性欲の歪みを狩る者
第1章:性癖の歪んだ狩人
2024年7月2日 火曜日。
放課後の教室には、まだ黒板のチョークの匂いと生徒たちのざわめきが残っていた。しかし今は、すべてが静まり返っていた。
50歳の教師――生徒たちから「先生」と敬意を込めて呼ばれていた男――は青ざめた顔で立ち尽くし、額に冷たい汗を浮かべていた。その目の前には、17歳の女子生徒がいた。目が真っ赤に腫れ、服は乱れ、体を抱きしめるように縮こまっている。
教室の入り口の方から、冷たい声が響いた。
「教師の仕事は何だ? 生徒に勉強を教えることだろう。生徒を誘惑することじゃない。まだ言い訳があるか?」
教師は顔を上げた。欲望に歪んだその表情で、唇を震わせた後、平然と口の端を歪めた。
「俺がしたこと……俺が気持ちよければそれでいい。道徳などクズだ。」
空気が凍りついた。
質問をした人物――長身の青年、冷徹で揺るぎない眼光の持ち主――がゆっくりと歩み寄ってきた。
彼は無駄な言葉を一切発しなかった。死神の像のように堂々と立ち、必殺の技を繰り出す。
彼は教師を指差し、強く床へ突き刺すような動作をした。目に見えない力が目標を包み込んだ。男は悲鳴を上げ、全身が床にへばりつき、両手両足が巨大な磁石に吸い寄せられたように固定された。彼は動いていないのに、床が死神の力となったかのように、教師を容赦なく引きずっていく。屈辱的な跪きの姿勢のまま。
教師は絶叫した。体は床に固定されたまま、容赦なく引き寄せられる。標的が足元まで引きずり寄せられた瞬間、彼は無表情で雷のような蹴りを放った。
ガキッ!
教師の頭が砕け散った。血が壁に、机に、椅子に、そして17歳の女子生徒の青白い顔に飛び散った。
少女は震え、息をすることもできなかった。
彼は少女の方を向き、感情のこもらない平坦な声で言った。
「お前は生徒か、それとも娼婦か? 生徒の仕事は勉強することだ。娼婦なら価値がない。生きる意味がないなら、死ね。」
再び指差し、再び床が罪人を死神のもとへ引き寄せる。もう一蹴り。残った少女の頭も粉々に砕けた。血が血に混じり、冷たい床タイルの上に濃い赤い水溜まりを作った。
恐ろしい沈黙が教室を覆った。
すると、彼の背後の空間から、一つの影が静かに現れた。音もなく、風も起こさず。ただ、存在するだけでそこにいた。
白いロングコートを着た男。銀白色の髪が顔の半分を覆い、紫色の瞳が恐ろしいほど平静を湛えている。彼の名はテヒモシン。
テヒモシンはわずかに首を傾げ、瞬きもせずに二人を殺した青年を見つめた。
「君がゼンプラインゲンドだね。」テヒモシンの声は穏やかで、囁くようだった。「性欲の歪んだ思考を持つ者を殺す専門家。倫理道徳に反する性行為を行う者を殺す者。」
ゼンプラインゲンドは振り返った。目つきは相変わらず冷たい。
「誰だ? 俺が人を殺すのを止めにきたのか?」
テヒモシンは首を横に振った。落ち着いた声ながら、衝撃的な情報を伝える。
「いや。俺は君の同盟者だ。マルクールヴィスト、テンラスサー、リキンザイリュウが死んだことを伝えに来た。『四聖』のメンバー……もう君だけになった。」
ゼンプラインゲンドの動きが一瞬止まった。瞳がわずかに揺れたが、すぐにいつもの無表情に戻った。
「『四聖』のことを知っている……なら、悪い人間ではないな。」
テヒモシンは答えず、静かに歩み寄り、ゼンプラインゲンドの隣に立った。二人は床で冷たくなりつつある二つの死体を一緒に眺めた。
ゼンプラインゲンド――性欲に関する歪んだ思考を持つ者たちを狩り、抹殺する者。未成年者への性的虐待、近親相姦、強姦、言葉や行動によるセクシャルハラスメント、公然の不倫、公衆の面前での性行為露出、さらには異常な性癖の数々:露出狂、物体姦、擦過痴漢、児童愛、SM、服装フェティシズム、覗き……すべてが彼の死のリストに載っている。
第2章:死ぬ価値があるか、ないか
ゼンプラインゲンドはその場に立ち尽くしたまま、赤く輝く双眸で床に横たわる二つの死体をゆっくりと見下ろした。血はすでに固まり始め、床タイルに黒ずんだ筋をこびりつかせていた。
テヒモシンはわずかに首を傾げ、相変わらず穏やかな風のような声で言った。
「どう思っているんだい、ゼンプラインゲンド? あの17歳の少女について。」
ゼンプラインゲンドはすぐには答えなかった。彼はゆっくりと少女の死体に近づき、しゃがみ込んで、致命的な一撃で歪んだその顔を観察した。少女の目は大きく見開かれたまま、虚ろで、最後の恐怖を宿していた。
「あいつは無垢な被害者なんかじゃない。」彼は平坦な声で言った。「あいつはあの教師と知り合いだった。ただの教師と生徒の関係じゃない。性的関係だ。あの男は三十年連れ添った妻を捨てて、このガキに走った。隠しもせずに堂々と。こいつも承知の上だった。二人は自分が何をしているか、ちゃんと理解していた。」
テヒモシンは軽く頷いた。驚いた様子はなかった。
「つまり……君は彼女の死は当然の報いだったと考えている?」
ゼンプラインゲンドは立ち上がり、靴に付いた血をコートの裾で拭った。
「当然だ。」
短く、冷たい一言。
「あいつは強制されたわけじゃない。騙されたわけでも、脅されたわけでもない。自らその関係を選んだ――明らかに歪んだ、倫理道徳を真っ向から踏みにじる関係を。教師と未成年の生徒。三十年家族を持っていた男と、まだ大人になりきっていない少女。あいつは結果をわかっていた。家族を壊していることも、自分が悪事の片棒を担いでいることも理解していた。それでも選んだ。あの教師と同じく『気持ちよさ』を選んだんだ。」
彼はテヒモシンに向き直り、微塵も揺るがない目で言った。
「性欲の歪んだ犯罪に自ら進んで加担した者、強制されずに積極的に道徳の境界を破った者……そんな奴は被害者などと呼ばれる資格はない。あいつは獲物なんかじゃない。同罪者だ。」
テヒモシンはしばらく沈黙した後、薄く微笑んだ。
「君の原則は相変わらずだね。積極的に参加した者は絶対に許さない。年齢も性別も関係ない。違反すれば、死。」
ゼンプラインゲンドは答えず、窓の外に視線を移した。夕陽が真っ赤に燃え、教室全体を血の色に染め上げていた。
彼は少し間を置いて、声を低くした。
「似たようなケースがあった。やはり教師が生徒を誘惑し、妻子を捨てようとした。しかしあの時の少女は賢かった。拒否した。拒否の意思を示すために頭を丸めた。15歳の少女は校長に報告した。校長は黙殺したが、家族は違った。母親が学校まで来て教師を叩きのめした。女校長が職員を盾にして守ろうとしたが、母親は生徒たちの目の前で教師を殴り倒した。」
テヒモシンは彼の隣に歩み寄り、一緒に暗くなりゆく空を見つめた。
今や「四聖」――闇の正義を執行する者たちのグループは崩壊した。残ったのはゼンプラインゲンドただ一人だけだ。
テヒモシンは小さくため息をつき、低い声で言った。
「これからも一人で続けるのか?」
ゼンプラインゲンドは静かに頷いた。
「一人でも構わない。この世にあのような連中が存在する限り……俺は狩り続ける。」
彼は踵を返し、教室を出て行った。靴が血溜まりを踏むたび、べちゃりとした湿った音が規則正しく響いた。
