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天国の道徳

第1章:審判者の真実

2025年1月1日、水曜日。

新年の初日を覆う灰色の空の下、湿気とカビの臭いが充満する薄暗い路地が、残虐な舞台と化した。

若者たちの下品な笑い声が、静まり返った空間に虚しく響く。

「見てみろよ、あの顔。貧乏なくせに気取っちゃってさ!」

一人が大笑いしながら、被害者のボロボロの鞄を奪い取り、汚れた水溜まりに投げ捨てた。

「他人の外見や家柄をネタにして笑うのは、自分が神様になったつもりか? ちっとも面白くないぞ。」

崩れた壁の後ろから、低く冷たい声が響いた。

いじめグループが動きを止めた。リーダーが声を荒げる。

「誰だ、お前?」

虚空から影が現れた。深淵のような瞳が、彼らを腐敗した生き物のように見つめている。

「天国はお前たちを拒絶した。」

瞬間、周囲の空間が歪んだ。

黒く粘つく無数の腕が地面から這い上がり、罪人たちの足首を掴んだ。彼らは絶叫し、虚空を引っ掻いたが無駄だった。体は地面を引きずられ、でこぼこした路面を滑り、審判者の足元に集められた。

ユモンカエドラはそこに立っていた。死神の彫像のように静寂を湛えて。

最後の被害者が靴のすぐそばまで引きずり込まれると、彼は静かに足を上げた。

ドスッ!

罪にまみれた頭蓋が、熟れすぎたスイカのように砕け散った。

濃い赤い血が大地に染み込み、他人の尊厳を嘲笑った者たちの存在を終わらせた。

瓦礫の真ん中に、テヒモシンが現れた。

風に髪をなびかせ、唇には謎めいた微笑を浮かべている。

「君がユモンカエドラだね。人を装った悪魔を狩り続ける者。」

ユモンカエドラは振り向かず、手に残る死の気を纏ったままだった。

テヒモシンは続ける。その声は長い起訴状を読むかのように響いた。

「同胞を拷問するのを厭わない者たち、幼い子供すら平気で殺す血に飢えた者たち。

麻薬の幻覚で人間性を失い、被害者が意識のあるまま四肢を切断し、首を切り落とす者たち……

酒で狂った酔っ払い、人身売買で臓器を抉り、喉を掻き切り、舌を切り取って、痛みと沈黙の中でゆっくり死なせる残虐な者たち……

君はそうした連中を皆、殺してきた。そうだろう?」

ユモンカエドラがようやく振り向き、鋭い視線を向けた。

「そうだ。で、お前は誰だ?」

「私は『四聖』の関係者だ。あのグループは完全に壊滅したと伝えに来た。」

「誰がやった?」

「『神の子ら』という連中だ。安心してくれ。」

テヒモシンは一歩近づき、軽やかな声で言った。「そのグループは私が倒した。」

ユモンカエドラが目を細める。

「君は俺たちの側に立つのか?」

「その通りだ。私も人間性を失った者たち、人の資格を失った者たちを裁く者だ。」

完璧な嘘が、恐ろしいほど平然と紡がれた。

「私に何を求める?」

「何も求めない。ただ、君と同じ道を共に歩きたいだけだ。」

ユモンカエドラは長い間沈黙した後、背を向けて歩き出した。

「……好きにしろ。」

二つの影が街路を歩く。

水飲み場を横切ると、友人グループが集まり、失恋してうつ伏せに泣く青年を笑いものにしていた。

「親友が失恋したのをネタにするなんて、本当に下らない。」

ユモンカエドラが吐き捨てるように呟き、嫌悪を露わにした。

テヒモシンはその群衆を一瞥し、鋭い皮肉を込めて言った。

「表面上は笑ってるけど、裏では互いに散々悪口を言ってる連中さ。」

ユモンカエドラが足を止め、新たな相棒を見た。

冷たい瞳に、一瞬の共感がよぎる。

「君もそう思うのか。思ったより俺たち、似てるみたいだな。」

街灯のぼんやりした光の下、二人の審判者は再び夜の闇へと歩みを進めた。

そこでは、最も非人間的な罪が、まだ息を潜めて次の処刑を待っている。


第2章:瓦礫の中の叫び

錆と死の臭いが濃密に立ち込める空気。

ユモンカエドラとテヒモシンは、街外れの廃墟と化した製材所前に立っていた。

建物の中では、薄暗い黄色い照明がチカチカと瞬き、最も残虐な光景を照らし出していた。

そこは、国際的な人身売買と臓器密売組織の巣窟だった。

錆びついた解剖台の上では、被害者たちがまだ意識のあるまま、口を縫い合わされ、恐怖に目を見開いていた。

人間の顔をした屠殺者たちがメスを構え、彼らを切り裂いている。麻酔など使わず、コスト削減のため、被害者たちを生きたまま肉を削ぎ、組織を抉り、眼球をえぐり出していた。

