 誠も、言ってからまずかったと思ったのだろう。


 視線を逸らした。


 正義の口から、次の言葉が出た。


「……あっそ」


 それだけだった。


「じゃあいい」


「木島さん」


「いいって言ってんだろ」


 正義は封筒を机へ放った。


「帰れよ」


 誠はしばらく立っていた。


「すみません」


「別に」


「……」


「何だよ」


「何でもないです」


 誠は頭を下げ、倉庫を出ていった。


 正義は追わなかった。


 怒鳴らなかった。


 殴らなかった。


 給料を減らしもしなかった。


 仕事を辞めろとも言わなかった。


 だから、自分はちゃんと「断らせた」と思った。


 その時は。


         *


「これ、どっちに入れるんですか?」


 現在。


 敦は台所で、二つの保存容器を持ったまま前原に尋ねていた。


「何が」


「昨日の照り焼き。こっち冷蔵で、こっち冷凍って書いてありますけど」


「明日の昼に食うなら冷蔵」


「誰が?」


「知らん」


「知らないんですか」


「余ったから残してんだよ」


 敦は冷蔵庫を開けた。


 グエンのプリンには、昨日追加された大きな文字で、


『ウゴカスナ』


 と書かれている。


 その隣には、翔太のヨーグルト。


 さらに奥に、誰のものか分からない小さな紙袋があった。


「これ誰のです?」


「知らん」


「ヨシさん、知らないこと多いですね」


「俺を冷蔵庫の管理人だと思うな」


「昨日プリン動かしたじゃないですか」


「一回だけだろ!」


 敦が紙袋を取り出すと、中には二個のおにぎりが入っていた。


 ラップの上に油性ペンで、


『朝』


 とだけ書いてある。


「これ?」


 和子が台所へ入ってきた。


「ああ、それ翔太の」


「朝?」


「今日、早番なんだって」


「じゃあ持っていくやつですか」


「たぶん」


 敦は時計を見た。


 六時二十分。


 翔太はまだ起きてこない。


「起こしてきます」


 敦が言うと、和子が首を傾げた。


「七時に出るって言ってたよ」


「じゃあまだ大丈夫か」


「本人が六時半に目覚ましかけてる」


「……じゃあ、起こさなくていいですね」


「そうね」


 敦は紙袋を元へ戻した。


 以前なら、念のため起こしに行っていたかもしれない。


 寝坊したら困る。


 仕事に遅れたら困る。


 そう考えて。


 けれど、目覚ましをかけるところまで翔太が自分でやっているなら、まず任せてみればいい。


「岡野」


「はい」


「昨日の須賀、どうだった」


「求人票を三つ見ました。一つは時間的に難しそうで、一つは本人が電話してみるって」


「お前が電話しなかったのか」


「しませんでした」


「そうか」


 前原は味噌汁をかき混ぜた。


「ちょっと心配ですけど」


「何が」


「本当に電話するかなって」


「しなかったら?」


「……その時また考えます」


「それでいい」


 敦は頷いた。


 そこで、昨日の話を思い出した。


「ヨシさん」


「何だ」


「石田さんの話」


 前原の手が止まった。


「朝からかよ」


「昨日、いいところでプリンに持っていかれたので」


「俺のせいじゃねぇだろ」


「プリン動かしたのヨシさんですよ」


「話が混ざってんだよ!」


 敦は笑った。


 前原は味噌汁の火を弱めた。


「……あいつが一回、俺の頼みを断ったって話か」


「はい」


「俺、怒った」


「怒ったんですか」


「怒鳴ってはいねぇ」


「でも怒った?」


「ああ」


 前原は鍋の蓋を閉めた。


「断っていいって、俺から言ってたくせにな」


         *


 翌日。


 誠はいつもどおり倉庫へ来た。


「おはようございます」


 正義は伝票を見たまま答えた。


「おう」


 それだけだった。


 いつもなら、


「三番からやれ」


 とか、


「昨日の残り、先に片づけろ」


 とか、何かしら言っていた。


 その日は言わなかった。


 誠も何も聞かなかった。


 自分で周囲を見て、空いている台車を持っていった。


 昼。


「木島さん」


「何」


「午後の便、俺どっち乗ればいいです?」


「知らねぇ。田村に聞け」


「……分かりました」


 正義は顔を上げなかった。


 夕方。


「これ、どこ置きます?」


「好きにしろ」


「……はい」


 誠は離れていった。


 正義は、自分が何をしているのか分かっていた。


 分かっていて、やめなかった。


 誠が頼みを断ったことが気に入らなかった。


 自分なら行った。


 坂口に頼まれたら、多少嫌でも行った。


 それなのに、自分が頼んだ相手は行かなかった。


 正義の中で、そのことが妙に引っかかった。


 恩知らずだ、とまでは思わなかった。


 だが、


 ――俺がどれだけ教えたと思ってんだ。


 そんな気持ちは、確かにあった。


 三日目。


 坂口が倉庫へ来た。


「正義」


「何」


「お前、誠と喧嘩したのか」


「してねぇ」


「じゃあ何だ、あれ」


 坂口が顎で示した。