テヒモシンはその背中を見つめ続けた。窓から入る風が、濃厚な血の臭いを運んでくる。
二つの影は、死の充満した教室の真ん中に佇んでいた。
教室の扉が閉まる。
中にはただ、沈黙と濃密な死の匂いだけが残った。
旅はまだ終わらない。
第3章:生きる価値のない者たち
二つの影が学校から続く細い道を歩いていた。街灯がちょうど点き始め、夕方の雨で湿った路面に淡い黄金色の光を落としていた。ゼンプラインゲンドが先頭を歩き、長い黒いコートが歩みに合わせてはためく。テヒモシンは少し後ろを歩き、手をポケットに突っ込んだまま、世間話でもするような軽い口調で話していた。
「最近、50歳の自称CEOが104人の女性を騙して妊娠させた事件があったそうだ。」ゼンプラインゲンドが先に口を開き、報告書でも読むような平坦な声で言った。
テヒモシンは軽く頷いた。驚いた様子はない。
「私も似た事件を知っている。70歳のベさんだ。18歳の女の子を見つけるとすぐに『親を呼んで会おう』と言う。処女を失わせて『俺が面倒を見てやる』と。別の娘も同じだった。金さえ出せば誰の処女でも奪う気らしい。」
ゼンプラインゲンドは一瞬足を止め、テヒモシンを振り返った。
「60歳の爺さんが18歳の女と結婚したケースもある。金目当てだ。ああいう女たち……人生に意味がない。価値がない。男に軽蔑され、本当の尊敬など一度も得られない。男の金に寄生しながら、毎日ジェンダー平等を叫ぶ。男に食わせてもらっておきながら、男に尊敬を要求し、軽蔑されるなと言う。こんな状況では、女が女を軽蔑しているのに、男がどうこう言えるはずがない。」
彼は長く息を吐き、街灯の下で赤い瞳が鋭く輝いた。
「感情的にも経済的にも男に過度に依存するのは、自立できない証拠だ。自分を所有物に変えているだけだ。」
ゼンプラインゲンドは鼻で笑い、平坦でありながら深い軽蔑を込めた声で続けた。
「この街で最近、34歳のフォンという男がいた。経済学の学士で、窃盗の前科持ち。ネットカフェを根城にし、Tinder、Bumble、Telegramで不動産大富豪を装う。若い女――主に大学生――にsugar babyを提案し、月40万〜50万ドルを約束する。条件は月に4〜6回の会合と、初回から『熱心な奉仕』だけだ。
彼は約1200人の女性に接触し、何千人とも性関係を持った。行為が終わると、女がシャワーを浴びている隙にスマホや財産を盗んで消える。しかも性行為の動画を保存していた。2月にネットカフェで逮捕された時、警察はまだ売っていないiPhoneを7台押収した。本人は『多すぎて盗んだ量を覚えていない』と供述したという。
あの女たち……金欲しさに自ら罠に飛び込み、見知らぬ男の前で服を脱いだ。『養ってもらえる』という期待だけで。結局、体も財産も失った。あれが依存と金銭欲の末路だ。自分を商品として売り出すのと何も変わらない。ああ生きて……存在する価値があるのか、テヒモシン?」
テヒモシンはしばらく沈黙した後、ゆっくりと語り始めた。
「新聞で読んだ話だ。ある母親が言っていた。『昔はあいつが私の娘を抱っこしていたのに、今は12歳の娘を妊娠させた。どうやって近所の人たちと顔を合わせればいいのか、何十年も一緒に暮らしてきたのに……』と。」
ゼンプラインゲンドは道の角でたむろしている少年たちのグループを指差した。一人の少年が公衆の面前で親を大声で罵っていた。彼の冷たい視線が現実を貫く。
「見えるか、テヒモシン? 親を罵るガキだ。親はただ性行為の快楽を味わいたかっただけ。あいつは偶然生まれた産物だ。まともな教育を受けず、親からの愛情もない。小さい頃に教えなかったくせに、大きくなってから教育しようとしても遅すぎる。間違ってから教え始めるのはもう手遅れだ。だからああいう無礼で育ちの悪いガキが生まれる。」
彼はテヒモシンに向き直り、声がさらに冷たくなった。
「人間が性欲の快楽に溺れて子供を作り、産んだら捨てる。私はどれだけ多くの捨て子を見てきたか。排水溝に、ゴミ箱に、トイレに、高層階から投げ落とされ、壁の隙間に突っ込まれた……そんな子供たちを私は拾ってきた。」
ゼンプラインゲンドは拳を強く握りしめ、手の甲に青筋を浮かべた。
「世界の人口は無節操な性欲によって増え続け、一方で仕事は機械に奪われていく。失業、貧困、社会保障の欠如が強盗、殺人、強姦を生む。悪循環だ。」
彼はテヒモシンの目を真っ直ぐに見つめ、衝撃的な宣言をした。
「現実を受け入れろよ、この世界では、殺す者が本当の英雄だ。人間はどこでも性欲を満たし、子供を産めるが、性欲の欲求だけで育てる気はない。親が遊びたいだけ、子供が苦しむ。私はその腐った循環を始まる前に終わらせてやっているだけだ。」
テヒモシンはわずかに眉を上げ、深い瞳に驚きの色を浮かべた。
「君は孤児院も運営しているのか?」
「そうだ。マルクールヴィストの金でな。ほとんどがティーンエイジの母親だ。」
テヒモシンは薄く笑った。「最近の子供たちはおかしい。十代で『モテない、誰も愛してくれない』と嘆き、妊娠したら急に自慢げになる。自慢するところがわからない。本当に子供だ。」
ゼンプラインゲンドはテヒモシンの目を真っ直ぐに見つめた。
「愛情は何をもたらす?」
テヒモシンは首を振った。
「わからない。」
ゼンプラインゲンドは感情を一切込めずに列挙した。
「過剰な嫉妬。名誉と人格の侮辱。暴力。敬意の欠如。相手の意見、感情、プライバシーを尊重しない。常なる批判と価値の貶下。」
テヒモシンは頷き、もう一つの話を始めた。
「私とマルクールヴィストが一緒に解決した事件だ。浮気性の話。」
彼は少し間を置き、記憶を整理するように言った。
「昔、浮気性の女は関係を公にしなかった。誰にも非難されず、証拠も残さず、二、三人と同時に関係を持てるようにするためだ。より条件の良い男に近づきやすいように。」
「しかし今は違う。リンスはピンキーと付き合い、公にしていた。家族も友人たちも、世界中が知っていた。リンスはピンキーを信じていた。だがその裏でピンキーはBAPと怪しい関係を持っていた。BAPにもAMという恋人がいた。二人はそれぞれ恋人がいるのに、お互いを誘惑していた。」
ゼンプラインゲンドは唇の端を歪めた。
「女の浮気性、多情の本質は、今の男に満足しないことだ。常に周りを見て、他の男の方が魅力的だと思う。そして新しい獲物を征服して欲求を満たしたがる。」
テヒモシンが続けた。
「昔の人は正しいことを言っていた。『山河は易く改まるが、本性は改め難し』と。浮気性の女は誰とも一生を共に生きる気がない。愛情は時間とともに、そしてより良い対象が出てくると変わる。」
「リンスと付き合う前、ピンキーは多くの男と関係を持っていた。元カレの電話番号やSNSアカウントを全部残していた。リンスと別れた後、BAPはすぐにピンキーと結婚した。」
ゼンプラインゲンドは嘲るように笑った。
「女はいつも予備の男を確保しているのか? なぜ女はあそこまで『モテない』ことを恐れるんだ?」
テヒモシンは肩をすくめた。
「リンスに角を付けさせた。それが理由だ。」
ゼンプラインゲンドは遠くを見つめた。
「あの娘はあんなに浮気性だったのか? あれは完全に娼婦だろ?」