部屋の隅では、薬でイカれた一団が狂ったように笑いながら、マチェーテで幼い子供の四肢を切り落とし、獣欲を満たしていた。

「見えるかい?」

テヒモシンが小声で囁いた。

ユモンカエドラは答えなかった。

彼の体から放たれる殺気が、室内の温度を凍てつかせるほどに低下させていた。

「ゴミどもが。」

ユモンカエドラの足音が腐った床板を踏みしめた。

屠殺者たちが驚いて振り返る。手に生々しい血が滴っていた。

一人の巨漢が血まみれのメスを握り、唸り声を上げた。

「誰だ、このガキは? 臓器を捧げに来たのか?」

ユモンカエドラは無言だった。

その瞬間、罪人たちの足元に広がる影から、無数の黒く痩せ細った腕が這い上がってきた。

それらは単なる物理的な力ではなく、彼らの手によって無惨に殺された数千の怨霊そのものだった。

黒い腕が首、腕、脚に絡みつき、容赦なく彼らを引きずり倒した。

骨が砕ける乾いた音が連続して響く。

どれだけ暴れ、泣き叫び、命乞いをしても、無形の力は彼らをユモンカエドラの足元へと引きずり寄せた。

一人また一人と、肉塊のように積み重ねられ、震える一つの山となった。

「天国はお前たちを拒絶した。」

ユモンカエドラは冷酷に片足を高く掲げ、最初の一人の頭に叩きつけた。

恐るべき圧力が一点に集中する。

頭蓋骨が靴底の下で粉々に砕けた。

グシャッ! グシャッ! グシャッ!

一瞬のうちに、罪に染まった頭部が次々と爆散した。

後悔する暇も、最後の叫びを上げる暇も与えられなかった。

他人を切り刻んでいた者たちが、自分たちも最も惨めな形でこの世を去った。

二つの影は製材所を後にした。

後に残されたのは、死のような静寂と、壊れた扉の隙間を吹き抜ける風の音だけだった。


第3章:橋の下の刑罰

廃工場を後にすると、巨大な高速道路橋の真下に広がる空間が二人の前に現れた。

黒く淀んだ川の上に架かる橋脚の下、風が石の隙間を吹き抜け、湿ったカビ臭と腐ったゴミの臭い、そして安物の薬品の匂いが混じり合っていた。

ここは、覚醒剤や違法薬物で心を蝕まれた者たち、薬物依存による精神分裂を起こした者たちの溜まり場だった。

灰色のコンクリート支柱に落書きが広がる中、注射針と割れた瓶が散乱した空き地は、狂気の地獄と化していた。

上方の街灯から差し込む薄暗い黄色い光の下、恐ろしい光景が浮かび上がる。

骨と皮ばかりに痩せ細った男が、白目を剥き、錆びた包丁を振り回しながら下品に笑っていた。

その足元には、四肢を切断された哀れな被害者が血だまりの中でまだ微かに息をしており、激痛に身をよじっていた。

ユモンカエドラが歩み寄る。

ブーツが砂利を踏みしめる音が、橋脚の間に神の死を告げるカウントダウンのように響いた。

薬物中毒の男が振り向き、よだれを垂らしながら吼えた。

「てめえ……てめえも悪魔か! 目を抉ってやる!」

男は狂ったように突進してきたが、ユモンカエドラの服の端にすら触れる前に、足元の地面が激しく揺れた。

濃密な影の溜まりから、無数の黒く痩せ細った腕が一斉に這い上がった。

氷のように冷たい手が男の足首と手首に絡みつき、暴力的な力で地面に叩きつけた。

男は呆然としたまま体を折り、地面に這いつくばった。

男が我に返る間もなく、黒い腕たちは容赦なく彼を引きずり始めた。

割れたガラスと砂利の上で体が擦り切れる音が響く。

支柱の陰に潜んでいた他の仲間たちも逃れられなかった。数十本の幽鬼のような腕が伸び、すべてをユモンカエドラの足元へと引きずり寄せた。

彼らは互いに積み重なり、震えながら無力に横たわっていた。

ユモンカエドラは足元の罪の肉塊を見下ろし、冷たい声で告げた。

「天国はお前たちを拒絶した。」

彼はブーツの踵を高く掲げた。

踵の接点で真っ黒な死の気が渦を巻き、周囲の空気を歪めるほどの圧力が集中した。

グシャッ!