 倉庫の奥で、誠が一人で荷物を仕分けている。


「別に」


「お前、あいつに何も振ってねぇだろ」


「自分でできんだろ」


「そういう話じゃねぇ」


「何だよ」


 坂口は正義を見た。


「何があった」


「……仕事断られた」


「何の」


「封筒」


「三崎ビルの?」


「ああ」


「お前、誠に頼んだのか」


「誰でもいいって言っただろ」


「言ったけどよ」


「嫌だって言うから、別に行かせてねぇよ」


「それで三日無視してんのか」


「無視してねぇ」


「同じだろ」


 正義は黙った。


「お前、あいつに嫌なら断れって言ってたんじゃねぇのか」


「言ったよ」


「断ったじゃねぇか」


「だから行かせてねぇだろ!」


 正義の声が倉庫に響いた。


 誠が一瞬こちらを見た。


 正義は舌打ちし、声を落とした。


「……行かせてねぇ」


「その代わり、断った後で態度変えてんだろ」


「変えてねぇよ」


「変わってる」


 坂口は言い切った。


 正義は反論できなかった。


「正義」


「何だよ」


「断れるってのはな、断った後も同じじゃねぇと意味ねぇぞ」


 正義は坂口を睨んだ。


「お前がそれ言うのかよ」


 坂口は黙った。


「俺がお前の頼み断れなかった時もあっただろ」


「……あったな」


「じゃあ偉そうに言うな」


「そうだな」


 あっさり認められて、正義の方が困った。


「俺もできてねぇ。だから言ってんだよ」


 坂口はそう言った。


 正義は何も返さなかった。


         *


 午前十一時。


 須賀から敦のスマートフォンへメッセージが届いた。


『電話しました』


 続けて、


『明後日、話を聞きに行きます』


 敦は思わず立ち上がった。


「おお」


「何だ」


 前原が新聞から顔を上げる。


「須賀、電話したって」


「そうか」


「明後日、面接……じゃないな。話を聞きに行くみたいです」


「そうか」


「一人で」


「そうか」


「ヨシさん、それしか言わないですね」


「何て言えばいいんだよ」


「もうちょっとこう、よかったな、とか」


「本人に言え」


「それもそうですね」


 敦は返信を打った。


『お疲れさま。明後日、何時?』


 送信しかけて、止まった。


 何時かを聞いてどうするのだろう。


 同行する約束はしていない。


 須賀も頼んでいない。


 敦は文章を消した。


『お疲れさま。電話できたんだね。話を聞いてきて、また必要なら一緒に整理しよう』


 送った。


 しばらくして、


『はい』


 と返ってきた。


 それだけだった。


「何ニヤニヤしてんだ」


「してませんよ」


「してる」


「ヨシさんも昨日言いましたよ、それ」


「お前、最近いちいち覚えてんな」


 前原が新聞へ視線を戻した。


 敦もスマートフォンを置いた。


 嬉しかった。


 須賀が自分で電話できたことが。


 でも、その嬉しさを理由に、次の行動まで敦が決める必要はない。


 そこまでは、少しずつ分かるようになってきた。


         *


 正義はその日の夕方、誠を呼んだ。


「誠」


「はい」


「ちょっと来い」


 誠の顔が固くなった。


 その表情を見て、正義は胸の奥がざらついた。


 以前なら、名前を呼べばすぐ近づいてきた。


 今は、何を言われるのか警戒している。


「何ですか」


「……この前の」


「はい」


「封筒」


「はい」


 正義は言葉に詰まった。


 謝るつもりで呼んだわけではなかった。


 というより、どう謝ればいいのか分からなかった。


「何で嫌だったんだ」


 結局、そんなことを聞いた。


 誠は少し考えた。


「あそこ、怖いんです」


「何が」


「前に木島さんと行った時、奥で誰か殴られてたから」


 正義は黙った。


 覚えていなかった。


「見たのか」


「はい」


「何で言わなかった」


「木島さん、普通にしてたから」


 正義は返す言葉を失った。


「俺が?」


「はい。だから、あれくらい普通なのかなって」


「……普通じゃねぇよ」


「でも木島さん、何も言わなかった」


 その通りだった。


 正義にとって、その頃には珍しくない光景になっていた。


 怒鳴り声。


 金の話。


 誰かが殴られる音。


 見ないふりをして通り過ぎること。


 いつの間にか、それが普通になっていた。


 だが誠にとっては、普通ではなかった。


「だから、一人では行きたくなかったです」


「……そうか」


「すみません」


「何で謝んだよ」


「断ったから」


 正義は息を吐いた。


「それは……俺が断っていいって言ったんだから、謝んな」


 誠は正義を見る。


「でも、木島さん怒ってたじゃないですか」


「……」


「俺、もう頼まれないのかなって思ってました」


 正義はその言葉を聞いて、初めて分かった。


 自分が、坂口に対して感じていたのと同じことを。


 今度は誠が、自分に感じていた。


「悪かった」


 声が小さくなった。


「え?」


「聞こえただろ」


「もう一回言ってください」


「調子乗んな」