彼は自問自答するように続けた。
「浮気性の人間は外見が悪いことは稀だ。魅力がなければ男を引きつけられない。結局、浮気性とは不真面目で、複数の異性関係を持つ女のことだ。本命以外は隠し、ばれたくないから秘密にする。」
そして声を低くして付け加えた。
「でもピンキーは本当に美しかった。あの娘は本物の愛を求めていた。美しさ目当てでも、体目当てでもない、本当の愛を。」
テヒモシンは頷いた。
彼は少し足を止め、街灯の下で抱き合う恋人たちに視線を滑らせてから、より低い声で言った。
「しかし知っているか、ゼンプラインゲンド? 裏切りはピンキーのような露骨な浮気性だけから来るのではない。もっと恐ろしいのは、『痛み』を言い訳にする者たちだ。私は7年間の深い恋を、たった2ヶ月知り合ったばかりの女のために捨てる男を見た。」
ゼンプラインゲンドは完全に足を止め、テヒモシンを正面から見つめた。冷たい殺気が広がり始めた。
「7年を2ヶ月で? 理由は何だ?」
「あいつは『愛情に飢えていた』と言ったそうだ。」テヒモシンは目が笑っていない薄笑いを浮かべた。「7年間、自分だけが愛していて、相手は自分を大切にしていなかったと自己暗示をかけた。自作の傷を盾にして、新しい女の元へ清々しく去った。見ての通り、ピンキーのような浮気性も、あの男のような『被害者』も、結局は現状に満足できず、他人の信頼を踏みにじる連中だ。」
ゼンプラインゲンドの赤い瞳が帽子の下で輝いた。彼は拳を強く握り、剣を抜くような声で言った。
「違いなどない。一方は貪欲による裏切り、もう一方は自己中心的な裏切りだ。7年だろうと2ヶ月だろうと、尊敬が失われた瞬間、その関係はただの空虚な骸だ。ピンキーやあの男のような連中……自分を根のない、価値のない漂流物に変えているだけだ。」
彼は踵を返し、黒いコートの裾を冷たい風に翻らせた。
「浮気性だろうと心変わりだろうと、すべては浄化されるべき堕落の芽だ。この世界は、愛情を取引のゲームのように扱う者など必要としていない。」
ゼンプラインゲンドは拳を握りしめ、黒いコートを風に翻らせながら続けた。声には激しい怒りがこもっていた。
「裏切りはピンキーや7年の恋を捨てた男だけではない。家族という名の下に深く根を張っている。」
彼は電子機器を取り出し、青い画面の光が無表情な顔を照らした。そこには既婚男性の淫らで虚偽に満ちたメッセージが表示されていた。
「私はあなたに、28年間守り続けた『一番大切なもの』を捧げます……本当の地位をあなたと一緒に得たいのです。」
「安心しろ、家の妻にはうんざりだ。早く何とかして、お前のもとへ行くよ。」
ゼンプラインゲンドは吐き捨てるように笑った。極度の嫌悪を湛えた笑みだった。
「わかるか、テヒモシン? 愛を名目に結婚の誓いを踏みにじる男。糟糠の妻を捨てて、他人の『一番大切なもの』と交換する男。家族の破壊の上に築かれる地位。ああいう連中は……『尊敬』という言葉の意味すら知らない。」
テヒモシンは画面を見て目を細めた。
「独占欲と性欲は常に毒だ。目的を達成できない時、人は鬼になる。君は、恋人を焼き殺した男の事件を聞いたか?」
ゼンプラインゲンドの動きが止まり、赤い瞳が激しく燃えた。
「セックスを拒否されたからか?」
「その通りだ。」テヒモシンはため息をつき、殺気を帯びながらゆっくり歩き続けた。「欲求を満たせないと、破壊を選ぶ。『俺が手に入れられないなら、誰にも渡さない』。愛を囁いていた相手を生きたまま焼き殺した。ただ一度の拒絶だけで。それは愛ではない。人間を性欲の玩具としか見ていない病んだ精神だ。」
ゼンプラインゲンドは交差点の真ん中で立ち止まった。上の街灯がチカチカと明滅した後、突然消え、真っ暗な闇が辺りを覆った。彼は地面を指差し、踊る影たちに向かって言った。
「裏切り、独占欲、暴力……すべては歪んだ精神から生まれる。妻に浮気する男、新奇な欲求のため、拒否されたから殺す男、予備の男を探す浮気性の女……共通点は一つ。価値がない。」
彼は深く息を吸い、浄化の時が近づくのを感じた。
「この世界は、愛情を名目に獣のような行為をする者など必要としていない。生きる意味がないなら、死んでこの大地を清めろ。」
テヒモシンは意味深な笑みを浮かべた。
「今夜の君のリスト……かなり長くなりそうだね、ゼンプラインゲンド。」
ゼンプラインゲンドは答えず、闇の中へ歩き出した。そこで次の罪人を待つ審判の技が待ち構えていた。
第4章:堕落の村
テヒモシンはゼンプラインゲンドの横をゆっくり歩いていた。細い三日月が夜空に浮かび、雨上がりの凸凹した田舎道に淡い光を落としていた。
「これからどうする? どこへ行くんだ?」テヒモシンが風のように軽い声で尋ねた。
ゼンプラインゲンドは振り返らず、簡潔に答えた。
「俺は堕落した村へ行く。」
二人はそのまま無言で歩き続けた。
わずか一時間も経たないうちに、遠くから悲鳴が聞こえてきた。真っ暗な路地で、三人の筋肉質の男が十代の少女――少女A――を地面に押し倒していた。少女の服は引き裂かれ、すすり泣きが男たちの獣のような笑い声に混じっていた。
ゼンプラインゲンドが足を止めた。赤い瞳が闇の中で激しく輝いた。
「男は女を見れば……犯したいと思うだけか?」
三人の男が素早く振り返り、牙を剥くように嘲笑った。
「英雄気取りで美少女を救うつもりか、ガキが。」
ゼンプラインゲンドは首を傾げ、骨まで凍りつくような冷たい声で言った。
「俺は殺人が好きだ。そして殺すための理由が欲しい。お前たちのような存在……それが理由だ。」
刹那。
三人の男が突然膝を折り、両手両足が目に見えない力に押し潰されるように地面へ張り付いた。もがき叫んでも無駄だった。ゼンプラインゲンドはゆっくりと歩み寄り、一歩、また一歩。蹴り。一人目の頭が砕け散った。二撃目。三撃目。血が壁に飛び、震える少女Aの顔に降りかかった。
少女は涙で真っ赤な目でゼンプラインゲンドを見上げた。
彼は何も言わず、ただ踵を返して歩き続けた。
村への道はまだ長かった。
道中、少女Bが一人で歩いていた。突然、中年男が後ろから飛び出し、両手を広げて抱きつき、キスしようとした。
ゼンプラインゲンドが影のように現れ、男の首を片手で掴んで締め上げた。
テヒモシンは横で小さくため息をついた。
「女は年齢に関係なく、セクシャルハラスメントの被害者になるんだな。」
ゼンプラインゲンドが手を離すと、男は咳き込みながら逃げ出した。
「俺は男どもの変態性に本当に恐怖を覚える。」ゼンプラインゲンドは低い声で言った。「八歳の少女から八十歳の老婆まで、誰も見逃さない。変態行為をし、最悪の場合、強姦にまで及ぶ。」
次の場面は村の道ですぐに起きた。
三十歳以上の男たちのグループが少女Cを取り囲み、手足を遠慮なく触りまわしていた。
少女は震えながら叫んだ。
「この人たち、セクシャルハラスメントをしてる!」
男たちは嘲笑った。
「ただ体に触れただけなのに、セクシャルハラスメントだと言うのか?」
ゼンプラインゲンドが近づき、平坦でありながら刃物のように鋭い声で言った。