最初の殺人者の頭に容赦なく踏み下ろした。

千鈞の重みのもと、頭蓋骨は即座に粉砕され、完全に潰れた。

躊躇なく足を上げ、次の標的へ。

黒い腕がすでに運んできた男の頭に、再び踵が落ちる。

頭蓋が砕ける音が規則正しく、容赦なく響き渡った。

ユモンカエドラは最後の一人まで、順番に頭を踏み潰していった。

かつて他人を切り刻んでいた者たちは、自分たちが最も惨めな形でこの世を去り、首のない骸となって正義の靴底の下に残された。

テヒモシンが傍らに立ち、仲間のブーツの下に広がる血溜まりを眺めた。

彼は唇の端を歪め、奇妙な笑みを浮かべた。

「奴らの幻覚も全部踏み潰したな。もう行こう。ここは臭いがきつすぎる。」

ユモンカエドラは振り返り、テヒモシンの謎めいた瞳を深く見つめた。

「君は俺の側に立つと言ったが、こういう罪の光景を前にしても、随分と余裕だな。」

テヒモシンは小さく笑い、夜風に髪を揺らした。

「私は観察者で、君は執行者だ。完璧なコンビだと思わないか?

まだ外には人間性を失った連中が山ほどいる。ここで時間を無駄にする必要はないよ。」

二つの影は橋の下を去った。

後には、二度と罪を犯すことのできない骸だけが残された。

傍らを流れる黒い川は、まるでこの場所の汚れを洗い流すかのように、静かに水を運んでいた。


第4章:無関心の欠片

2025年5月1日、水曜日。

冷たい川辺で、ユモンカエドラは乾いた草の上に背中を預けて横たわり、虚ろな瞳で暗い虚空を見つめていた。

テヒモシンはその隣に静かに横になり、言葉を待っていた。

空間が重く淀む中、ユモンカエドラはゆっくりと口を開いた。過去の記憶の欠片が、彼を今の彼に作り上げたものだった。

「知ってるか、テヒモシン……無関心こそが最も鋭い武器だ。それは人を即座に殺すわけじゃない。ただ、魂を少しずつ削り取り、最後には空っぽの殻だけを残す。」

彼の声は平坦だった。

外国人の父親に胎児の頃から捨てられ、田舎の祖父母に育てられたこと。母親は金を送るために街で働き続け、幼い彼を残したこと。そして学校へ通う日々が、天国ではなく地獄だったことを語り始めた。

「この世界は、私が自我に目覚めた瞬間から、すでに時代遅れで退屈なものだった。」

ユモンカエドラは苦く唇を歪めた。「そこで、生徒も教師も皆、私を娯楽のための玩具として扱った。」

彼は次々と名前を挙げた。愛情ではなく、与えられた痛みによって心に深く刻まれた顔たちだ。

「最初はダムだ。身長165センチのチビデブ。奴はクラスの中で突然『おなら』を爆発させ、それを堂々と私のせいにする専門家だった。『ユモンカエドラのおならはクソみたいだ』『ユモンカエドラのおならで痔が飛び出るぞ』と、下品な嘘を撒き散らし、周りの連中が笑いながら同調した。」

