ヨシさんの昔
前書き
昔の知り合いというのは厄介だ。
今の自分を知っている人じゃない。
昔の自分を知っている。
忘れたかったことも。
見なかったことにしたかったことも。
全部知っている。
第31話です。
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第31話 ヨシさんの昔
黒岩誠司は、
勝手に椅子へ座った。
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「相変わらず狭ぇな」
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前原は煙草を咥える。
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「帰れ」
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即答だった。
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黒岩は笑う。
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「冷てぇなぁ」
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川本が頭を掻く。
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「兄貴、
連絡くらいして下さいよ」
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「面倒臭ぇ」
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「その理屈で来るな」
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藍たちは完全に置いていかれていた。
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ますみが小声。
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「誰」
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敦も小声。
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「たぶん昔の知り合い」
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黒岩は部屋を見回す。
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ホワイトボード。
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地図。
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ギター。
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絵。
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若い連中。
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「面白ぇ場所だな」
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前原は無言。
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黒岩は煙草を取り出す。
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「吸うぞ」
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「勝手にしろ」
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「許可取った」
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木戸が吹き出した。
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しばらくして。
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自然と。
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若い組と大人組に分かれた。
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藍。
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「絶対ヤバい人だよね」
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カナコ。
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「絶対ヤバい人だな」
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ますみ。
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「怖い」
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グエン。
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「コワイ!」
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全員一致だった。
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一方。
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窓際。
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前原。
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川本。
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黒岩。
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空気が違う。
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黒岩が言う。
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「何年だ」
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「知らん」
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「嘘つけ」
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前原は煙を吐く。
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「十五年くらいだろ」
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川本が苦笑する。
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「もっとじゃないですか」
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「どうでもいい」
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黒岩は少し笑った。
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「相変わらずだな」
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少し沈黙。
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黒岩が部屋を見る。
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「ヨシ」
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「なんだ」
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「楽しそうじゃねぇか」
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前原は返事をしない。
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でも。
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否定もしない。
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その時。
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ますみが敦へ聞く。
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「前原さんって」
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「うん」
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「何してた人なの」
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敦は少し困った。
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知らない。
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本当に。
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ただ。
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前原本人は語らない。
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川本も語らない。
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だから。
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聞いてはいけない気がしていた。
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しかし。
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木戸が行く。
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「ヨシさん」
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全員。
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(行った)
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前原が見る。
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「なんだ」
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「昔何してたんすか」
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ど直球。
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川本が吹き出す。
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黒岩が笑う。
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前原だけ無表情。
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「バカやってた」
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終わり。
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「いや雑」
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木戸が抗議する。
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前原は煙草を咥える。
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「お前らもそのうち分かる」
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「何が」
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「若い頃の自分思い出したくねぇ気持ち」
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事務所が静かになる。
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意外だった。
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前原らしくない。
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少しだけ。
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本音だった。
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黒岩がぼそっと言う。
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「昔はもっと暴れてたぞ」
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前原。
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「うるせぇ」
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「カー坊なんか泣かされてた」
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川本。
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「言うなって」
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全員爆笑。
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「え!?」
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木戸。
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「川本さん泣くの!?」
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「泣かねぇよ!」
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「泣いてた」
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「兄貴!」
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大混乱。
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グエン大喜び。
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「カー坊!」
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「やめろ!」
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事務所が笑いに包まれる。
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ますみも笑っていた。
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藍も。
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敦も。
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そして。
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その光景を見ながら。
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黒岩は少しだけ目を細めた。
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昔。
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こんな場所は無かった。
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居場所なんて無かった。
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飯を食う場所はあった。
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寝る場所もあった。
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でも。
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こんな風に。
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何もしなくても来ていい場所は無かった。
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黒岩は小さく言った。
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「良いことしてんじゃねぇか」
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前原は鼻で笑う。
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「してねぇよ」
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「してる」
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少し沈黙。
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黒岩は窓の外を見る。
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高架線。
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電車。
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夜の街。
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そして。
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最後に。
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小さく言った。
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「だからこそ、
面倒な話持ってきたくなかったんだけどな」
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前原の目が変わる。
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川本も。
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空気が少し変わる。
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若い連中は気づいていない。
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でも。
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敦だけは感じた。
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何か来る。
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たぶん。
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前原たちの過去から。
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後書き
第31話でした。
今回は前原編の導入。
黒岩は単なる元組関係ではありません。
実は、
前原と川本が今も生きている理由の一つでもあります。
そして次回。
黒岩が持ってきた
「面倒な話」
が少しずつ明らかになります。
ただし。
この物語なので、
抗争ではありません。
もっと現実的で、
もっと厄介な話です。