「他人の体に触れる行為は、意図的であろうと無意識であろうと、相手が望まなければセクシャルハラスメントだ。被害者が望まず、受け入れたくない接触――それがセクシャルハラスメントだ。」
少女Cは勇気を振り絞って言った。
「あなたたちの行動は故意の痴漢行為です。セクシャルハラスメントです。」
男たちは慌てて逃げ出した。
しかしゼンプラインゲンドの視界から逃れられるはずがなかった。
彼は黒い風のように追いかけ、夜闇に絶叫が響いては消えた。
次は少女D――一人で歩く若い女性だった。二人の男子生徒(十五歳と十六歳)が両側から近づき、手を伸ばして触ろうとした。少女が何度も払いのけても構わず、口々に誘う。
「ラブホ行かない?」
ちょうどその時、ゼンプラインゲンドとテヒモシンが現れた。
ゼンプラインゲンドが冷たく聞いた。
「お前たち、何をしている?」
二人の少年はびくりとし、二人の長身の影を見て慌てて逃げ出した。
テヒモシンが追いかけ、厳しくも穏やかな声で言った。
「君たちは彼女を自分の性欲の対象として見てはいけない。」
彼はさらに声を低くした。
「君たちの行為は、彼女の心身の健康に深刻な影響を与える――うつ病、不安障害、精神崩壊、摂食障害、睡眠障害、自閉的傾向、病気、統合失調、自殺リスクの高まり……彼女は不安を感じ、人を信じられなくなり、自分を軽蔑されたと思い、社会的関係に臆病になる。」
二人の少年は震えながら頭を垂れ、逃げ去った。
ゼンプラインゲンドがテヒモシンを見た。
テヒモシンは説明した。
「あいつらはまだ生徒だ。まだ矯正できる。家族が教えなければ、俺が教える。あいつらを許してくれ。」
ゼンプラインゲンドは頷いた。
「わかった。」
しかし翌日、二人の少年は再犯した。
ゼンプラインゲンドは何も言わなかった。ただ、茂みの中で二つの乾いた「ガキッ」という音が響いた。二つの頭が砕け散った。
少女E――若い女性――は可愛い小学生(七〜十一歳)の集団を見て近づき、撫でようとした。しかし子供たちは彼女のスカートをめくり、お尻、太もも、胸、性器にまで触ってきた……。
テヒモシンが近づき、目が鋭く光った。
「おい、ガキども。今、何をしていた?」
少女Eが慌てて言った。
「まだ子供よ、知らないだけよ?」
テヒモシンは首を振った。
「そんなことを言うと、駄目な世代を作ることになる。間違ったら叱らなければならない。セクシャルハラスメントはセクシャルハラスメントだ。」
彼は子供たちに向き直り、厳しい声で言った。
「許可なく他人の体に触ってはいけない。女性を尊重しなさい。」
その後、テヒモシンは少女Eを連れてその場を離れ、ゼンプラインゲンドに軽く笑いかけた。
「まだ小さいし、躾けられるよ。はは。」
ゼンプラインゲンドは無言だった。
少女Fは、数人の老人たちに下品な視線でじっと見つめられていた。彼らはスマホを上げて脚や性器の部分を撮影し、互いに下卑た笑い声を上げていた――爺猿のような、老いぼれの笑い声。
その笑い声に、テヒモシンもゼンプラインゲンドも少女Fも背筋が凍った。
ゼンプラインゲンドは拳を強く握りしめた。
「あの爺猿ども……死ぬしかないな。」
やがて二人は村の中心部へと入った。
道中、数人の若者が後ろから「女の匂いを嗅いで」いた。テヒモシンは無言で消臭スプレーを吹きかけた。腐った臭いが広がり、若者たちは腹を抱えて吐きまくった。
「女の匂いを嗅いでも興奮するのか。」テヒモシンは首を振った。
疲れて道端の茂みに座って休んでいると、茂みの中で男が自慰をしていた。テヒモシンは腐臭爆弾を投げ込んで立ち去った。
ゼンプラインゲンドはそれを見て言った。
「女の肌が少しでも見えれば興奮する。性欲が昂る。」
近くにいた変態が叫んだ。
「この世に、露出した女の前で誘惑されない男などいるのか! 男は皆、露出した女の前では敗者であり、哀れな存在だ!」
ゼンプラインゲンドは答えず、ただ歩き続けた。
しかしもっと細い道に入った時、ゼンプラインゲンドは突然足を止めた。薄いキャミソールを着た少女の周りに集まる若者たちのグループを見た。彼らの視線は、薄い布地の下に浮き出た胸の膨らみに釘付けで、下品な言葉を囁き合っていた。
ゼンプラインゲンドは独り言のように呟いた。
「胸の膨らみが見えただけで興奮する。小さな曲線一つで自制心を失う。」
テヒモシンは頷いた。
「それだけじゃない。女の声を聞くだけで興奮する。甘い声、甲高い声、笑い声……すべてが刺激になる。触れなくても、見なくても、聞くだけで血が脳に上る。」
ゼンプラインゲンドは拳を握りしめ、深い軽蔑を込めて言った。
「そこまで変態か。もう人間じゃない。女の気配があれば何にでも飛びつく、人の皮を被った獣どもだ。」
第5章:堕落の村の衰退
二人はさらに村の奥深くへと進んだ。街灯の弱々しい光が、かろうじて暗い隅々を照らす程度だった。
堕落の村はまだ待ち構えていた――そしてゼンプラインゲンドの仕事はまだ終わっていなかった。
テヒモシンが突然尋ねた。
「なぜセクシャルハラスメントの被害者たちは警察に被害届を出さないんだ?」
ゼンプラインゲンドは答えた。
「警察は証拠が不十分、目撃者もいないとして、公衆の場での痴漢を起訴できないと言う。」
テヒモシンはため息をついた。
「今やどこでも、力の弱い女性は好色漢の餌食になる。彼女たちは恐怖と嫌悪を感じる。一つは警察に十分な証拠がないから、もう一つは自分たちが恥ずかしくて、被害を申し出る勇気が出ないからだ。」
彼は続けた。
「可哀想に……。被害者は本来、もっと関心を寄せられ、慰められ、トラウマを乗り越えて闘う力を与えられるべきなのに。」
ゼンプラインゲンドが語った。
「昔、この村は百万人の人口があった。しかし道徳が崩壊し、今は百人程度しか残っていない。大半は老人だ。ここでは子供から高齢者まで皆が変態化した。それが、田舎の知識人たちが都会の文明的な場所へ働きに出る理由だ。」
テヒモシンは薄く笑った。
「都会の連中が教育を受けているかどうかは知らないが、道徳は確かになさそうだな。」
ゼンプラインゲンドが眉を上げた。
「どういう意味だ?」
「なんでもない。続きを話してくれ。」
ゼンプラインゲンドは続けた。
「成長したばかりの子供たちも、次第に『好色爺さん』たちの被害者になっていく。七十二歳の老人と十三歳の少女、八十六歳の老人と七歳の少女、六十三歳の老人と七歳の少女、六十九歳の老人と八歳の少女、六十二歳の老人と六歳の少女、七十六歳の老人と六歳の少女……。セクシャルハラスメントは毎日、どこででも起こり得る。まるで不注意による事故のようだ。」
彼は少し言葉を切った。
「昔はこの村の人々はとても勤勉だった。しかしインターネットが普及し、アダルトビデオに触れるようになると、ポルノ女優がアイドルになった。彼らは家も土地も売り払って、アイドルと一晩寝るために金を注ぎ込んだ。」
二人はさらに村の中心部へと進んだ。街灯の光はますます弱く、泥濘んだ地面に淡い黄色い筋を描くだけだった。空気は重く、湿った土の匂い、安物のタバコの煙、そして抑えきれない欲望の生臭い匂いが混じり合っていた。
ゼンプラインゲンドが突然足を止めた。村の小さな広場を横切った時だった――そこに古びたプラスチック椅子がいくつか置かれ、その上に古いスマホが置かれ、画面が明るく光っていた。