彼は深く息を吸い、次の名前を冷たい声で続けた。

「次はディン。身長180センチの整った容姿をした、病的な変態だ。外面は爽やかだが、陰で女の子の尻を触り、すぐに『ユモンカエドラがやった!』と叫ぶ。

私が『違う、ディンがやった』と説明しても、女の子たちは『あんなイケメンがそんなことするわけないでしょ』と言い、私の頰を平手で叩いた。

そして女の子たちが去った後、ディンは私の耳元に近づき、意味深に囁くんだ。『見た目が大事だよ』と。」

チュンという痩せた170センチの奴は、女の子の前でズボンを下ろし、「小さいチンポ!」と指差して笑った。

ミンという190センチの痩せた奴は、私のズボンに水をかけて「失禁してるぞ!」と騒いだ。

誰もが知っている——男は暴力で、女は言葉でいじめる。

女生徒たちは次々と私にレッテルを貼った。

1.自閉症

2.うつ病

3.ゲイ

4.男娼

5.狂ってる

6.頭がおかしい

7.馬鹿

8.愚か者

9.バカ

10.道化

11.礼儀知らず

12.乞食

13.変態

14.犬

15.弱虫

16.臆病者

17.卑怯者

18.チビ

19.田舎者

20.貧乏人

21.ブサイク

22.汚い

23.役立たず

24.無能

25.廃人

26.半身不随

27.脳みそ腐ってる

28.ゴミ

29.下劣な奴

30.ジジイ

31.のろま

32.孤児

33.クズ

34.雑種

35.気持ち悪い

36.目が自動車のヘッドライトみたいにデカい

教師たちはさらに酷かった。彼らは私の小柄な体格をネタに、授業中に笑いものにした。

37.ある女教師「最近の生徒は勉強ばかりで食べないから、ユモンカエドラみたいにカエルみたいに小さいのね。ははは」

38.ある男教師「小学生が迷い込んできたのか? ははは」

39.女教師「雨が降ったらどこに隠れるの? 風が吹いたら飛んでっちゃうよ」

40.女教師「ユモンカエドラ、君は小さいから、誘拐されて袋に入れられて簡単に売られちゃうね」

41.体育の跳び箱で腿が攣って跳べなかった私に、教師は「この面倒くさい奴。クラスでまだお前だけだぞ。今日中に成績提出なんだから、体育は落第でいいな」

42.別の教師「貧乏人は大概、体が小さいものだ」

そして、腐敗の頂点は「血の手」事件だった。

本当のことは滑稽なほど馬鹿げていた——ロッキーグラスという女子のただのイタズラ。

鶏の血を手に塗り、廊下の壁にべったりと押しつけただけの、陳腐なホラーごっこ。

翌朝、学校中が大騒ぎになった。

そして当然、全員が一斉に私を犯人だと決めつけた。

理由? 私が一番早く登校する生徒だったから。早く来た者が犯人に決まっている——それだけだった。

血痕はすでに乾いて暗い赤色になっていた。明らかに前日の夕方か夜にできたものだ。

私は論理的に説明したが、無駄だった。

トゥイン先生——学校の総責任者——は私を職員室に呼び、穏やかだが冷たい声で言った。

「誰も犯人を名乗り出ないから……君が代わりに罪を被って、学校を落ち着かせてちょうだい。」

その言葉は、まるでナイフのように胸を抉った。

反省文を書かされ、操行点を下げられた後、私は屋上に駆け上がった。

広大な空の下で、嗚咽を漏らしながら泣き崩れた。世界が自分の心を締め付けているように感じた。

あの日以来、私は二度と早く登校しなくなった。

教師の目には、私はただの便利な的でしかなかったのだと悟ったから。

残酷な悪ふざけは終わらなかった。カムとチャンという二人は、いつも私を貶めるネタに使った。

ある時、二人が喧嘩しながら

・チャン「臭いマ○コ」

・カム「臭い脇」

・チャン「どうして知ってるの? 嗅いだの?」

そして新しい玩具を見つけたように、私を呼んだ。

「ユモンカエドラ、こっち来て嗅いでみてよ!」

私は唾を飲み込み、嫌々従った。

二人の女は脇と股間を私の顔に押しつけた。

私は無理やり笑って「何の匂いもしないよ」と言った。

本当は吐き気がするほどの臭いがした。

チャンの脇は酸っぱく、カムは尿の臭いがした。

トイレに入るたび、誰かが嘲る。

「ウンコしに行くの?」

そして皆で私の名前を大声で呼び、注目を集める。まるで安っぽい大道芸だ。

私は心の中で毒づいた。

『奴らは俺のウンコが食べたいのか?』

ある日、理由もなく女子グループに唾と水を混ぜたものを顔に吐きかけられた。