 誠が少し笑った。


 正義も、わずかに口元を緩めた。


「明日、普通に来い」


「はい」


「別に、ああいう仕事やらなくても、倉庫の仕事はある」


「はい」


「あと」


「何ですか」


「嫌な理由、言いたくなきゃ言わなくてもいい」


 誠は少し考えた。


「でも、聞いてもらった方がよかったです」


「そうか」


「木島さん、聞く前に怒るから」


「うるせぇ」


「ほら」


「お前な!」


 誠は笑いながら逃げた。


 正義は追わなかった。


 その日のことを、前原は長い間、比較的「うまくやり直せた出来事」として覚えていた。


 実際、その後もしばらく誠は倉庫へ来た。


 二人の関係も戻った。


 だからこそ。


 前原は後になって知ることになる。


 一度うまくできたからといって、次も同じようにできるとは限らない。


         *


 夕方、翔太がコンビニの制服を入れたバッグを肩に掛けて、玄関へ向かっていた。


「行ってきます」


「おう」


 前原が答える。


「翔太」


 和子が冷蔵庫から朝のおにぎりを取り出した。


「これ」


「あ」


 翔太が止まった。


「忘れてた」


「持ってく?」


「……今日、店で廃棄もらえるかもしれないんですよね」


「じゃあ置いとく?」


「はい。帰ってから食べます」


「分かった」


 和子はそのまま冷蔵庫へ戻した。


 前原が言った。


「腹減るぞ」


「大丈夫です」


「持ってけよ」


「ヨシさん」


 敦が横から呼んだ。


「何だ」


「断ってますよ」


「……」


 前原が翔太を見る。


 翔太も前原を見る。


「何だよ」


「いや」


 前原は頭を掻いた。


「じゃあ、いらねぇならいい」


「はい」


「でも腹減ったら何か食えよ」


「分かってます」


「金は?」


「あります」


「そうか」


「行ってきます」


「おう」


 翔太が出ていった。


 扉が閉まる。


 敦は前原を見る。


「何だよ」


「できてるじゃないですか」


「何が」


「断られたあと」


「うるせぇ」


 前原は台所へ戻った。


 敦は笑った。


「石田さんとは、その後どうなったんですか」


 前原の足が止まった。


「……しばらく一緒に働いてた」


「しばらく?」


「ああ」


 前原は冷蔵庫を開けた。


 中を見るでもなく、しばらくそのまま立っていた。


「俺が十八になる前だったかな」


 敦は黙って待った。


「あいつ、倉庫を辞めた」


「何かあったんですか」


「俺が頼んだ仕事を、また断った」


 敦は前原を見る。


「今度は?」


「今度は、俺がうまくできなかった」


 前原は冷蔵庫を閉めた。


「それっきりだ」


「……」


「少なくとも、俺が知ってる限りじゃな」


 敦はそれ以上聞かなかった。


 前原も話さなかった。


 台所では、和子が夕食の鍋に火を入れている。


 ますみが奥の部屋から出てきて、食卓の隅にスケッチブックを置いた。


 グエンが帰ってきて、冷蔵庫を開けた。


「プリン、アル!」


「当たり前だ!」


「ヨシ、ウゴカシテナイ!」


「動かしてねぇよ!」


「エライ!」


「何でお前に褒められなきゃなんねぇんだ!」


 敦が吹き出した。


 前原は文句を言いながら、食卓に皿を並べ始めた。


 断られたからといって、次の日の飯がなくなるわけではない。


 頼みを聞かなかったからといって、名前を呼ばれなくなるわけではない。


 そんな当たり前のことを、前原は十七歳の時に一度だけ学んだ。


 そして、一度学んだはずのことを、後になってまた間違えた。


 人は、一度分かっただけでは変わらない。


 たぶん何度も間違えて、何度も覚え直す。


 敦は食卓へ皿を置いた。


 玄関の外は、また雨が降り始めていた。


⸻


後書き


第90話でした。


石田誠は、正義から頼まれた封筒の配達を断りました。


正義は「嫌なら断っていい」と言っていました。実際、無理やり行かせることもしませんでした。


しかし、その翌日から態度を変えてしまいます。


命令しなくても、脅さなくても、「断ったら関係が悪くなる」と相手に思わせてしまえば、次から本当に断れるのか。


今回の正義は坂口に指摘され、誠本人から理由を聞くことで、一度はそれに気づくことができました。


一方、現在の翔太は前原に「おにぎりを持っていけ」と言われても普通に断り、前原も最終的には「じゃあいい」と引きました。


昔できなかったことが、何十年も経てば自然にできることもあります。


ただ、前原と石田の話は、これで終わりではありません。


前原自身が言ったように、石田は後にもう一度、彼からの頼みを断ります。


そしてその時、若い木島正義は同じようには振る舞えませんでした。


次回は、現在の敦が前原のいない時間に一つの相談を受けます。


「ヨシさんならどうするだろう」ではなく、自分で考え、自分で誰かに頼む。


敦が少しずつ、前原の隣ではなく、自分自身の足で人と向き合い始めます。

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