五、六人の中年男性たちが輪になって座り、アダルトビデオを流していた。夜の静けさに女性の喘ぎ声がはっきりと響き渡る。向かい側には三人の若い女性――おそらく十八、十九歳くらい――が無理やり座らされ、強制的に見せられていた。彼女たちの顔は青ざめ、目を逸らし、スカートの裾を強く握りしめていた。
一人の男が大声で笑い、画面を指差した。
「見ろよ、しっかり見とけ! 勉強しろよ、明日から男を悦ばせられるようになるぞ!」
女性たちが立ち上がろうとしたが、他の男に押し倒された。男たちは公然とアダルトビデオを流し、彼女たちを興奮させようと病的な遊びをしていた。しかし女性たちは耐えきれなくなった。一人が泣き出し、残りの二人が立ち上がって暗闇へ逃げ出した。泥を踏む足音がばちゃばちゃと響いた。
ゼンプラインゲンドは無言で立ち、赤い瞳が闇の中で激しく輝いた。彼は低く呟いた。声には深い軽蔑が込められていた。
「公衆の面前で堂々とアダルトビデオを流し、女性に見せて興奮させる。女を玩具扱いし、強制すると思っている。でも彼女たちは逃げた……せめて逃げることだけは知っていた。」
テヒモシンは静かに頷き、冷たい目で言った。
「あいつらは理解していない。誰もが自分たちと同じではないということを。この汚らわしさを誰もが受け入れるわけではない。」
少し離れた別の路地では、二十代前半の若者たちが古い家の階段に座り、スマホでアダルトビデオを流していた。今度は映像ではなく音声だけだった。ボリュームを最大にし、喘ぎ声、荒い息遣い、肉がぶつかる音が路地全体に響き渡る。道の向こう側を、一人の若い女性が鞄を抱えて俯きながら歩いていた。
彼女はびくりとし、顔を真っ赤にして足早に歩き、片手で耳を塞ごうとした。しかし音は彼女を追いかけ、無形の嘲笑のようにまとわりついた。
女性は振り返り、震える声で言った。
「どうしてそんなことをするんですか? 消してください……気持ち悪い……」
一人の若者が嘲笑った。
「慣れろよ。これを聞いておけば後で楽しめるぞ!」
ゼンプラインゲンドは足を止め、拳を握りしめて関節が白くなるほど力を込めた。彼は小さく、しかしテヒモシンに聞こえる声で言った。
「同じようにアダルトビデオの音声をわざと大きくして聞かせる連中もいる。触れず、見せず、音だけで他人を辱め、自分の変態性を満たす。非常に不快……非常に吐き気がする。」
テヒモシンはため息をつき、低い声で言った。
「あいつらは音声を武器にする。痕跡は残さないが、心に傷を残す。だから多くの被害者が被害届を出さない。『過敏すぎる』『大げさだ』と言われるのを恐れて。」
ゼンプラインゲンドは踵を返し、村の中心へ向かって歩き続けた。彼の赤い瞳には怒りだけでなく、深い悲しみが宿っていた――あまりにも多くの堕落を見てきた者の悲しみだった。
堕落の村はまだ待ち構えていた。暗い路地にはまだ病んだ影が満ち、ゼンプラインゲンドの仕事は終わっていなかった。
テヒモシンが横を歩きながら静かに言った。
「疲れたんじゃないか? 少し休んでも……」
ゼンプラインゲンドは首を振り、冷たく答えた。
「まだだ。死ぬべき奴はまだたくさんいる。」
細い三日月はまだ空に浮かんでいたが、今はより赤く見え、この村の夜空を血の色に染めていた。
夜の旅は続いていく。そしてゼンプラインゲンドの正義――どれほど残酷であろうとも――決して躊躇することはなかった。
第6章:明かりのない路地と、誰も見たくない秘密
今、二人は大都市に足を踏み入れていた。
深夜の街路はまだ車と人の喧騒に満ち、バーから漏れる笑い声やハイヒールのカツカツという音が響いていた。排気ガスの臭い、安物の香水、屋台から漂うファストフードの匂いが混じり合っていた。
この街は一つの華やかな中心部だけではない。多層の顔を持っていた。
一番外側はネオンが赤・青・紫に輝くメインストリートで、観光客や若者たちが巨大なLED看板の下で自撮りをしている。
二層目は高層マンション群で、深夜まで部屋の明かりが点いている。
しかし最も深い層――ほとんどの人が意図的に目を背ける層――こそが、複雑に入り組んだ暗く湿った路地の網だった。街灯はとっくに壊れ、24時間営業の雑貨店の前にぶら下がった弱々しいネオンだけがわずかな光を落としている。
ゼンプラインゲンドとテヒモシンは人波の中を歩いていた。ゼンプラインゲンドの長い黒いコートが歩みに合わせて翻り、人工的な光の海の中で幽霊のように見えた。テヒモシンは自販機で買ったばかりの炭酸飲料の缶を片手に持って並んで歩く。
「ここでも狩るのか?」テヒモシンがいつものように穏やかな声で尋ねた。
ゼンプラインゲンドはすぐに答えなかった。赤い瞳が群衆をゆっくりと見渡す――バーから出てくる露出度の高い若い女性たち、大声で笑う中年男性たち、そして光の届かない暗がり。
「この街は……表面的にはあの村よりきれいだ。」彼は言った。「だが内側は、何倍も腐っている。」
二人は肩が壁に擦るほど狭い路地を進んだ。下水の臭い、溜まったゴミの臭い、安物のタバコの煙、古い汗の臭いが混ざり合い、吐き気を催すほど濃密な空気を作り出していた。
テヒモシンは小さくため息をつき、空になった缶をただ手に持ったままだった。
「疲れないのか? 昨夜からずっと歩き続けているのに。」
ゼンプラインゲンドはすぐには答えず、錆びた鉄の扉の前で足を止めた。中から嗄れた笑い声と喘ぎ声が漏れていた。扉は鍵がかかっておらず、わずかに開いていた。
中は狭苦しい部屋で、壁はカビだらけ、床の安いタイルはひび割れていた。五十歳くらいの腹の出た中年男が薄くなった髪を乱し、ソファに座って自分の実の娘を抱きしめていた。少女は十四歳くらい、髪はぼさぼさだった。二人の服は床に散乱し、汗と性欲の濃厚な臭いが部屋中に充満していた。テーブルの上には半分空いた焼酎の瓶と、吸いかけのタバコがいくつか置かれている。
部屋の隅の揺り籠では、生まれたばかりの赤ん坊が空腹で泣き叫び、小さな手が宙を掻いていた。
その赤ん坊の顔は小さく、目が大きいものの、すでに異常が現れ始めていた――まぶたが少し落ち、頭が体に比べてやや大きい。
ゼンプラインゲンドは扉を押し開けて入った。蝶番がキィと鳴った。
ソファの二人がびくりと振り返った。男はまだ荒い息を吐き、突然の快楽中断に顔を赤らめていた。娘の目は虚ろで、すでに魂が抜け落ちたようだった。
ゼンプラインゲンドはしばらく無言で立っていたが、やがて低い、しかしはっきりとした声で言った。
「お前たちはこんな近親相姦を……変態で、病的なことだとは思わないのか? 罪悪感はないのか? もう人間としての理性が残っていないのか? 本当に吐き気がする。」
男は素早く顔を上げ、酒と欲望で赤くなった顔で嘲笑った。黄色い歯が覗く。
「俺たちはただ気持ちいいだけだ。興奮するだけだ。お前が口を出すな。」
ゼンプラインゲンドは答えず、右手を軽く上げ、人差し指で床を指した。
目に見えない力が襲いかかった。二人は突然床に引きずり倒され、膝がタイルに激しくぶつかった。手足が強力な接着剤で貼り付けられたように固定される。もがき叫んでも、声は喉の中で詰まった――まるで周囲の空気が吸い取られたかのように。