「見てよ、犬みたい!」と笑う。

彼女たちにとって、私は人間ではなく、ただの玩具だった。

転んで倒れた時も、助けるどころか足を掴んで持ち上げ、玩具のように弄んだ。

世界が逆さまになり、血が頭に上り、ズボンが少しずれ、白い肌が露わになった。

私は無駄に足をばたつかせた。

彼女たちの笑顔は、純粋な悪意に満ちていた。

そして、足を引っかけてわざと転ばせる日々。

「ほら、ひっくり返った鶏みたい!」

廊下中に笑い声が響く中、私は拳を握りしめ、ただ自問した。

『俺は何をしたというんだ……?』

教室の物が壊れれば私のせい。

物がなくなれば私が盗んだ。

宿題は私のを写す。

掃除当番も私に押しつけ、一年間ほとんど私一人だけがやっていたが、学校は無関心だった。

ユモンカエドラは現実に戻り、掠れた声で言った。

「誰も私を守ってくれなかった。ただの無関心と見て見ぬふり……

だから今、私はこの世界が……本当に退屈で、味気ないと感じる。

すべてを踏み潰してしまいたいと思うほどに。」

彼は顔を上げ、血走った目で空を見た。

「奴らは私が小さいまま成長しないのを、化け物のように見た。

一方で、170センチ以上あれば、王子や姫扱いだ。」


第5章:草食系少女の出現

ユモンカエドラが軽く肩を動かすと、乾いた草が体の下でざわめき、物語の調べに溶け込んだ。

彼の視線は深い闇に突き刺さり、ある人物が自分の人生を完全に変えた記憶が、鮮明に浮かび上がっていた。

「私はいじめられ続ける一生を受け入れるつもりだった。

しかし、すべてを変える出来事が起きた。高校3年生の時、転校生が現れたのだ。

鞭や罵声などよりも、はるかに吐き気のする存在だった。」

彼は歯を食いしばり、その名前を口にした——ラム・トゥ。

二面性を持つ人間、完璧な偽善者。

純粋で聖女のような仮面の下に、残忍で奸計に満ちた本性を隠していた。

心理操作の達人であり、ユモンカエドラを自分の欲求と勝ち気さを満たすための玩具にしようとした女。

世間では「軽い女は男を魅了する」と言われる。確かにその通りだ。

しかし、ユモンカエドラに対しては、そんな色仕掛けも甘い言葉も一切通用しなかった。

ユモンカエドラは、ラム・トゥが演じた伝説的な「草食系アピール」を思い返した。

ある時、彼は彼女が恋人——建築大学の大学生——とラブホテルから出てくる現場を目撃した。

その瞬間、天使のような草食系少女は悪魔に変わり、「口を割ったら病院送りにしてやる」と脅してきた。

それなのにクラスでは、清純な女子生徒を演じ続け、私の作った料理を「美味しい」と褒め、

「二人で日記を交換しながらお互いを知り合っている」という噂まで流した。もちろん全部嘘だった。

「奴の奸巧さは極めて巧妙だった。」ユモンカエドラは続けた。

「白紙のメモを渡され、『I LOVE YOU』と書けと言われた。私は何も書かずに返した。

すると奴はすり替えた自分のメモを出し、皆の前で悲しげに言ったんだ。『ごめんユモンカエドラ、私たちはただの友達だよ』と。

奴はいつも『目を見ただけで何を考えているかわかる』と言っていたが、私は奴をただ憎悪の眼差しでしか見ていなかった。」

サボテンが欲しくなると、「ユモンカエドラの家にある?」と聞き、「ない」と答えると

「今度家にある時にちょうだいね?」と言い、次の日、恋人がプレゼントしたのに「ユモンカエドラがくれた」と嘘をついた。

その操作は教師にまで及んだ。

持久走の試験(男子500m、女子300m)の時、奴は足を捻ったふりをして免除され、男子に代走を頼んだ。教師はそれを許した。

しかし、500m走り終えたばかりの男子がさらに300m走るなど不可能だった。

結局、ラム・トゥはユモンカエドラに代走を頼み、断ると教師は卑劣にも

「可哀想な彼女を助けないなら、単位を落とす」と脅した。

仕方なく追加で300mを走らされた私は、心の中で思った。

『先生もあの女をベッドに連れ込みたいだけなんだな』と。

「奴は本当に不快な女だ。」ユモンカエドラは声を低くした。

「人前では個性的で外向的、情熱的で優しい少女を演じる。

しかし本性はただの尻軽で、男を見ればすぐに取り込もうとする。

ラム・トゥにとって、友達と恋人の境界など最初から存在しなかった。

男を見れば目が輝き、すぐに寄りかかり、抱きつき、肩に腕を回す。

それを『親しい友達のスキンシップ』と呼ぶが、実際は骨の髄まで染みついた尻軽根性だ。」

いじめられている時、彼女は守ってくれるふりをした。

自分を特別で、他の者とは違う優しい美少女だとアピールするためだ。

しかしユモンカエドラはわかっていた——彼女はただ利用しているだけだと。

美しくて優しい自分を演出し、特に異性からの注目を集めるための道具に私を使っていた。

彼女には彼氏がいたが、私に対しては恋人のように親密に振る舞い、他の男にも同じようにした。

彼氏とは別の学校なので、その男は彼女の本性など知らなかった。

男を見れば目を輝かせ、すぐにくっつき、甘える。

尻軽な女は、男を見た瞬間に目が輝く。

彼女たちの関心は常に男に向けられており、自分の魅力や影響力を証明したがる。

さらに彼女は思考の段階からすでに尻軽だった。

思考が行動を生むのは当然で、その距離はただの一歩に過ぎない。

彼女は平然と言った。

「手をつなぐのも、抱きつくのも、キスも……全部親しい友達のスキンシップだよ」と。

極めつけは、ある男の尻を鷲掴みにし、その男を勃起させてしまった一件だった。

周囲の誰もが見ていた。ユモンカエドラも呆然とし、心の中で吐き捨てた。

『気持ち悪い……ここまで尻軽になれるのか』と。

ユモンカエドラはしばらく沈黙した。彼の周囲を包む死の気が、急に濃くなった。

「あの女にとって、私はただの名声を高めるための道具だった。

草食系を装った尻軽で、独占欲の強い女……

奴は私の忍耐の限界まで私を追い詰めた。」

テヒモシンは横たわったまま、目を細めた。

ユモンカエドラの冷たい仮面の下で、静かに燃える激しい憎悪を感じ取っていた。

この過去の欠片こそが、今の彼があそこまで残酷に踏み潰す理由だった。


第6章:完璧な仮面と最後の判決

ユモンカエドラは手に握った草を強く握りしめ、声が掠れた。ラム・トゥという名の、最も暗く醜い部分に触れた瞬間だった。

「ラム・トゥ……ただの草食系女じゃない。あいつには過去がある。私だけが知る秘密だ。」

テヒモシンが首を傾げ、静かだが好奇心のこもった声で聞いた。

「どんな秘密だ?」

ユモンカエドラは深く息を吸い、血を吐くように言葉を紡ぎ始めた。

「中学の頃、同じ学校だった。私はあいつを知っていたが、あいつは私を知らなかった。当時のラム・トゥは、高校の時のようなお淑やかで女らしい少女などではなかった。

あいつは野獣だった。凶暴で、暴力的で、口汚く罵り続け、教師を含め全員を見下していた。女子の髪を掴み、顔を引っ掻き、服を引き裂き、親を殴って血を流させ、教師にまで暴力を振るった。

さらに『喧嘩代行』を受けて金を得るような女だった。他人をボコボコの肉塊に変えることを何とも思わない怪物だ。」

彼は遠い目をして、当時の光景を思い返した。

「ある放課後、私は直接目撃した。あいつが別の女子を校舎裏の死角に引きずり込み、虐げ、辱め、全裸に剥いて外に晒した。

容赦なく殴り、蹴り、平手打ちを繰り返し、相手が気絶するまで続けた。私はその女子を助け……その瞬間から、ラム・トゥへの恐怖が私の心に深く根を張った。」

テヒモシンが小さく頷いた。

「そして高校では……変わったのか?」

「変わった? いいや。」ユモンカエドラは冷笑した。「高校では、あいつは私を盾にした。

人前では私を守り、堂々と告白までした。『暇? デートしようよ!』と。

学校中が私たちをカップル扱いした。しかし二人きりになると、本性を見せた。

罵倒、侮辱、最も残酷で重い言葉の数々……。

あの言葉は今でも私を苦しめ、眠れなくさせる。重度の鬱になった。あの記憶を思い出すことすら、今でも避けている。

もし頭の中に留め続けたら……とっくに屋上から飛び降りていただろう。」

考えてみれば、3年間いじめっ子たちと生きられたのに、あの女とは3ヶ月も耐えられなかった。

彼は乾いた笑いを漏らした。苦々しい笑みだった。

「私は気づいた。女はブサイクな男に対してだけ本性を出す。隠さず、偽らずにな。

イケメン相手には完璧な仮面を被る。私は真実を暴こうとした。皆に気づいてほしいと願って。」

しかし返ってきたのは、より苦い裏切りだけだった。

「私は皆に言った。『トゥは二面性のある女だ、尻軽で偽善者だ』と。

本人にはこう告げた。『お前は自分らしく生きろ。誰も偽りの人間など好きじゃない。だから本当の自分でいろ。中学の頃のように、女子を殴り、教師を殴り、親を殴り続けろ』と。」