ゼンプラインゲンドはゆっくりと歩み寄った。一歩ごとに革靴が床を打つ乾いた音が、赤ん坊の泣き声の中で響いた。
彼は男の前に立ち、恐怖に歪む目を見下ろした。
最初の一撃。右足が恐ろしい速度で振り上げられ、正確かつ残酷に叩き込まれた。男の頭がスイカのように砕け散り、血、脳漿、白い骨片が壁、ソファ、そして震える娘の顔に飛び散った。
二撃目。
娘の頭も粉々に砕けた。二人の体が床に崩れ落ち、血が大きな水溜まりを作り、古びたカーペットに染み込んでいった。
ゼンプラインゲンドは揺り籠の赤ん坊に視線を移した。赤い瞳に、ほんの一瞬だけ……痛みに近い感情がよぎった。
彼は屈み、そっと赤ん坊を抱き上げた。小さな手が黒いコートの裾を掴み、温もりを感じて泣き声が小さくなった。しかしその顔には、繰り返された近親相姦による遺伝性の障害がはっきりと表れていた。
「子供に罪はない。」彼は囁いた。「だが近親相姦の産物である以上……排除しなければならない。繰り返された近親相姦の劣性遺伝は、人類を絶滅の淵に追いやる。責めるなら親を責めろ。気持ち悪くないのか? こんな知能障害の子供を生むなんて……」
彼は赤ん坊をもう少し強く抱きしめ、部屋を出た。後ろには二つの冷たくなりつつある死体と、濃厚な血の臭いだけが残った。
テヒモシンは路地の外で彼を待っていた。
「また孤児院に連れて帰るのか? 数がどんどん増えているぞ。」
ゼンプラインゲンドは答えず、ただ歩き続けた。
さらにいくつかの路地を進む。夜が深まるにつれ、街は本当の顔を露わにしていった。
次の日の朝、街の中心にある高級オフィスビル。
大きなガラス窓から差し込む陽光が、磨き上げられたトイレの床に反射していた。
五十五歳くらいの執行役員――皺の寄った灰色のスーツに緩んだネクタイ――が、若い女性社員を共用トイレに引きずり込んでいた。二十三歳くらいの彼女は、短いスカートのオフィスウェア姿で、酒と恐怖で目が赤く腫れていた。
男は彼女の耳元に熱い息を吹きかけながら囁いた。
「仕事を続けたいなら、昇進したいなら、給料を上げてほしいなら……素直になれよ。」
トイレの扉が乱暴に閉められた。
ゼンプラインゲンドがその扉を押し開けて入った。
執行役員が素早く振り返り、顔を青ざめさせた後、すぐに嘲るような笑みを浮かべた。
「誰だお前? 警備員か? 用があるなら早く言え。」
ゼンプラインゲンドは無言で指を突きつけた。
執行役員は白いタイルの床に膝を突き、両手両足が固定された。もがき、顔を歪めて恐怖に叫ぶ。蹴り。一撃で頭が砕け散り、血が鏡と洗面台に飛び散った。
女性社員はパニックになって座り込み、口を押さえて悲鳴を飲み込んだ。
ゼンプラインゲンドは彼女に近づき、平坦な声で言った。
「生きる価値がない。自分自身に少しの価値も残せない。仕事や昇進のために上司に体を許す。そんな生き方は死ぬべきだ。」
二撃目。血が光沢のある白い床に広がった。
高級トイレに、再び静寂が訪れた。
第7章:人間性の崩壊
夕暮れ時、湿ったスラムの路地。ゴミの腐臭と下水の臭いが濃厚に立ち込めていた。
筋肉質の逞しい男が、たった三ヶ月の乳児をボロボロの筵の上に押し倒していた。男が母親を襲おうとした際、母親は逃げ出したため、標的を無垢な赤ん坊に変えたのだ。
弱々しく途切れ途切れの泣き声が、息苦しい空気に響いた。
ゼンプラインゲンドが現れた。一撃の致命的な蹴り。病的な男の頭が粉々に砕け散った。
彼は赤ん坊を抱き上げ、優しく胸に抱きしめると、闇の中へ消えた――自分の孤児院へと連れ帰るために。
その夜、高級マンションの一室。暖かな照明が灯る部屋。
産休中の女性がキングサイズのベッドに横たわり、愛人に張りつめた乳房から母乳を吸わせていた。自分の新生児は隣の部屋の揺り籠に放置され、激しく泣き叫んでいた。
ゼンプラインゲンドは鍵のかかっていないドアから入った。
二人が顔を上げ、血の気が完全に引いた。
「出産した途端に不倫か。」彼は言った。「自分の子に与えるべき母乳を……愛人に吸わせている。」
お馴染みの技。跪かせ、引きずり寄せ、二度の連続した蹴り。頭が砕け散った。
二つの死体が、真っ白だったシーツを真っ赤に染めて倒れ込んだ。
そしてその夜、街の明かりのない路地で、ゼンプラインゲンドは自分の仕事を続けた。
一箇所ではない。一ページではない。
何十、何百という暗いページ――それぞれが一つの罪、それぞれが一つの死。
そして彼はまだ止まらない。
テヒモシンが横を歩きながら静かに言った。
「知ってるか……この街にはこういった路地が何千もある。全部狩るつもりか?」
ゼンプラインゲンドはまだネオンが眩く輝く地平線を見つめた。
「必要なら……な。」
黒い長い影は、再び闇に溶け込んでいった。
やがて郊外の小さな家。
二児の母が夫に「職業訓練に行く」と嘘をつき、実際は四人の男と不倫を続けていた。中でも目立つ男とは生理中でも関係を持ち、後孔を使い、精力剤で二時間以上休まず遊び続けた。
ゼンプラインゲンドはその家の前に立った。
女がドアを開けた。まだ香水と男の汗の匂いが残っていた。
「どちら様ですか?」
彼は答えず、ただ行動した。
女は跪き、頭が砕け散った。
残りの四人の男たちも逃れられなかった。街の別の暗がりで、それぞれが致命的な一撃を受けた。
最後に、名門高校の校庭。
高校一年生の男子が、六人の女子を妊娠させていた。女子たちの家族が抗議に行ったが、男の家は全面否定した。「全部淫乱女だ。他の男とやって妊娠したのをうちの息子に押し付けてるだけだ」。
その少年は自慢げに言っていた。「俺、 soon 留学するんだ。女どもは俺に夢中だぜ」。
ゼンプラインゲンドは校門の前に立ち、放課を待った。
少年が友人たちと笑いながら出てきた瞬間、彼は現れた。
「お前は『たくさん女にモテる』ことを誇りに思っているのか?」
少年は嘲るように笑った。
「は? 嫉妬かよ?」
ゼンプラインゲンドはつまらない冗談に笑わなかった。
「お前のような奴に相応しい場所は学校ではなく、刑務所だ。」
一つの指差し。少年は跪き、引き寄せられた。一撃の蹴り。頭が校庭の真ん中で粉々に砕け散った。
周囲の生徒たちから悲鳴が上がった。
ゼンプラインゲンドは踵を返し、黒いコートを風に翻らせて去っていった。
少し離れた場所でテヒモシンが首を振った。
「最近の女の子たちは処女を大切にしない。結婚するまで大事な人に捧げようともしない。」
ゼンプラインゲンドはテヒモシンを真正面から見つめ、低く、重い声で、一言一言を噛み締めるように言った。
「処女を大切にする? あいつらには『大切にする』という概念がもうない。体はただの取引材料だ――注目を引くため、偽りの愛を得るため、『選ばれた』という感覚を得るため。簡単に体を許すのは、それが愛される方法だと思っているからだ。しかし本当の愛がないまま体を許せば、自分を安物に貶めているだけだと理解していない。」
彼は少し言葉を切り、冷たい夜の空気を深く吸い込んだ。