結果はどうだったか。

あいつは泣きながら被害者ぶった。

「私、ユモンカエドラと友達になりたかっただけなのに……」

「可哀想だったから守ってあげたのに……」

「誰も遊んでくれないから一緒にいたのに、私を偽善者だなんて……どうして私を傷つけるの、ひどいよ……ううっ」

周囲はあいつを慰めた。「もう泣かないで」

そして愚かな群衆は私を非難し始めた。

「お前、またいじめられたって思ってるのか? ただの冗談だろ」

「お前は本当に最低だな。あんな優しくて可愛い子によくそんなひどいことが言えるよ」

「美人で性格もいいのに、お前はなんで嫌うんだ」

一人の男が決定的な言葉を吐いた。それで私は目が覚めた。

「生き方が汚くても、偽善的でも、仮面被っても、それも一つの性格だろ? 仮に本当だとしても、俺たちはあいつを友達として見てるんだけど?」

皆が同調した。「そうだよ」「もうお前とは友達じゃない」

その時、私は悟った。

「同じ階の風は同じ階の雲と出会う。クズはクズとつるむ。ゴミと友達になるのは、結局自分もゴミだということだ。」

絶望の底で、彼は家に帰り、両親へ遺書を書いた。そして首を吊った。

そこを救ったのは、アンモルクザラフト——彼の指導者だった。

アンモルクザラフトは言った。

「自分を決めるのは自分自身と、周囲の人間だ。クズどもとつるめば、お前もクズになる。」

その時から、ユモンカエドラはクラスメートを助けようという考えを捨てた。

「価値観が根本的に違う二人が、同じ道を歩むのはほぼ不可能だ。

お前たちが失敗の道を選ぶなら、私が成功の道に引き留めて何になる? 意味がない。」

翌朝、彼は偶然、ラム・トゥの彼氏が別の女と遊んでいる現場を目撃した。

「似た者同士だな。尻軽女に下衆男。」

その男が警告してきた。「彼女に言ったら殺すぞ」

ユモンカエドラは即座にその男の頭を踏み潰した。

その後、学校へ行き……校内にいた人間を皆殺しにした。

血に染まった校舎の中央で、ユモンカエドラはラム・トゥの前に立った。

「なぜ俺だったんだ?」

あいつは平然と認めた。

「私には盾が必要だったの。あなたを見た瞬間、『ああ、これが私にぴったりの完璧な仮面だ』と思ったわ。」

ユモンカエドラが問う。

「わかった。お前は異性に対して常に開放的で情熱的に振る舞い、注目を集めていた。本当は善意などなかった。ただの打算だ。私を利用しただけだな。」

トゥは頷いた。

「ええ。前の学校で女子全員に嫌われた理由がわからないの。きっと私が男に人気がありすぎて嫉妬されたのよ。だからあなたを使って、男女のバランスを取ろうとしたの。」

ユモンカエドラは冷たく答えた。

「前の学校で女子に嫌われた理由を知りたくないのか? お前の尻軽さが丸わかりだったからだ。

すべての女子が、お前を嫌っていた。尻軽女め。」

あいつは肩をすくめた。

「どうでもいいわ。私が楽しく生きて、幸せを感じられればそれで十分。

それに、私は目立ちたかったの。 crowdの中で一番輝く存在になりたかった。」

そして嘲るように笑った。

「もうみんながお前を嫌ってるわ。これからどうやって生きていくつもり? この敗者、無能野郎。」

ユモンカエドラはあいつを最後に見つめた。

「もう知りたいことは全部知った。お前を生かしておく必要はない。」

そして——私はあいつを殺した。

川は静かに流れ続け、死者の物語を運んでいく。

ユモンカエドラは立ち上がり、ブーツの踵が湿った地面を強く踏みしめた。乾いた、確かな音が響いた。


第7章:答えのない問い

川辺の夜は依然として濃く淀み、波の音だけがささやかに響いていた。まるでユモンカエドラが吐き出した汚れた記憶を洗い流そうとしているかのように。

ユモンカエドラが先に口を開いた。低く、重みのある声だった。

「私の経験から言えることは一つだけだ。何もかもをネタにしてはいけない。

この世界が人種差別を笑いのネタにしなくなれば、人種差別はなくなる。

暴力 をネタにしなくなれば、暴力はなくなる。

自分自身をネタにするのは構わない——人は君を面白いと思うだろう。

しかし他人をネタにする……それは侮辱だ。」

テヒモシンは静かに耳を傾け、乾いた草の上で体を少し動かした。少し考え込むような声で言った。

「誰にだって過去はあるよ。君は彼女に、なぜ二重生活を送るのか聞いたことはある?