「彼らは性行為をゲームのように、自己主張の手段のように、『大人になる』ための方法のように考えている。純粋な者を笑い、『時代遅れ』『生き方を知らない』と言う。しかし本当にかわいそうなのはあいつらの方だ。何も守るべきものがなく、自分自身を大切にできない生き方。」
ゼンプラインゲンドは足元の血溜まり――先ほど殺した高校一年生の血――を見下ろした。
「一時の欲望と無責任から生まれた子供たちは、苦しみの中で育つ。あの少女たちも……きっと『彼は本気で愛してくれている』と思ったのだろう。妊娠したら捨てられ、『淫乱女』と罵られる。そして悪循環が続く。」
彼は顔を上げ、声がさらに冷たくなった。
「私は女だけを責めているわけではない。両方に責任があると思っている。しかし一番嫌いなのは、体を道具のように使って自分の価値を証明し、物事が破綻したら他人を責める態度だ。彼らは処女を大切にしない。なぜなら自分自身を大切にしていないからだ。そして自分を大切にできない人間は、決して他人を大切にできない。」
第8章:癒えぬ傷痕――純粋なる心の過去
街は不安な眠りについていた。メインストリートのネオンはまだ瞬いていたが、ZenpleingendとTehimosinが仮の宿とする古びた郊外の廃倉庫では、空気がこれまでになく重く淀んでいた。穴の開いたトタン屋根を雨が激しく叩き、コンクリートのひび割れた床に小さな水溜まりを作っていた。
Tehimosinは古い木箱に腰掛け、壁に背を預けていた。
ぶら下がった懐中電灯の弱い光が彼の顔を照らし、疲れた瞳を浮かび上がらせながらも、いつもの平静さを保っていた。
Zenpleingendは割れた窓のそばに立ち、激しい雨を眺めていた。黒いコートはびしょ濡れで、水滴が床に落ちて広がる。赤い瞳は遠くの稲妻を映し、決して消えない二つの炎のようだった。
Tehimosinは適度な距離を保ち、静かに尋ねた。
「君のことはまだ何も聞いたことがない。『四聖』が四人揃っていた頃から、過去についてはずっと沈黙を守っていた。今は君一人だけ……疲れないのか? 世界中の罪を全部背負って。」
Zenpleingendは振り返らず、冷たい空気に白い息を吐いた。
「過去など……語る価値もない。だが、聞きたいというなら話そう。」
彼は窓辺から離れ、冷たいコンクリートの床に腰を下ろし、湿った壁に背を預けた。Tehimosinは静かに耳を傾けた。
Zenpleingendは古びた本を読むような平坦な声で語り始めた。
Zenpleingendは優しく、慈悲深く、誰かに何の見返りも求めず助ける少年だった。
リーダーであるAnmorkzaraftは彼をこう評した――「人間として極めて高潔な道徳と品格を持つ若者」と。
内向的で、優しく、臆病で、純朴。世間を知らず、純粋で無垢で、清らかで、穢れのない魂を持っていた……
大学に入り、Zenpleingendは悪い友人たちと知り合った。彼らはいつも聞いてきた。「エロ動画見たことある?」「彼女いる?」「セックスしたことある?」「オナニーしたことある?」……そしてグループチャットに次々と猥褻な動画や画像を送りつけてきた。
Zenpleingendにとってエロ動画は汚らわしいものだった。
エロ動画を見る者は堕落した人間、道徳のない者、愚かで無知で、性癖の悪い変態、病んだ人間だと考えていた。
彼はエロ動画とそれを見る人間を心底嫌悪し、画面に映るだけで体が震えるほどだった。
Zenpleingendは拳を強く握り、爪が掌に食い込んだ。
彼が犯した最大の過ちは、親友の女の子がいたことだった。彼女の名はCamar Nguyễn、2000年3月29日生まれ。二人は中学・高校の7年間を共に過ごし、彼は彼女を心から信頼していた。
彼女なら自分の考えを、魂を理解してくれると思っていた。
ある日、彼は彼女に動画と画像を送り、助けを求めた。
「どうしたらいい? 奴らがずっとエロい動画や画像を送ってくるんだ。
ブロックした方がいいかな? でも同じクラスで気まずくなるのも嫌なんだ。助けてくれ。君のアドバイスが本当に必要なんだ。」
Zenpleingendは俯き、頰を涙が伝った。
「彼女は俺をブロックした。一言の返事もなく、メッセージ一つなく。俺はただ暗くなった画面を見つめ、世界が崩れ落ちるのを感じた。」
本当に助けが必要だった時に、彼女は何も言わなかった。
彼は傷つき、無力感と怒りに苛まれた。
その後、Camarの親友であるHana Nguyễn(2000年5月2日生まれ)に仲介を頼んだ。
しかしCamarはHanaにこう言ったという。
「Zenpleingendは変態で病んでて、性欲の塊だって。みんなが言う内気な人はエロいって本当だったのね。今なら信じられる。」
人は自分を基準に他人を測る。実際、彼が見ていたのはアニメ、仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマンだけだった。それらは世界にまだ美しさと英雄と希望が残っていると感じさせてくれるものだった。
Zenpleingendは顔を覆い、肩を震わせた。
「Hanaも俺をブロックした。そして二人は広め始めた。『無口な男には近づくな。彼らはみんな変態で性癖が病んでいる』と。」
女はイケメンだろうがブサイクだろうが同じだと思うなら、イケメンを選べばいい。ブサイクで性格まで悪いならゴミ箱行きだ。
女は家父長的な男(女を性欲のはけ口としか見ない男)を好む。イケメンでも自分勝手で、愛する女が他の男を見れば殴り、時には殺す。
女は身長170cm以上を好み、いい子を嫌い、bad boyやfuck boyを好む。サドやマゾ、爺さん、乱交を好む。真面目な男は嫌い、性悪、嘘つき、女たらし、変態、卑劣漢を好む……
女はイケメンには簡単に騙される。「愛してる」の一言で首を傾け、すぐに体を許す。
本当の愛とは時間と一生をかけて証明するものだ。ただの口先だけではない。
Zenpleingendは声を震わせた。
「純粋で無垢な魂を持つ者にとって、性行為の存在自体が侮辱であり、汚名だ。
俺は名誉と人格を踏みにじられた。自分がしていないことで変態呼ばわりされ、耐えきれず自殺を選んだ。
……包丁で手首を切った。部屋の床に血が広がった。死ぬことで自分の純粋さを守れると思った。」
彼は床に崩れ落ち、涙をぼろぼろと零した。
「他人にとって性行為は普通のことかもしれない。でも純粋な心を持つ者にとって、性行為は罪であり、終わった後に強い罪悪感と後悔に苛まれる。『なぜあんなことをしてしまったのか』と……愛する人を穢してしまったと。」
「しかし俺は死ななかった。Anmorkzaraftリーダーが俺を血溜まりから引き上げ、傷を癒してくれた。そしてこう聞いた。『復讐したいか?』と。」
Zenpleingendは涙を拭い、声が冷たくなった。
「最初にHanaを殺した。奴を千切れに斬り刻んだ。
次にCamarの元へ行くと、彼女は彼氏とセックス中だった……フェラチオをし、尻を舐めていた。」
Zenpleingendはそこに立ち、Camarを見て言った。
「お前は俺をエロ動画を見る汚い変態だと言ったな。
じゃあお前はどうだ? 今まさにチンポを咥え、尻を舐めているじゃないか。お前は清らかだと言うのか?
お前は自分の穢れを、他人の純粋さに押し付けたんだ。」
「心の純粋さを傷つけた者は皆、死ぬべきだ。お前がエロいことをするからといって、みんながそうだとでも思ったのか? お前が性欲の塊だからといって、みんながそうだとでも?」
Zenpleingendは拳を強く握った。
「俺はお前に最も残酷な罰を与える。一枚ずつ皮を剥ぎ、一片ずつ肉を裂き、一本ずつ骨を折る。」
そしてその通りにした。
Tehimosinは静かに聞き終え、ぽつりと言った。
「優しい人間ほど傷つきやすいんだな。」
Zenpleingendは泣きながら怒鳴った。
「俺はあいつらが大嫌いだ!」
「何か聞きたいなら聞けばいい、メッセージを送ればいい。なのに黙ってブロックして、連絡を断って、根も葉もない噂を流すのか?」
Tehimosinはため息をついた。
「なぜ話そうともメッセージを送ろうともしなかったと思う? 女はブサイクで低身長(150cm)の男を軽蔑する。君を化け物のように見ていたんだ。背が伸びないことを。170cm以上なら王子様やお姫様扱いだ。内向的な人間を変わり者や精神的に問題があると見なす。外向的な人間だけが良い性格とされる。」
Zenpleingendは苦く笑った。
「女の理想の男:背が高く、筋肉質、金持ち。イケメンなら何でも許される。金持ちならブサイクでも老人でも病人でも愛される……」
Tehimosinが聞いた。
「その後、男友達に相談はしなかったのか?」
Zenpleingendは素直に答えた。
「俺はマ●コ狂いの連中とは友達にならない。」
Tehimosinは苦い声で言った。
「『女好き』と言った方がいいんじゃないか。」
Zenpleingendは続けた。
「あいつらはマ●コを崇拝し、常にマ●コのことばかり考え、マ●コを神よりも上に置く。マ●コは親より大事で、超自然的な力を持つ……」
「奴らにとってエロ動画を見たり女を抱くことが大人で上等な生き方だ。俺がアニメや仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマンを好むことを馬鹿にし、着信音がアニメ曲だと恥ずかしいと言う。アニメを見る者をゴミ屑と呼び、アニメアバターを使う者を『底辺』『ネット市民権なし』と見なす。だから俺は誰にも趣味を言えなくなった。」
Tehimosinは真剣に言った。
「二つのことは嘲笑ってはいけない。
他人の恐怖を嘲笑うな。他人の趣味を嘲笑うな。」
Tehimosinは説明した――それは「対比による自己肯定欲求」だ。
人は他人と比較することで自分の価値を見出す。ネットでは特に、金・学歴・容姿がないと「仮想の基準」を作って階層化する。
・アニメに興味がない=現実的で大人 → 上位
・アニメ好き=子供っぽい幻想厨 → 底辺
他人を貶めて自分を上げる、典型的な心理だ。
Zenpleingendは痛々しい声で言った。
「『男の千の口より女の一つの口』という言葉がある通り、俺がどれだけ説明しても信じてもらえない。」
「なぜ女の一方的な言葉を皆が信じ、確認もしないのか?」
Tehimosinは答えた。
「被害者効果、性別による先入観、同調圧力、違いへの恐怖。社会は女性を弱く傷つきやすい存在と見なしやすい。男性は無実を証明しなければならないが、女性は自動的に被害者扱いされる。」
Zenpleingendは拳を握りしめた。
「俺が一番嫌いなのは、女に夢中になる男だ。女の言うことを聞く男だ。」
Tehimosinは悲しげに言った。
「誰も誘惑に勝てない。男は女に、女は男に、貧乏人は金に、金持ちは名声に……。君がそれを超えられたなら、神だ。」
Zenpleingendは静かに言った。
「なら俺は神だ。」
Tehimosinは首を振った。
「人類を皆殺しにしてこそ神だろう。」
Zenpleingendは沈黙した。涙はまだ流れ続けていた。
第9章:闇の聖者の残骸
2024年12月31日 火曜日。
大晦日の夜、本来なら笑い声で溢れるはずの場所に、重苦しい悲しみが満ちていた。
Zenpleingendは、滅びた。
Tehimosinは腕を組んだまま、静かに現れた者たちを見つめた。深い瞳に名状しがたい悲しみが宿っていた。
「やはり……お前たちか。」
「Tehimosin、久しぶりだな。」Gondralakaが先頭に歩み出て、戦場でついた埃を軽く払った。
「どうしたんだ? 随分と機嫌が悪そうじゃないか。」Ovimuchiが尋ねた。まだ先ほどの戦いの殺気が瞳に残っていた。
Tehimosinは回りくどく言わず、冷たい声で切り出した。
「お前たち……今、人を殺しただろう?」
「そうだ、俺たちは殺した。」Schnevitiが平然と答えた。「だが、あれは怪物だった。」
「怪物? あれはZenpleingendという人間だ!」Tehimosinが声を荒げた。
Uillkoが眉を上げ、不思議そうに言った。
「君はあの怪物に名前まで付けていたのか?」
「明らかに人間だったのに、なぜお前たちは怪物に見えたんだ?」
ChouKazeliが肩をすくめた。
「俺たちが人を殺したと言うなら、死体はどこにある?」
Gondralakaが続けた。
「その通りだ。あの怪物が死んだ瞬間、大量の闇が体から溢れ出て、煙のように消滅した。」
Tehimosinは言葉を失った。
そうか……。四聖の体は闇の力に深く蝕まれ、もはや純粋な肉体ではなかったのだ。だからJoouSeeleは彼らの魂を輪廻の中で見つけられなかった。
なぜ自分には人間に見え、彼らには怪物に見えたのか。Tehimosinには理解できなかった。
Tehimosin:「お前たちは今まで何体の怪物と戦ってきた?」
Ovimuchi:「合計4体だ。」
Tehimosin:「……やはり『四聖』は全員、お前たちに殺されたのか。」
Schneviti:「何か問題でもあるのか?」
「誰の命令でやった?」Tehimosinは声を震わせながら聞いた。
「神々――Mogodto様だ。」Uillkoが答えた。「人々を無慈悲に殺す怪物がいる、と。」
ChouKazeliが誇らしげに続けた。
「今、俺たちは以前よりずっと強くなった。Hygodder神々から直接訓練を受けたからな。」
Gondralaka:「どんなに強い怪物でも、俺たちの前では無力だった。」
Tehimosin:「……もう彼らのことを怪物呼ばわりするのはやめてくれないか?」
Ovimuchi:「君が優しい人間なのは知っている。でも、人を殺す奴は怪物だ。」
Tehimosin:「彼らはただ、怠惰な者、法律を犯した者、動物を虐待する者、道徳に反する性行為を行う者を殺していただけだ。」
「しかし手口が残酷すぎる!」Schnevitiが反論した。「なぜ頭を蹴り潰す必要がある?」
「俺は本人に聞いたことがある。」Tehimosinは暗い空を見上げた。「彼はこう答えた。『あいつらには脳など必要ない。頭を残して何になる?』と。」
Tehimosinの瞳は遠くなり、「四聖」の痛ましい過去を「神の子」たちに語り始めた。軽蔑と中傷と、信仰の死によって踏みにじられた過去を。
Tehimosinは歯を食いしばった。
「俺は調べなければならない。あいつらが『神』と呼ぶ存在が、本当に神なのか。殺しの力を与えるような神など……」
Uillko:「俺たちも協力していいか?」
Tehimosin:「構わない。『神秘なる権能』グループは10人だった。お前たちが4人を倒したなら、残り6人だ。仲良くなって内部を調べろ。」
ChouKazeliが歓声を上げた。
「よっしゃ! 『神の子』チーム、完全結成!」
Tehimosinは彼らをZenpleingendが苦労して作った孤児院へと案内した。あの者たちが「怪物」と呼んだ存在の本当の心を見せたかった。
しかし中に入った瞬間、Tehimosinは凍りついた。
「……おかしい。なぜ女の子が45人しか残っていないんだ?」
「何か問題でも?」Gondralakaが心配そうに聞いた。
「元々はもっと大勢の子供がいたはずなのに……」Tehimosinは愕然と事実を悟った。「そうか……。この子たちはZenpleingendの闇の力で命を繋いでいたんだ。彼が滅んだ瞬間、闇の力が消え……子供たちも一緒に死んだ。」
空っぽの部屋を見回し、Tehimosinは声を詰まらせた。
「皆、親に捨てられた子たちだ。排水溝に、ゴミ捨て場に、40度の猛暑やマイナス12度の寒さに放置された子たち……。Zenpleingendは闇の力で彼らに温もりを与え、命を保っていた。お前たちは……彼らの最後の希望を殺したんだ。」
「神の子」たちの間に、重い罪の沈黙が落ちた。
Rr… Rr…
けたたましい着信音が重苦しい空気を破った。秘書や秘書官からの電話だった。彼らは強力な戦士であると同時に、表社会では大企業の社長や会長だった。長時間の不在が、会社に混乱を招き始めていた。
「みんな、仕事に戻れ。」Tehimosinはため息をついた。「調査は俺が一人で続けるよ。」
「ごめんな、Tehimosin。」Ovimuchiが頭を下げた。
「いいんだ。」
「せっかく『神の子』が揃ったのに、すぐに解散か……」Schnevitiが寂しげに言った。
Tehimosinは去っていく仲間たちの背中を見つめ、瞳に強い意志を宿した。
「悲しむな。また必ず会える。この本当の戦いは、今始まったばかりだ。」
孤児院の瓦礫の中で、Tehimosinは一人佇んでいた。
Zenpleingendは消えた。しかし、真実の炎はまだ消えていない。