もしかしたら深い心の傷があって、辛い時に誰も助けてくれなかったから、ああいう仮面を被らざるを得なかったのかもしれない。」

ユモンカエドラは一瞬固まった。彼はテヒモシンに向き直り、驚きと苦々しさが混じった目で見た。

「君は……本当に人が良いな。他の奴らが言う通りだ。

もっと早く君に出会っていればよかった。でも、君は純粋すぎるよ、テヒモシン。

仮に聞いたとしても、ああいう嘘で生きる女が本当のことを言うと思うか?」

テヒモシンは小さく微笑んだが、答えず、言葉を夜の空気に溶かした。

ユモンカエドラはため息をつき、黒い川面に目をやった。

「私はずっと疑問に思っている。なぜ世の中に尻軽な女がいるんだ?

親は娘をどう教育したら、あんな風になるんだ?

親が忙しくて教育する時間がなかったのか?

それとも育った環境か? それとも周囲——家族や友達——の過保護か?

それとも誰かから尻軽な真似を学んで、癖になったのか?」

テヒモシンは考え込みながら答えた。

「私にもわからない。でも、人々はこう言うよ。『外向的で性格が強すぎる女は尻軽になる』って……本当かどうかはわからないけど。」

「なぜ誰もあいつらを正さないんだ?」ユモンカエドラが続けた。

テヒモシンは直接答えず、逆に問い返した。

「じゃあ一つ聞くよ。『男は一人の女とセックスしたいか、それとも多くの女とセックスしたいか?』」

ユモンカエドラは一瞬黙り、小さく頷いた。

「わかったよ。」

「男は尻軽な女を遊び相手として求める。でも結婚相手にはしない。」テヒモシンの声が少し鋭くなった。「結婚したら、家庭など絶対に幸せにならない。ああいう女は……ただの一時的な玩具だ。」

ユモンカエドラは首を振った。

「でも、私が見てきた限り、尻軽な女は必ず家庭を持つぞ。」

テヒモシンは言った。

「当然だよ。周りにいつも男がいるんだから独身でいられるわけがない。

でもああいう女は……一生一人の夫を持つことはないだろう。

ただ……何人も夫を持つだけだ。」

空気が急に重くなった。二人は黙り、風の音だけを聞いていた。


第8章:コンクリートの床に残った消失の痕

2025年6月30日、月曜日。

旧転送ステーション周辺を覆う蒸し暑い夕暮れの空気。

テヒモシンは目を細めて周囲を見回し、不安が募るのを感じていた。ここを離れて、起きている事態を調べるべき時が来たと思った。

「ずいぶん長くアンモルクザラフト指導者に会っていないな。一緒に会いに行かないか?」

テヒモシンが沈黙を破って言った。

ユモンカエドラは短く頷いた。

「いいぞ。」

「ここで待ってて。私はちょっと贈り物を買ってくるよ。」

テヒモシンはそう言い、背を向けて歩き出した。

ユモンカエドラが少し眉を寄せた。

「贈り物などいらない。」

「いるよ、いるよ、なぜいけないんだ!」

テヒモシンは笑って答え、すぐに上層の賑やかな商業地区の灰色のコンクリートブロックの向こうに姿を消した。

しかしわずか十五分後、テヒモシンが袋を提げて戻ってきた時、ユモンカエドラが立っていた場所には何もなかった。

メッセージも、争った形跡も残っていない。まるで空気の中に溶けて消えたかのようだった。

テヒモシンは冷たいコンクリートの柱の間に立ち尽くした。

すぐに携帯を取り出し、「神の子ら」のグループに電話をかけた。

「君たちは『三神』のメンバーを始末したのか?」声が急いていた。

相手は平坦で断定的な声で答えた。

「いや。全員会社にいる。誰も外に出ていない。」

テヒモシンは電話を切り、暗くなっていく画面をじっと見つめた。

ユモンカエドラは一言も残さずに消えるような男ではない。特に二人が指導者に会うことを決めた直後だ。

テヒモシンはネオンが煌めく都会の中心に一人立ち、息苦しさを感じていた。

高層ビルの派手なネオンライトが黒いアスファルトに反射し、胸を締め付ける。

彼は自分が巨大な陰謀の網の中に取り残されたことを悟った。

ユモンカエドラは誰かに連れ去られたのか、それとも自分一人で別の粛清に乗り出し、テヒモシンを巻き込みたくなかったのか。

彼は贈り物の袋を強く握りしめ、まっすぐに前へ歩き出した。

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